2012/12/19

簡単に

ちょっと前に鬱々としてたときに、「届かない言葉にも意味があるんじゃないのかね」とか何とかつぶやいたんですけど、あの時つづけて書こうとしてやめた言葉がありました。まあ大した内容じゃないんですが、何となく言う前に確認の意味でクロスチャンネルを再プレイすっかーという気分になりまして最近静かにプレイしなおしてました。復刻版DVDです。解像度が良くなってますね。音も良くなったのかしら。俺は耳が腐っている(舌も腐ってなかったっけ?)ので自信持っては言えないんですが。

さて簡単に。超有名ゲームなんで細かい話とかはどうでも良くて、俺はどういう風に読んで、どこが好きかというお話だけ書いときます。自分用のメモですな。

俺にとってこのゲームで最も重要なシーンは、ED前、全員を送還した太一が「生きている人、いますか?」と放送するシーンです。この言葉から始まる太一の放送については、「黒須ちゃん、寝る。」に至るまで読み手に対するメッセージとして受け取ることも可能です。例えば「生きてください」とか。ただ俺は、(正解が何かは知りませんが)そういう風には受け取らないみたいです。というかもしそんな風に受け取っていたとしたら、好きになるわけないですね。大きなお世話じゃ!っつー話で。

じゃあどう読んだのかというと。自分勝手に7人を利用して思い出を得て、傷つけ(き)たくないから送還して、いなくなったらいなくなったで繋がりたくて狂いそうになって、七香の言葉とともに心の平穏を得て、ようやくヒトらしき何かになれた太一が、それでもなお、無駄だとわかっていても、呼びかけざるを得なかった。その姿に、物語中の言葉を借りれば、「見返りを求めない」友情を感じたわけです。

まあそういうわけで、「寝る」で伝わる必要はないかなーとは思うものの、ここでの太一の言葉にも勝手に共感してたりするのでアレですね。「好きになる」ってのをやたら重視してたりしますし…。

簡単ですが、確認みたいなもんなのでこんなところで。

***

ああそうだ。もうすでに言ってるので繰り返しになりますが、「届かない言葉にも意味があるんじゃないのかね」とかいうのに続けて言いたかったのは「届かないと知っていても言葉を発せずにはいられなかった姿に、見返りを求めない友情を感じたんじゃないの」です。どうやら何かに対するイヤミっぽいんだけど、もう忘れてしまった。もうだめだ…

2012/11/21

バカじゃねえの

穴蔵に向かったつもりで何か書き始めてみることにする。

なんもかも嫌になった。理由はよくわからん。たんに限界なのかもね。Q見たあたりからっつーのもあるかもしれんので、そのあたりの話から始めてみようか。

客観的に言えば、退屈だった。強引に要素をつめこんで、旧作との対比、つながりを挿入したせいで流れがスムーズでない。中だるみもある。下手だな、という印象ばかりが残る。「ヱヴァ」ではなく「エヴァ」だっつう感想には同意する。この単語は固有名詞ではなく形容詞であるとするならば確かにおっしゃるとおりだ。

それを大喜びすりゃよかったのかもしらん。思い出を懐かしむような、あるいは若返った気分にでもなればよかったのだろう。でもそんな風にはならなかった。「まだこんなことやってんのか」という感想が全てだった。そして「それに対して俺はまだこんなに嫌悪感を抱くのか」という自嘲、呆れが続いた。14年とかいう歳月が過ぎてなお、みっともない感情を抱いた変化のない自分への呆れだ。俺は全くもって、無駄にインプットし続け、流されつづけ、意思もなく、衝動も体験することもなく、ただ生きてきたわけだ。

ばからしい。

ただ時間だけが経っていた。変化しなかった理由は単純だ。他との相互作用が存在しなかったから。休日を他者と過ごした記憶もございません。パブリックに言えないネタバレを語り合える人間などどこにもいません。他者を好きになったこともないし、嫌いになったこともありません。誰かに中身をみせたこともございません。泣いたときに、そばにいてくれる人は、もちろんいません。

まあいいよ。確かに俺は相互作用を嫌っているのだから。短期的に言えば、相互作用がないことは心地よい。だけどさあ、それを続けて得られた、変化しない自分も、嫌いだったらしい。知ってたけど。

全くもって頭が悪い。いつものように諦めまじりに笑えればよかったのだろうけど、上手くできない。諦めまじりに笑うほどの意思が湧かない。他の解決方法を思いつくほど頭が良くない。誰かの提案を受け入れて責任を負わすほどの勇気もない。

まあ、風化するのを待つのがいいのだろう。幸い俺はトリ頭なので、しばらくすればすっかり忘れて元気にエロゲをやってるはずだ。

これまでずっとそうやってきた。今度もきっと上手くいく。

2012/11/04

『夏空のペルセウス』 体験版 感想

『夏空のペルセウス』の体験版プレイしたのでその感想。

…なんだこれ。びっくりしました。体験版のラストの告発シーン。

いやなんか分割ダウンロードとかくそめんどくせえなあんまり買う気もないしまあいっかと思ってたんですけど、今日やることなかったのでダウンロード待ちしつつ買い物に出かけて家かえってきた後にプレイしてみたら実に面白い。

まず妹の恋(名前)がひっじょーにかわいい。俺のほぼどストライクの妹です。妹の定義といっても良いくらいです。やっぱり妹はわがままでないといけない。恋が言っているとおり、「兄にわがままを言うのは妹の特権」なのです。お兄ちゃんはわたしのものだから、お兄ちゃんがわたしのことを一番に考えてなきゃ嫌だし、お兄ちゃんはわたしを甘えさせてくれないとダメだし、お兄ちゃんはわたしのわがままをちゃんと聞いてくれないといけない。

妹のわがままは最高のエサです。それだけを食べていれば生きていけます。この世の荒波にも負けず、ただ妹のわがままを聞くためだけに存在する…。「しょうがねえなぁ」とか口にはするんだけど内心ではちょっと喜びつつ妹の機嫌をとる。しかもねえこの妹さん、たまに無邪気に笑うんですよ。いっつも不機嫌そうで、まあ社交的な感じでは決してない。でも、お兄ちゃんと一緒のときに、ふとした瞬間に、無邪気に笑う。目が覚めます。はっとする。ああ、このまま死んでもいいんじゃないかって。

この妹(恋)のすごさが端的に表現されているのが序盤のとあるシーンです。主人公と妹は、どちらも他人の「痛み」を自分に移すという力を持っています。そのせいで人に利用されたり、他人と深くかかわれなかったりしてきたらしいですが、それはどうでも良い。序盤、主人公が他のヒロインに目移りした場面で、恋は片手で主人公に触れながら、もう片方の手で自分の腕をつねることで、主人公にその痛みを味わあせる。単に主人公の腕をつねるのではなく、です。これは極めて重要で、主人公を痛めつけたいのではなく、主人公が他のヒロインに目移りする様子を眺めている自分の痛みを主人公に知ってほしいわけです。だめだまた興奮してきた。

正直この妹さんの魅力だけで購入するには十分なんですが、ストーリーも引きこまれます。いや初めは選択肢とか登場せずに勝手に話が進んで余命わずかヒロインの透香さんのほうに主人公が勝手にふらふらっと引き寄せられていき勝手に告白とかしだしてどうしたもんかなーと思って読んでたんですけど。どう考えても妹のほうがかわいいじゃねえか!とか思いながら。しかも何で主人公が透香に惚れたのかさっぱりわからない。これはたぶんプレイした人はみんな思うんじゃないかしら。告白シーンを見たときの俺の感想は、

ちげーよバカ。告白して「選んだ」ことにしなければ、力を使えないんでしょ?

というものでしたが、要するに、主人公が透香のことを好きになってしまったという実感が全く感じられず、単に透香を救いたいがために、自分の行動の理由を正当化するために「選んだ」ようにしか見えなかったんですね。プレイしていて全くスッキリしない。えーこれどうなのよとか思いながら妹の嫉妬の可愛さでなんとか読み進めているうちに気づいたら透香とのセックスが始まったりして、こんなもんただの痴女じゃねえのか違うとは言わせねえぞこらとか思ってたところで、冒頭に言った体験版ラストの透香による告発シーン。

やられました。

主人公が、「他人の痛みを自分に移す」という能力を透香に告げた後の透香の反応。そんなものはいらない、同情なんてもう飽きるほど受けてきた。そんなありきたりな、自分にとって「普通」の他者の反応はいらないんだ、という台詞。主人公が自分をごまかすために使った「うそ」を告発するシーン。この時点で俺は透香に同期して、彼女の冷たい台詞に共感する。そして同時に、彼女の告発に動揺する主人公に移入して、透香の美しさに圧倒される。不自然なほどに美しい光によって非現実的さを加えられた夏空の下で、まっすぐ立つ孤高な少女の姿に、言葉を返すことができなくなる。

彼女が最後に放つ「さようなら」。そして流れるOP。完璧な引きです。さて、こっからどういう風に話が進むのか。若干怖いもの見たさはありますが楽しみです。あー早く続きがやりたい…

***

すいません。重要なことを忘れていました。妹の恋ですが、この娘は主人公のことを名前(森羅)で呼び捨てにします。みなさんご承知の通りこのタイプの妹は自室では主人公のことを「お兄ちゃん」と呼びながらオナニーすると相場が決まっていますから、現時点ですでにこのゲームが傑作になることは確定していると言わざるをえず、要するに何を言いたいかというと、早く続きがやりたい…

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遅ればせながら、本編感想書いておきました。好意的ではないので注意。
http://sagaslave.blogspot.jp/2013/01/blog-post.html

2012/10/14

『LOVELY QUEST (ラブリークエスト)』 感想

ラブクエプレイしたのでその感想。

とりあえず、疲れました。おいたん疲れた…。どのくらい疲れたかと言うとフルコンプした翌日に頭痛吐き気悪寒を催してぶっ倒れて寝込むほどです。

どうしてこんなことになってしまったのか。俺は体験版の感想でこう予想しておりました。
定期的に「ラブスマ活動」とそれに続く「ガーリートーキング」で二重に「ぎゃーかわいい!」のドーピングをされて、落ち着いたころに再びそれを繰り返す。さらに過激になったお題のせいで投薬量はどんどん増えていくんでしょう。たぶん副作用ひどいと思うけど、ドーピングしてる間は異常に興奮できることは確実だと思う。
まさにこれです。これからプレイされる方はお気をつけ下さい。具体的にはそうですね、一人攻略するごとに一週間くらい休憩を挟むというのはどうでしょうか。土日はラブクエ、平日は他のゲームといった感じです。間違っても連続でやってはいけません。プレイしている間はいいんです。クスリが切れてないわけですから。オーバードーズした後の副作用が問題なのです。容量用法を守っておプレイくださいませ。


さて、それではラブクエというお薬の成分(ヒロイン)についてのお話に移りたいと思います。紹介順はたんに俺がプレイした順番になってます。

まずは妹の水穂。まあまずは妹ですよね♪ 実妹です。そういえば実妹義妹に関して言えば、俺はどっちもいける口です。ただし、全くの別物として認識しています。実妹は妹で「ある」のに対し、義妹は「妹になった」のだから、妹で「ない」ことに重点を置いて読みます。妹に生まれてしまった理不尽と、妹であることを選んでしまった理不尽。どっちも良いものだーあーあー(やる気ねえな)。

話戻して水穂ルートですが、基本的に「ラブスマ活動」における肉体的な接触が先んじたルートです。妹の肉体を感じてちんこ勃っちゃってだめなお兄ちゃんと、お兄ちゃんの肉体を感じておまたきゅんきゅんしちゃってだめな妹が結ばれるというごくありふれた展開がなされます。いやだってねえ妹の太ももに顔挟まれながら耳かきなんかされちゃったらお兄ちゃんの息子は妹の子供でどうしたらいいの?ってなっちゃうのが自然の摂理というものです。動物化するポスト兄妹(まじめに書け)。非常に説得力がありました。まる。

で終わってもいい気がしますが、このゲームの売りの一つであるヒロイン視点「ガーリートーキング」については語っておかなければならないでしょう。どのヒロインのルートでも、ラブスマ活動の後とかHシーンの後(!)とかいろんなところでヒロイン視点が挿入されるんですけど、これが素晴らしい。水穂が自分の部屋のベッドの上でお兄ちゃんのこと考えて自分の気持ちがよくわからなくなったり、お兄ちゃんへの恋心に気づいたりするシーンは言うまでもなく描写されます。さらに!水穂さんは妹なので当然お兄ちゃんのパンツの匂いを嗅ぐかどうかで悩んだりするんですが、この際の葛藤をちゃんと妹視点で描写してくれます。お兄ちゃんの寝込みを襲うかどうかの葛藤とかもありましたし…。HOOK SOFTさんには足を向けて寝れません…。

あと、このルートの面白いところは、いわゆる近親相姦の問題をかんぜんにうっちゃったところにあります。よくあるパターンだと、血が繋がってるのに~、とかあるじゃないですか。このゲームでは、エピローグで「そんなんしーらね♪」ってやります。これは(好意的に見れば)このゲームの掲げた「真の『純愛』を探すストーリー」というお題目に関係するところだと思われますが、この辺についてはまた後ほど。


続いてアイノです。このルートはですねー、アイノは見た目(ロリ体型&金髪ロング)に関しては圧倒的に好みで、ものすごい期待と共にプレイしたのですが、合わなかったです。アイノがどうこうというわけではなくて、主人公がダメでした。だって、Hシーンのときに「(やっても)良いよな?」的なこと言うんですもん…。それは違うよ主人公君。いいか?そこは「セックスさせていただけないでしょうか?」だ。わかるか?お願いして、アイノはセックスとかよくわかんないんだけどなんか恥ずかしいことだとはわかっててすごく恥ずかしいんだけど、主人公がすんごくしたがってるから「いいよ」って言う展開じゃないと!まったく。まあこれは端的な例ですが、バイト関連のお話とかもそうですね。無意識的に主人公が上位に立ってる感じが好みではなかったということです。


次にプレイしたのは先輩ルート。こちらはアイノとは逆に見た目(巨乳すぎる)が全く好みではなかったのですが、非常に良かった。このルートの売りは二つあります。一つは、先輩視点のガーリートーキング。先輩は萌えゲよろしく恋愛経験ゼロなんですが、後輩くんの前で先輩ぶろうとします。その結果どうなるかというと、例えばデートとかで何が起きても余裕を持って対処できるように、あらかじめ前の日に自分の部屋でシミュレーションを行います。主人公がこうきたらこうしてああだこうだ、と。しかもそのせいで寝不足になったりするあざとさ!いやーびっくりしました。キスのシミュレーションして枕抱えてじたばたしてたりとか、シミュレーションから外れてあたふたしてる様子とか…。

もう一つの売りは、間違いなく賛否両論あると思いますが、主人公の圧倒的な童貞力ですね。このルートでは先輩が必死になって余裕ぶっているのですが、基本的に主人公はこれにまんまと引っかかって先輩の手のひらの上でころころ転がされます。「先輩にかなわない、先輩が気になる、あーもう!って感じで主人公がベッドの上で悶えまくる。男が悶えるのなんか見たくねえ!っていうひとには不快かと思いますが、俺はこういう主人公に同期するのが大好物なので、かなり楽しめましたね。

ちょっと勿体ないのは、初Hシーン後は、主人公の童貞力が当然のごとくなくなってしまって、一応先輩に弄ばれてはいるものの、女の子の手のひらの上で転がされる快感がかなり減ってしまった点です。それでも全体として見れば非常に楽しめました。先輩ルートは二番目に好きなルートですね。


先輩の次は、このゲームのメインヒロインとして据えられている羽美ルートをプレイしました。幼なじみの羽美さんの特徴はなんといってもその圧倒的な妄想赤面力です。この娘は主人公のなんでもない一言を火種に十の妄想をかまし、その自らの妄想でカスケードに妄想を膨らませて勝手に悶え転げて赤面しやがります。ガーリートーキングなんかでもそうで、自分の妄想で勝手に点火して燃え広がって「どうしようっ!」とか言っちゃうという…。この羽美さんの妄想劇場は非常に楽しかったです。ただ、羽美さんの赤面力が主人公との距離が近づくにつれて下がっていったのは残念でした。妄想に現実が追いつくに従い、羽美さんの赤面力の源であった妄想力が十分に発揮されなくなってしまうので。仕方ないんですけど、尻すぼみな印象ですかね。


さて、記憶によると羽美ルートの途中くらいからダレ始め、終わったときにはすでに疲れきって若干やる気をなくしていたようです。この文章についてもすでにダレ始めております(すいません…)。

そんな中全く期待せずに選んだのが、おまけヒロインであるところのはつねちゃんルートです。えっ?何ではつねちゃんだけちゃんづけなのか?それはですね、はつねちゃんがおんにゃのこだからです。

――おんにゃのこ。それは空想上の生物。かわいい成分だけで構成され、それを見たものは自動的に下半身が隆起し脳の機能は停止。口は半開きになり、全身の穴という穴から性臭を発するだけの動物と化すという…。サキュバスは言ってもちんこから精力を吸い取る程度で、あんなもんは大したこたーないんですよ。おんにゃのこには敵わない。おんにゃのこからは逃げられない!おんにゃのこには抗えない!!

例を一個だけ挙げておきましょう。このルートで主人公とはつねちゃんは「秘密の合図」を共有します。朝あったときに二人だけがわかる合図でメッセージを送り合ったりします。この合図がかわいらしいもんなんですよ。エロゲなんだからさー、「昼休み。体育倉庫。セックス。」みたいなのかと思ったらそんなんじゃないんですよ。フツーの挨拶で。秘密を共有してる事自体が楽しいっていう。はつねちゃんも楽しそうにしてんの。甘酸っぱい分よっぽどきついわ。俺はつらい。見ていてつらい。そんなん俺だってやりたかったっつーの!!!

しまいにゃ『好き』という合図とかやりだしますからね。おーい。俺が見てるぞー。やめろー。泣くぞー。

はぁ。はつねちゃんと付き合いたかった…。

まあ凄くいいルートです。おまけなんで短いですけど、むしろ尻すぼみになることなく終わったのでこのくらいの長さのほうがいいんじゃないかしら。一番好きなルートです。


最後にプレイしたのは全く期待してなかったいろはルートです。このルートは先輩ルートと同じくらい良かった。基本的には身体接触ベースで進みます。踏まれたり肩車したりおんぶしたり…。肩車とかおんぶとか柔らかくていい匂いがするらしいですよ?知ってますか?知らねえよ…。ああ羨ましい…。ただし、踏まれるシーンはだめだ。せっっかく踏まれてるのに、パンツが見えてるほうに注力するのはどう考えてもおかしい。うわばきを脱いで踏んでくれてるんですよ!もっとあるだろ匂いとか温度とか感触とか!靴下は湿ってたのかどうなのか!主人公のアホー!

とにかくラブスマ活動とかいろんなハプニングは身体接触ベースで、どんどん先に進んでいきます。でまあ観てるほうとしてははいはいこのままセックスになだれ込んでくださいなって感じなんですけど、ラブスマ活動以外ではぜんっぜん先に進まない。俺はおんぶなんてほとんどセックスなんじゃないかと思うんですが、そうではないらしい。おんぶまでやっておきながら日常生活でたまたま目があったらお互いに目を逸らして照れてたりする。手が触れ合ったらあわてて手を引っ込めたりする。

な ん だ そ れ は

いやまあ理屈としては良い。身体接触があって意識し始めた。それは良い。わかる。わかりますよ。ただね、観てるこっちとしては何というかもう我慢がならないわけです。「こっちは興奮してんだ!さっさとHシーンを見せろ!」といったような感情とともにクリックしているというか。主人公もいろはも自分の部屋で自分の気持ちを言葉にできずに悶々としてるんですけど、それを見ている俺は下半身と脳髄が悶々としているのです。楽しいんだけど悶々もんもん…。

あとはそうだなー。告白された後のいろはのガーリートーキングが素晴らしかった。主人公に告白されて動揺しまくったいろはさんは走って逃げて一日返事を保留しちゃうんですが、その日の夜のふとんのなかでいろはが何を考えているのかを監視することができました。生きてて良かった。これがこのゲームのベストシーンだと思います。


といった感じでヒロイン紹介おわり。こうやって振り返るとアイノ以外は楽しかったですね。羽美は若干微妙ですが。

さて、最後にちょっとだけシナリオとかについて。このゲームは公式のストーリー紹介で、「真の『純愛』を探すストーリー」と銘打ってありますが、その辺の話。このゲームでは確かに『純愛』なるものが提示されています。どういうことかというと、このゲームでは、体験版の感想でもちょっと書きましたけど、徹底的に余計なもの(と製作者のみなさんがみなしているもの)が排除されている。それは一般的にはシナリオの薄さとみなされるものです。水穂ルートのところで近親相姦の問題がうっちゃられていたり、羽美ルートで羽美の赤面に関する明らかなフラグが結局放棄されてしまったりする。これらは、『純愛』ゲーに「シナリオなんていらない」という宣言なのではないか。

あるいは。ラブスマ活動は純か不純かを判定する活動とされていますが、実際にやっていることはどう見ても不純です。少なくとも俺には不純に見えました。プレイしながら興奮してましたから。そして、彼らの恋愛はラブスマ活動によって駆動されたものです。つまり「不純」な動機から恋心が芽生えている。じゃあ、彼らの恋愛は「不純」なのか?

それは違うだろう、と。理由と感情は独立し得る。「好きになっていた」と気づく場面や、その感情を何気なく伝えるだけの告白シーン。俺はあまり好きではないですが、全てのルートで同じお題が出される最後の二人でのラブスマ活動とその答え。理由が存在している「から」この感情が存在する場合、理由を失ってしまったときへの不安がつきまとってしまう。だから、理由がなくなっても好きだというのは美しいわけです。でも、それなら、初めから理由などいらないのでは?

このゲームで提示された『純愛』というのは、理由付けとは独立に存在するという『純粋さ』なのではないか。そんな妄想で筆を置くことにします。

2012/09/20

二次元と三次元は比較不可能なもので「なければならない」

増田のこれ↓読んで思ったことなど。

二次元 vs 三次元 を煽ったって誰も得しない。
http://anond.hatelabo.jp/20120918214821

ここで「二次元を引き合いに出して三次元を叩く」のはダメで、「三次元に疲れたときの一時的な逃避先として二次元を求める」のはOKだと言ってるんだけど、俺これどっちも大差ないと思うんですよ。というかそう信じようとしてるのか。

この主張の前提は、三次元>二次元というものだけど、二次元と三次元が比較不可能なものだという前提に立てば、どちらも二次元を自分の都合のいいように利用しているという点で同じなんだよね。目くそ鼻くそでしょ。

こっから本題。俺は二次元と三次元は比較不可能であるという前提に立っています。これはどうして?っていうことについて。

問いを狭めていきましょうか。まず、「前提」って言いましたが、実際のところ俺も気づいたら耳を塞ぐために物語を消費してるときがあります。で、それに気づくたびにこういうのやめたいなぁって思うってのを繰り返している。

耳を塞ぐために物語を利用するとき、そこには現実からの逃避という意思が存在します。ここで二次元と三次元は逃避という意思によって接続されている。接続されているということは、何らかの物差しで比較可能になっていることを意味します。それが俺は怖いんじゃないかと。

なんでかっていうと、困ったことに、現実ってのは圧倒的に強いんですよね。盆休みに堤防に寝っ転がって海を眺めてたときとか、「あー」ってなっちゃいましたもん。要するに俺は、虚構と現実を同じ物差しで比較したとき、虚構が勝利するシーンを確信できていないんだと思う。セツミ先生と同じ状況になるのは怖い。虚構をそれと戦わせて、敗れるところを見たらおしまいだから。言ってしまえば、それじゃ俺が寂しすぎるじゃないですか。

だから、二次元と三次元は比較不可能なもので「なければならない」。虚構が勝利すると確信できない人間の、逃げ道のような信仰でしかないのかもしれませんが。

2012/09/15

うじうじ

また鬱々としている。非常に良くない。疲れるとだめだねえ。

承認欲求カフェのツイートが流れてから、ずっともやもやしてたことでも吐いときます。ついったに流すのは躊躇われるのでここで。このポストで特に気になったのが、
「ずっとあなたを待ってたよ」って抱きついてくる
って部分。これ、俺ダメなんですよね。積極的な肯定が欲しいんじゃないんですよ。正確に言うと、欲望されたいわけではないんです。俺の欲望を、受け入れて欲しいんです。だから、抱きついてくれるんじゃなくて、俺が抱きついたときに力を抜いて受け入れて欲しい。

まあ、今更感がありますが、「ここにいて欲しい」と言って欲しいわけじゃないんです。「ここにいてもいいんだ」って感じたいんです。「ここにいてもいい」なんてのは当たり前だっていうのは、理屈としてはわかってますけど、実感が欲しい。

どこに居ても安心できないときがある。一人暮らしの部屋の中ですらも。まあ居場所に合わせて仮面かぶってるような人間が「居場所がない」なんて言ったところでバカじゃねえのっていう話だけど、でもさあ、攻撃されたくないじゃないですか。仮面かぶんの便利なんだよ。

臆病な俺を、取り残され続ける俺を、「しょうがないなあ」って笑って許して欲しいんですよ。自分で自分に言ってるだけじゃ、笑いが乾くときがあるんですよ。

2012/09/08

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 11巻 感想

俺妹11巻読んだのでその感想。

正確に言うと、「あとがき」まで読んで、一旦中断しています。この先を読む前に一旦書いておかなければならない気がしたので。

買って表紙を眺めた段階で、過去話になることはわかりきっているわけで、すっげえ嫌な予感を抱きながら読み始めました。なんで嫌な予感かと言うと、桐乃と京介が疎遠になった過去が明かされるっていうことは、桐乃のこれまでの思いとか、桐乃が今どう思って京介に接しているのとか、そういうものに対する言ってみれば作者による正解が提示されるということだからです。

もう少し補足しましょう。俺は、俺妹の9巻がすげえ嫌いです。具体的に言うと、「読まなかったことにしたい」という意思を示すために、9巻だけ本棚に前後逆に刺さっている。9巻ってのはその他の巻と違って、各登場人物の視点で語られる短篇集という形式をとっています。俺妹は京介の一人称で語られてきた物語なので、各登場人物の内面というのは基本的に、いや原理的に読者である俺が妄想するしか無い物語だったんですが、9巻でそれが破られた。各登場人物が何を思っているかが明示されてしまった。

これを単純に喜ぶことができる場合もあります。例えばエロゲのアナザービューみたいなものは好きです。来た!女の子の心情描写だ!って喜び勇んで舐め回す場合もある。ただ、俺妹に関してはそうできなかった。これも正確じゃないですね。「桐乃に関しては」そうできなかった。9巻、桐乃視点で語られる物語を読んだときの俺の反応はこうです。

「こんなの桐乃じゃねえ」

素で拒絶反応を起こしたんですよ。これは要するに、1~8巻、京介の視点で語られる桐乃を読んで俺が脳内で作り上げた、俺が好きな「高坂桐乃」と、9巻で提示された高坂桐乃の間に差がありすぎたっていうことです。こうなってしまった理由をいくつか挙げることはできます。例えば妄想するしかなかった時間が長かったからとか、京介視点というものが信頼できないものとして描かれてきたこととか。まあ理由はどうでもいいでしょう。重要なのは、俺が好きだったのは、俺が脳内で作り上げた「桐乃」だということです。

俺は俺の好きな「桐乃」をずっと信じていたいがために、桐乃を見ようとしなかった。桐乃が「桐乃」と異なっていることを知って幻滅したくないから、桐乃を見たくなかった。

だから過去話が展開されると予想された段階で嫌な予感がし始めたわけです。見たくねえもんを見せられる気がして。実際に読んでても、この先に開示される正解の予感がつきまとっていて、読み終わった部分から妄想する「正解」に自分勝手にダメージを受けるという状態で、けっこう立ち止まる頻度が多かったですね。ひっでえ話だ。

でまあ俺の話は置いといて11巻の話に戻ります。京介は小学生のころ、早熟だったというただそれだけの理由で勉強もスポーツも――子供のまなざしによれば「何でも」――できる子供だった。桐乃はそれを見てお兄ちゃんに「憧れた」(ロックが「俺らの」憧れといったとおり)。だけどまあ早熟だという理由だけで特別な人間でいられる時間は長くは続かない。中学生になるころには京介はもう自分は特別ではないと感じてしまっている。

ただ、3つ年下の妹である桐乃にはまだそんなことはわからない。私のお兄ちゃんは特別だと思ったままで。京介は桐乃の「お兄ちゃん」であるために、無自覚に、あるべき「お兄ちゃん」であり続けるために行動し続けてしまう。特別ではない自分が、特別であるために。

その歪みが顕れたのが3年前の事故で、事故によってヒビが入った京介に真奈美が掛けた言葉(俺はあれは真奈美の打算によるものだと認識しています)、「ありのままのあなたが好きだよ」というメッセージで京介は自分が特別ではないと認めてしまった。

まあ京介にとっては良かったのかもしれない。真奈美の言葉が、京介を自分に寄せるための打算から出たものであったとしても、俺はその真奈美の欲望を肯定します。むしろ好ましいくらいです。桐乃がいなければ一発で真奈美に転んでいたんじゃないでしょうか。

でも、3年前の桐乃からすれば、これは自分の好きだったお兄ちゃんが失われたことを意味するわけです。桐乃にはそれを認めることができない。いや、認めたくない。特別ではなくなってしまった兄貴を見て、桐乃はこう思うわけです。

「あたしのお兄ちゃんがこんなにカッコ悪いわけがない」って。

そして桐乃のなかにはカッコつきの「お兄ちゃん」が居座り始める。「お兄ちゃん」を壊したくないから、「お兄ちゃん」と、ありのままの兄貴とが異なっていることを知って幻滅したくないから、京介を見ないようにした。知りたくないから距離を置いた。今の平凡な兄貴に触れても悔しいような苛立ちがあるだけだから。

これ、殆ど俺の桐乃に対する態度と一緒なんですよね。ただ、俺妹という物語においては、そんな桐乃が京介に改めて介入されて、強引にでも本当の京介を知っていった。そんで、ありのままの兄貴は、桐乃の中に居座っていた「お兄ちゃん」とは違って凄いヤツでもなんでもないけど、「あたしにとっては」特別なお兄ちゃんだって気付いた。だから桐乃は「お兄ちゃん」を捨てることを決めた。そんなものは必要なかったんだって気付いた。

「あたしのお兄ちゃんは、ありのままでも、あたしにとって、こんなにカッコいいんだから」

参りました。11巻でときどき挿入された今の桐乃の言葉で少しずつ準備をさせてもらったってのも良かったと思うんだけど、ここまでのもんを提示させられたら諦めざるを得ない。俺も俺の中の「桐乃」を捨てることにします。

では改めて。俺は、桐乃が好きです。カッコが外れただけだけど、俺の中ではけっこう大きな違いなのです。

2012/09/06

おじさん大好き!

一年半遅れながらタイバニ全話見終わりましたのでその感想。

面白かった!って素直に言えるのは最終回のおかげかな。俺は1話から25話までずーっと虎徹というおじさんのお話として観たんですけど、この見方だと14話以降、後半部分はかなり不快になる場面が多かった。それまで高品質なもの、丁寧なものを観せてくれた作り手への信頼みたいな、ある意味不純な意識がなければ観るのをやめてしまっていたであろうほどに、です。

で、きっとこの先にあるであろうカタルシスなるものを頭の片隅に置いてそれにずっと引っ張られて観て来たわけですけど、最終回のあれはカタルシスと言っても「よっしゃー!」ってのではないですよね。「あーほんと良かった…」って感じです。ほっとした。おじさんが活き活きとしてるのを見るのが嬉しかった。

まあ要するにおじさんが大好きになってしまったわけです(字面が嫌すぎる)。今1話からの自分の感想を見返しながら書いてるんですけど、1話の段階ですでにおじさんにハマりはじめていたらしい。これは「ヒーロー」としてじゃなく「とあるおじさん」としての造形が早い段階で、しかもすごく納得できる形で提示されたおかげだろうと思います。

そんであと、これ意図的なのかどうなのか微妙ですけど、俺が早い段階からおじさんのことばっかり考えるようになった(字面…)原因のひとつが、ヒーローの仮面。元々おじさんが着てたスーツはおじさんの表情が丸わかりなのに対して、この物語中で主に着ている新スーツは、表情が全くわからない。これはバニーちゃんに関してもそうですけど、表情がわからないせいで、却って表情を透かして見ようとしてしまうんですよね。明示的に表現されていないけれど、土台がしっかり提示されているから、妄想しやすく、妄想してしまう。

こういう状況になったときまずいのは、その妄想上のおじさんがその後提示されるおじさんと乖離しているようなケースですけど、タイバニに関して言えばそんなことは全く無かった。妄想しやすい、というのは、(丁寧に作られていれば)作者によって意図的に方向づけられた妄想を実行させられているということなので、上手いこと乗せられたっつーことなんでしょうねえ。すごく同期しやすいし、気持ちよかった。

ただ、こんな感じであっという間におじさんに同期したりおじさんのことばっかり考えて観てたせいで、最初にいったように後半はすんごく観てて痛かったです。ちなみに、前半13話でバニーちゃんの問題が一段落して、14話でOPが変わってルナティックがバーンと出たときに、後半はたぶんおじさんメインの話でおじさんの「ヒーロー」とルナティックの「正義」の対比で展開するんだろうなーと予想しておりました。が、結局おじさんメインという部分以外は大外れということで…。まあこの辺はルナティック出した時点で直接的に描かなければならないものなんで、劇場版(2012.09.22公開!もうすぐじゃねえか!)に期待したいと思います。

話戻すと、おじさんの能力が減退してることが判明したあたりからはおじさんがひどい目に合うんじゃねえかっていう嫌な予感がずっとつきまとってました。おじさんが嵌められて、ヒーロー達に追われる側になるのとか、見せ方も相まって、それまで無自覚に受け入れていたヒーローvs悪人って構図に対する批判として優れてはいるんだけれど、これだけおじさんが好きになってしまっているとそんな優秀さはどーでも良くて、おじさんがひどい目にあってんのが、単純に腹立つだけです。イライライライラしながら観てましたね…。

20話あたりはほとんどブチ切れそうになっていて、この辺はもう鑑賞態度として好きではないのだけど、ある程度距離を置いて製作者への信頼みたいなもんでなんとか見続けてるという状況でした。「フラストレーションためさせるの、本当に上手いけどさっさとやめろ」って思いながら。

まあでも上手いんですよ。23話とかさあ、限界まで苛立ちを溜めさせられて爆発しそうになったまさにその瞬間にバニーちゃんが「二度とワイルドタイガーの名を汚すな」って言ったりする。時間を制御できるメディアで、間をぴったり合わせてきてくれた。凄い。

そんで最終話にはきっちり安心させてくれた。おじさんが「ふつうに」生きている姿をみせてくれることで。

凄いアニメです。あと、おじさん大好き!(だから字面…)


***


細かい話をいくつか。23話は少しおじさんが超人に感じられてしまって入り込めませんでした。こんだけ惚れているわけで「敵わない」って圧倒されるシーンはいくつかあったんですけど、それは超人に圧倒されたわけではなく、とあるおじさんに圧倒されたわけで。

それと、ヒーローというものの描写も良かった。ここで言うヒーローってのはおじさん(彼は物語によって肯定されている)のことですが、彼は彼が思うところの「ヒーロー」であろうとする意思を持ち行動し続けたし、し続けている。その態度をヒーローと呼ぶんだ、というヒーロー描写。行為に後付けしてヒーローと呼ぶような、犠牲と何が違うのかわからないようなヒーロー描写とは違う。これについても好印象です。劇場版とかでルナティックとの対決あればこの辺詳しく描いてくれるんだろうなあ…観たい…。

最後にちょっともったいないなと思ったのは、俺がヘテロ男なせいでバニーちゃんを直接舐め回して楽しむことができなかったことです。一旦脳内変換しないといけない。ああもったいない。早くめんどくさいおんにゃのこを探す旅に出ないとダメですね…。

こんなとこかな。BD買おーっと。

2012/08/28

『LOVELY QUEST (ラブリークエスト)』 体験版 感想

ラブクエ体験版プレイしたのでその感想。

……買いますね♪

何でしょうね、この安心感。すごく純度の高い萌えゲーといった印象を受けました。俺が萌えゲーなるものに求めている要素だけをつめこんで他は全てうっちゃったような。まあとりあえず、公式の「ストーリー」をクリックしてあらすじを眺めてみましょう。なになに?『真の純愛を探す』ストーリー?

何言ってんだ!これは女の子品定めゲーだろ!

このゲームの筋は極めて単純です。主人公は"不純"異性交遊を取り締まり、節度ある"純"な恋愛を推奨する研究委員会『ラブリースマイル委員会』のたったひとりの委員に選出されます。ちょっと意味がわからないが、設定だから仕方ない。で、この委員会の活動なんですが、異性交友で発生するイベント――「手をつなぐ」(うらやましい)だとか「手作り弁当であーんをする」(これは別にいいや)だとか「膝枕」(ああ…)だとか「お風呂に一緒に入る」(残り湯のむだけでも幸せだよ!)――がお題として出され、それを主人公がヒロインを「指名」して実際にやってみる、というものです。しねばいいのに。

さて、太字強調した「指名」という部分ですね。体験版で実際にこの委員会の活動が、一回だけ体験できますが、このときに、誰にラブスマ活動をお願いする?って言ってヒロイン5人のうちからひとり選ぶことになります。

この時点で、誰を選ぶかを決めて一直線ならまあ千歩ゆずって「純愛」と言ってもいいでしょう。でもね、俺はそんなことはしません。こんな選択肢出たら、全員総当りして、反応をチェックして、一番好ましいひとりを選びます。つまり、何をしているかというと、まさしく品評会をやっているわけです。この娘のこの反応は素晴らしい。ここはこの娘!

なんかね、責められている気分になってきましたよ。そんなつもりはないんだ。俺はけっしてヒロインの品評会なんてやってるつもりはない!はずだ。でも、こうされると、品評せずにはいられない…。

おまけに、このゲームにはヒロイン視点でその日の活動とかを振り返る「ガーリートーキング」なるシステムがあります。ラブスマ活動して、ヒロインそれぞれを主人公視点で堪能するだけでも、十分に悶えることが可能であるにもかかわらず、そのときのヒロインの心情を、ヒロインが自分の部屋とかで思い出してヒロインのほうでも悶々としてくれてたりするんですよ。あーもう…。

とにかく構成が上手い。俺が知りたかったものが全てつまっていて、しかもそれのみで構成されている。ヒロインと〇〇する、という体験。そして、そのときのヒロインの感情。体験する側としての感情を擬似的にトレースし、さらにヒロインの感情を啜る。はっきり言って、これを素直に喜ぶことに敗北感はあります。でもさあ、あらがえないんだよねえ。

定期的に「ラブスマ活動」とそれに続く「ガーリートーキング」で二重に「ぎゃーかわいい!」のドーピングをされて、落ち着いたころに再びそれを繰り返す。さらに過激になったお題のせいで投薬量はどんどん増えていくんでしょう。たぶん副作用ひどいと思うけど、ドーピングしてる間は異常に興奮できることは確実だと思う。

参りました。俺が欲しかったのはこれです。

***

純度に関しては、妹、幼なじみ、先輩、同級生、留学生なんていうベタすぎる配置もそうですね。とにかく要素を単純にしようという意図が感じられる。

ちなみに、今のところアイノに一番期待してます。体験版のおまけに入るまではいまいちだったんですが、おまけでアイノと一緒にカップルジュース飲んだ後、アイノ視点のガーリートーキングでやられました。恋愛とかよくわかんない娘が初恋っていうそれまで知らなかった感情に気づいていく描写をちゃんとやってくれるとしたら大変ですよねえ…。

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本編感想はこちら
http://sagaslave.blogspot.jp/2012/10/lovely-quest.html

2012/08/26

『さくら、咲きました。』 感想 (ネタバレあり)

『さくら、咲きました。』 プレイしたのでその感想。ネタバレあり

合いませんでしたねー。最大の理由は、「今日は地球が生まれてから、一番にぎやかな日になる!」っていう掛け声に象徴されるメッセージが、俺に向けられたように感じられてしまったから、そしてそれに全く共感できなかったからだと思います。

主人公たちはトコシエ、成長するが老いることはなく、永遠の寿命を持つ存在です。外傷によって死ぬことは可能だが、病気や寿命で死ぬことはない。だから、死というものは遠いものとして存在し、自分のこととして考えたことはない。そんな彼らが、小惑星サクラが地球に衝突し、人類が滅びるというニュースを受けて、死を見つめる。死を見つめることは、生きる意味を探すことと同義でありうんぬん。

各キャラクターがそれぞれの答えを出して、それぞれのやり方で、終わりの瞬間をどのように迎えるか、を描いた個別ルートは良かったです。特に美羽ルートは素晴らしい。いろんなもんを諦めてしまったキャラ(またか!)ですが、好きなもんはしょうがない…。

描写が良かったんでしょうね。特に、諦めたフリをしているけれど、漏れでてくる苛立ちの描写がいい。他人に踏み込まれるのは大嫌いで、いつもは吐き気がするような苛立ちを覚えるんだけど、なぜか苛立ちに心地よさを伴う相手が現れてしまった。自分から彼に踏み込むことは怖くてできない。だから隙を作る。踏み込んでほしい、決めつけてほしい、そして、独占してほしい。これが前半、主人公と結ばれるまでで、この辺りは完全に美羽に同期して読めました。この自己愛野郎!といった感じでアレなんですが…。

ただ、後半、特に隕石を迎えるラストシーンは美羽に圧倒されましたねー。落下する隕石をバットで打ち返そうとする、馬鹿げたおとぎ話のような虚勢。そうするしかない場面がある、と感じられた。敵わないことは知っているから、嘆くことはしない。諦めているのだけど、抵抗する意思を示さずにはいられない。

あー、すげえなあって。このシーンについては、CGも良かったんでしょうね。

で、この辺までは結構良い感じで読めてたんですけど(ただし共通はだるかった)、その後、つばめルートから、さくらルート、桜ルートとつながる本編ですね。これが全く合わなかった。

つばめルートに関しては単に、主人公とつばめ以外の他者がお膳立てしてくる展開が嫌いだっていう話です。生活部の仲間か何かしらないけれど、それは他人でしかない。二人で完結してほしいんですよね。まあ好みの問題ですが。

その後の展開についてはそれなりに驚きはあったんだけど、事実を提示された時点でこの物語の重点は「充実した生を送るために」なんだなあ、と思ってしまって冷めてしまいましたね…。いや、ちょっと違うかな。「生きるためには毎日何らかの特別なことをして楽しまねばならない」といったほうが俺の受けた印象に近い。

これが例えば、100年生きた特定の人間の心情としてのみ提示されるのであれば良かったんだと思います。某ヒロインのルートなんかはすんなり読めましたし。

ところが、最終的には、全員の掛け声、「今日は地球が生まれてから、一番にぎやかな日になる!」によって締めくくられる。グランドルートにおいて、あたかも俺に語りかけるように、です。

知らんがな。

2012/08/22

「何者かになりたい」?

「何者かになりたい」って感覚、やっぱりピンと来ないので書きながら考えてみる。

まず「何者か」ってのはなんなんだろう。モデルが存在するのかどうか。実際に会ったことがあるひととか、見聞きして知っている(つもりになっている)ひととか。存在するのであればそのひとに憧れという感情を抱いているはずですよね。で、ああ、あんなふうになりたいなあって思う、と。

これなら理解できる。ただ、自分がその思考をトレースして「何者かになりたい」って思うかというと、ちょっと無理かなー。この場合は要するに「憧れ」という感情を抱くかどうかっていう話だと思うんだけど、俺「憧れた」経験ってないんですよね。

何でかなーと考えたとき、たとえば「あのひとあんなにすごいけど所詮うんこもするし云々」って考えて「憧れ」に至らないってパターンが思いついたけど、これは違う。茶化すための手法として思いつくことはあっても。この考え方では結局他人と自分を同程度のものとして考えることで「憧れ」という矢印を否定しているんだけど、そうではない。

どうやら、0の大きさを持つ矢印ではなくて、そもそも結ぶことができてないんだと思う。他人と自分を繋ぐことができていない。自分を原点にとったとして、同じ座標に他人が存在していない。というわけでこのパターンは無理。

で、次に「何者か」が存在しないパターン。この場合は「何者か」がいないわけだから、基本的には(例外は後述)「何者かになりたい」というのは正確な表現ではなくて、「何者かになって〇〇したい/されたい」ということですよね。そうで無ければ何でもいいわけで、常に達成されており願望として成立しない。

ここで願望の本質となっているのは後半の「〇〇したい/されたい」という部分。これを単体で見れば俺にもあります。すぐ思いつくのは幼なじみと商店街デートしたいとか妹にわがままいわれたいとか。

でも、「何者かになることで」それを達成したいか、と言われるとピンとこない。この願望は「俺」が達成したい欲望であって他の「何者か」――それは俺と接続しない――の欲望ではないから。ひな鳥ではあるけれども、そういうもんでしょう。

例えば俺が俺ではない「何者か」に変身する能力があったとして、それで願望を叶えたところで全く嬉しくはない。学校一のモテ男くんになって、俺の好きな子とセックスができたとしましょう。嬉しいわけがない。ただの寝取られじゃねえかそれ!

つーわけで「何者かになって〇〇したい/されたい」ってのもピンとこない。あと思いつくのは、これがさっき()書きした例外ってやつですけど、単に自分が嫌いであって、自分以外なら何でもいいので「何者か」になりたい、というケース。

これはわかりやすい。ただ今となっては、もうこういう気持ちは抱けなくなってしまったと思う。この手の感情は、ほとんど理不尽な願いだから、執着しつづけるのはとても難しい。俺はもう自分が好きでも嫌いでもない。正確に表現するのであれば「こんなもんだ」と把握してしまっている。

あーそうか。何てことはないですね。単に年をとったということか。

2012/08/19

織塚

『終わる世界とバースデイ』の織塚の話。

***

「終わる世界」の虚しさを本当に知っているのは、織塚だけなんだよね。

バグによって生まれた、主人公と織塚だけの世界。たった2日しかなく、リセットされれば主人公は全てを忘れてしまう。

リセットされることで無意味にされてしまう時間。しかも彼女自身がリセットボタンを押さねばならない。それが彼女の役割だから。役割を全うしなければ、彼女は「終わる世界」にすら存在を許されなくなってしまうから。そうしたら、彼と過ごした時間の記憶さえも失われてしまうから。

たとえ無意味にされる時間でも、忘れたくはない。だれにも邪魔されず、先輩に触れられる時間を忘れたくはない。そして、たとえ意味などなくても、自分の想いを伝えずにはいられない。

「入莉」と主人公のためにという理由で存在を許された、「入莉」の失敗作としての彼女。バグのない「終わる世界」では主人公に想いを告げることはできない。でも、バグによって生じた世界では想いを告げることができる。彼に、ちゃんと、触れることができる。

それが、とても嬉しい。

彼女が無意味と知って「けしからんドリーム」を見続けるのであれば、俺も無意味と知りながら、彼女の夢を見続けよう。そんな戯言を頭に浮かべながら、「After 17th」をループしている。

『終わる世界とバースデイ』 感想

『終わる世界とバースデイ』をプレイしたのでその感想。

今年発売されてプレイしたゲームの中では一番良かったです。(ネタバレしたところで魅力がなくなるとは全く思いませんが)とりあえず前半はネタバレなしで。まず公式のストーリー紹介。

2012. 9. 29――その日、世界は終わった。 
ツクツクボーシの声が虚しく響き渡り、誰もいない街に夏の終わりを告げている。 
もう僕にできるのは、最後の瞬間まで”彼女”と添い遂げることだけ… 
でもせめて、残った者の義務として―― 
この世界がいかにして終わりを迎えたのか、その経緯を伝えようと思う。 
僕と”彼女”が、確かにここで生きていたという証を。 
そして僕らの世界が終わりを告げるまでの、永遠にも似たひと月足らずの物語を。

しかし、プレイした後で見ると、意味しか込められてないような文章ですね…。このゲーム紹介にあるように、2012. 9. 29に終わりを迎えると予言された世界が物語の舞台です。正確さは欠きますが、「終わる世界」の謎が各ヒロインの個別ルートで徐々に明かされていき、最後にTRUE ENDがある構成だと思ってもらえればいいかと。

ただし、謎とか世界設定が面白いゲームではないです。個別でさらに謎が深まったり、新たな真実が明かされたりしますが、これは続きが気になって読み進めさせてくれる程度の面白さでしかないです。むしろそっちに期待しすぎると、明かされる真実とそれに対応する方法の既視感にしらける可能性があるかも。

このゲームの重点はそこではない。語られているのは、他者を想うやりかたについてです。自分の想いとその対象である彼女の想いが一致しないときに、「俺は彼女が好きだ」を理由にして彼女に何をしていいのか。何ができるのか。

ちなみに、この辺の話はTRUE ENDで描かれるんですが、他者との距離感に気をつかってあるので、「終わる世界」の不穏な空気にも関わらずゲーム内の雰囲気は居心地がいいです。

キャラについては、入莉と織塚の二強ですね。入莉については体験版やった段階でハマりましたが、個別でも凄かったです。自分がずっと好きだった幼なじみが自分のことを「兄さん」だと誤認してしまっていて、「入莉のために」真実を明かすことはできない、という状況が見事に生かされてます。「兄さん」と認識されたまま入莉と結ばれるということによって生じる葛藤の描写は素晴らしいです。寝取り寝取られにつながるエロさも生んでましたね。Hシーンの犯罪臭がすごかった…。

逆にラーメン狂いの織塚については、体験版の段階ではまっっったく興味なかったんですが、完全にやられましたね…。ちゃんとした個別ルートはないんですが、キャラ設定がひきょう…。ちなみにこの娘だけ片岡ともさんが書いたそうで。

ラストについては細かいことは書きませんが、Happy Endではないです。怒りとか悔しさとかではなく、哀しさと罪悪感のようなものが残ります。


ネタバレなしだとこれくらいですかね。以下ネタバレ。










何を語るにもまずは必要な世界設定について。

主人公たちがいる終わりが予言された2012年の世界(=「終わる世界」)は主人公と入莉の実の兄である陶也によって作られた擬似現実でした。現実世界は現在2022年であり、そこにはすでに入莉は存在していません。入莉は2010. 9. 29の誕生日に事故死しています。入莉が誕生日プレゼントとして主人公にバイクの後ろに乗せてほしいと頼み、そのときにバイク事故に遭った、と。

そんでその後、主人公と陶也は入莉を蘇らせるため擬似現実の研究を進めて、入莉の幼なじみと兄である二人の記憶と入莉の生前のデータから「人工意識体」である「入莉」を生み出すことに成功。肉体を持たない彼女のために作られた世界が、擬似現実である「終わる世界」です。

「入莉」を生み出すにはかつて入莉が住んでいた世界と矛盾しない世界を用意してやる必要があります。だから擬似現実にもかかわらず「入莉」は入莉と同じく弱視設定になってる。その一方で、2012年という入莉がすでに死んでいるはずの世界に「入莉」が存在するためには、バイク事故があったという事実を残したまま「バイク事故で死んだのは陶也である」という偽りの世界設定を導入する必要がある。しかしこれはけっこう難しい。なぜなら主人公と陶也の記憶から生み出されたばかりで自らの記憶を持たない「入莉」はかなり不安定で、兄である陶也が死んだというような悲しい事実を知った段階で「狂って」しまうから。それを避けるための苦肉の策が、「兄である陶也の事故死のショックのせいで、幼なじみである主人公を兄だと誤認している」という設定です。

そんな不安定な「入莉」を安定なものに成長させるために必要なのは自らの体験に基づく記憶です。そこで主人公と陶也は「入莉」を育成するため、この擬似現実を「過去を体験できるゲーム」と偽って売り出し、擬似現実を生きるプレイヤーキャラとして100人の人間を生贄として用意します。彼らは2012. 9. 29に「終わる世界」を「入莉」の育成が終了するまでループし続けることになります。ループしているという事実を知ることなく、勝手に無意味にされる生を繰り返す(ちなみに主人公も当初はループしている事実を認識してません)。

ただまあ、ひどい!とはなんないですよね。入莉のために100人を犠牲にする?むしろそうでなくっちゃ!ってなもんで。要するに、誰かを選ぶという行為は、その他100人の重さと選んだ誰か1人の重さを違うものとして扱うと決めることだとみなしているわけですな。

でも、「入莉」がそれを望まなかったら?というのがこのゲームの問いです。

ループを繰り返して成長し、安定した自我を手にした「入莉」は、自分のために存在する全ての人を現実に還したいと願います。弱視というハンデのせいで、陶也兄さんやまわりの人たちに「迷惑」をかけて生きるのがずっと嫌だった彼女にとって、死んでからもまた「迷惑」をかけるのは耐えられないから、というのが一つ目の理由です。

さて、これだけの理由だったら当然、「迷惑」なんかじゃねえ!と主人公と陶也が言って終わるのが正解なわけです。実際、彼女がプレイヤーを還そうと思っているのを知った主人公は、100人のプレイヤーを還すが、自分と陶也は「終わる世界」に残って3人で「入莉」と生きようと考える。全くもって正しい。好きな人と、永遠の世界で生きるとかいいなあ……。

ところが、「入莉」はそれを許さない。彼女のために主人公が何か(現実)を捨てることはだめだ、と言います。たとえ主人公にとって「入莉」がいない現実など一切価値がなかったとしても、「入莉」のために何かを無価値化するような行為は彼女からすれば「犠牲」でしかなく、そう思ってしまった段階で主人公と「入莉」は対等な関係ではいられなくなる。それで一緒になっても「入莉」にとっては無意味なんです。なぜなら、彼女が好きになったのは、彼女に「ふつう」に接してくれた、彼女が唯一対等な関係でいられた、幼なじみの男の子なのだから。

「入莉」のことが好きだから、「入莉」を自分より上位に置いた。だから、「入莉」にフラれた。

要するにそういうことで、ほんとどうしようもない。もう「入莉」の思うままに任せるしかない。それが自分の望みとは違っていても、彼女に許可されない限りどんなものであれひとりよがりの欲望でしかないのだから、それを行為に移すことはできない。もちろん、衝動によって体は震える。いくら「入莉」の望みでも彼にとってはそれでいいわけがないのだから。

ただ救いがあるのは、「入莉」によって「終わる世界」が壊され、消える擬似現実の中、最後に再びわずかな時間であれ、主人公と「入莉」が対等な関係になれたということでしょう。彼ら以外の全ての人間が消え、「終わる世界」が消え、ただ二人だけが残った世界で、対等な二人があらためてお互いに恋をする。初めて出会った子供のころと同じように。そして二人は最初で最後のキスを交わす。

綺麗なシーンです。俺はもうここで終わっていたほうが良かったと思いますが、最後に主人公が現実に戻り、だいぶ時間が経った後のエピソードとして、主人公を還した後のわずかな時間に「入莉」が主人公あてに残したメッセージが主人公の誕生日に届きます。メッセージは、

「ハッピーバースデイ、兄さん」
「あなたの誕生日と、あなたのこれからの未来が、幸せなものでありますように――」

……きっついなあ。


2012/07/23

『さくら、咲きました。』 体験版 感想


『さくら、咲きました。』 体験版プレイしたのでその感想。

少なくとも「体験版としては」最高に近いですね。プレイしたひとはわかると思いますが、最後の引きがすごくうまい。体験版終わったところで「続きを読む(購入はココをクリック)」みたいなのが出てきたら衝動的にポチってしまう感じです。

さて、物語設定から書きますと、2238年、老化を止める技術が存在する世界でのお話です。この技術を適用した人間は「トコシエ」と呼ばれていまして、成長はするが老化はしない。成長しちゃらめぇ。なお、老化を止めるだけなので、出血多量とか病気とかでは死にます。病死も事故死も自殺も他殺も可能です。老衰だけがない。老化に伴う病気とかもないんでしょう。

そういや子づくりとかどうなってんですかね。ほっといたら当然増えまくって悲惨なことになると思うんですが。まだ技術が誕生してからそんなに時間が経ってないからそこまで問題になってないんでしょうか。

ちなみに、これは「技術」であって、しかも強制的に全ての人間に適用されるわけではなく、個人の権利として「トコシエ」になってもならなくてもいい、ということらしいです。ただ主人公とかヒロインとかは「トコシエ」です。まあなりますよね。老化が止まればハゲることも中年太りも加齢臭もないわけで、メリットの方が圧倒的に多い。多いんだよ!俺も「トコシエ」になりたいよ!まだ間に合う!(たぶん)。しかも、死にたくなったら自殺できるわけですし。

で、「トコシエ」である主人公たちは、永遠の命を与えられることで代わり映えのしない日常に飽きてしまうことを防ぐため、生きる活力を探求する「生活部」というのに入っていろいろ活動したりしてる、という設定。単に遊んでるだけですが。

正直な話、体験版前半の日常シーンはたいして面白くなかったです。ヒロインはまあかわいいんですが、並感があります。面白くなってきたのは、クラスメイトの妹の奏ちゃんが登場してからですねー。これがかわいい。まず見た目がちっちゃい。よくわからないんですが、「前期」「1年」らしいです。よくわからないなー(棒)。で、基本おどおどしてて、「…………ぇへ」とか言っちゃう。あと、奏ちゃんはスケッチブックを常備してるんですが、恥ずかしがってスケッチブックで顔を隠したりします。チラチラこっち見てきたりします。いじめたい……!

しかもこの娘ねー、ぜったいにエロい。他のヒロインがかなりあけっぴろげに下ネタとか言ったりするんですが、いちいちこっそり反応しやがる。興味津々らしい。写生大会を中学生変換すると射精大会になりますが、これってふつうは男子中学生が自力で発射するやつですよね。ところが奏ちゃんから妄想されるのは違います。具体的に言うと、俺のほうがおもむろにパンツを脱ぐと、奏ちゃんがチラチラ凝視しながらスケッチブックにおちんちんを写生してくれます。で、俺はそれに興奮してしゃせ(ry。ひょっとしたら、絵筆でなでてくれるかもしれませんが、この辺は親密度の問題ですね。いずれにせよおっかなびっくりなでてくれると思います。ちゃんと攻略ヒロインらしいです。エロゲって素晴らしいですね!

といった感じで奏ちゃんが登場してからはがぜんテンションがあがってプレイしてました。ただこの段階では他のヒロイン微妙だなーって思ってプレイしてたと思います。なんか奏ちゃん登場シーン少ないし。

ところが、微妙なヒロインsの評価が急上昇するイベントが突然発生します。「ガールズトーク about オナニー」、略してG☆T☆O!…すいません、俺ほんとこの手やつに弱いんですよね…。オナニーはですね女の子側の性欲の発露でありそれを見ることで俺は安心して性欲の対象として以下略。要するにこういうのを見ると全ヒロインいやらしい目で見てしまって攻略したくなるのであります(俺がエロいのが悪い)。しかも頻度は「多い・普通・少ない(自称:きっとほんとはいちばん多い)」と取り揃えているようでまったく用意がよろしい。ありがとうございます。

……結局、こんな感じで餌につられてるうちにけっこう衝撃的な体験版ラストまで行きました。詳細は書きませんが、「設定ぶっ壊してない?」感がありつつも、さくらというキャラの存在により、どうなるのか先が気になる引きになってます。あの終わり方とOPへの入り方は、すごく上手いっすね。

金があれば買います。最近エロゲやってないのは金がないからです。あれ?ボーナスって何だっけ…?

***

結局買いました。本編感想はこちら
http://sagaslave.blogspot.jp/2012/08/blog-post_26.html

2012/07/21

『ラストゲーム』 1~2巻 感想

『ラストゲーム』という少女漫画の1~2巻まとめ読みしたのでその感想です。

1巻、特に2話まではかなり面白かったです。主人公の柳は、金持ちの息子で成績優秀かつ運動もできてしかもイケメンという完璧超人の男の子です。物語開始時は小学生。柳はみんなにちやほやされて見事に調子にのっている嫌なガキなんですが、そこに柳より勉強も運動もできる美琴という少女が転校してきます。お約束どおり、負けたのが悔しい柳は美琴につっかかっていきます。ところが美琴にはロクに相手にされない。というか関心を持ってすらくれない。ちくしょう見返してやる!……といった感じで始まります。うん、ベタですね。

この漫画のいいところは、柳の心情描写ですね。放っておいても他人のほうからかまってくれるのが当然であった柳だから、自分に関心すら払ってくれない美琴のことが気になって仕方がなくなる。この時点で彼にとって美琴が特別になっているので、美琴のことばっか考えてしまう。美琴が何でもない気持ちで言った一言で行く中学を決めたり、美琴にそっけなくされると落ち込んだり。

放課後、教室で無防備に眠っている美琴を見つけたシーンなんかはたまらない。美琴の寝顔を見ながらの柳の独白。
…こっちを 見ろよ
思い知れ
――お前に 勝って
その瞳に オレを 映させてやる
いーねー片想い少年!おじさんそういうの大好き!……この後からは、美琴に成績とかで勝つのではなく、美琴を自分に惚れさせることで自分のほうを向かせようと頑張り出すんですが、このあたりのドタバタ振り回されっぷりが実に楽しい。完全に美琴に惚れてるくせにそれを認めようとしない柳くんかわいい。

ただ、俺は柳を客観的に眺めてニヤニヤするよりは、柳に感情移入して擬似片想いを楽しみましたねー。美琴がたまに見せる笑顔とか、小学生時代から変わらない美琴の信念を再び目にして圧倒されたりとか、「美琴に好きになってもらえるヤツ」を羨ましく思ってしまったりとか、美琴に恋している柳のまなざしの描写が丁寧なので、自然と柳に同期してました。

そうやって読んでると、美琴がすごくかわいく見えてくる。母親が倒れたと聞いて呆然とする美琴を放ってはおけないし、母親が無事だとわかってほっとして涙を流す美琴に今度は俺が呆然とさせられる。(助けてくれて)ありがと、と言う美琴の笑顔に見惚れてしまう。そしてこう思うわけです。「ああ、俺、美琴に惚れているんだ」と。あの笑顔はやばいですよ…。

といった感じで実に楽しく読ませていただきました。ちなみにここまでで2話です。3話は美琴視点で書かれていて、ふつーに面白いんですが、柳に感情移入して読むのに比べると楽しさは落ちちゃいましたね。ちなみにもともと3話読み切りだったらしく、3話で一旦綺麗にまとまって1巻が終わります。

そして、2巻からは連載開始後のお話になります。柳視点と美琴視点のどっちも織り交ぜつつ第三者視点で書かれていますが、こっちは正直イマイチでした。美琴視点が増えたのが個人的にはけっこうなマイナスでしたねー。美琴はなんつーか、天然でして、恋愛とか全くわかってないキャラなので、美琴視点になったとき、俺が少女漫画を読むときの基本スタンスである「恋する女の子が悶々とする様子を舐めるように楽しむ」ことができない。もちろん、初めは知らなくても、恋に落ちたり、自覚したりしてからは楽しむことができるのでOKなんですが、この物語に関して言えば、美琴が柳に惚れたら終わり、という設定なんですよね…。それならば、柳視点のみでいってくれたほうが個人的には楽しかったかなー、と。

まあ、1巻が素晴らしかったのでしばらくは追っていこうと思います。

2012/07/08

逃げればいいなんて言うなよ

書くかどーすっか迷ったんですが、我慢できなくなったので吐き出しときます。いじめの話。

いじめが報道されるといろんなひとがいろんなことを言う。「殴り返せ」とかいう頭湧いてんのかってのは問題外として、なんかもやもやするのは「逃げればいい」っていうやつ。いや、確かにそれは賢い解決策で、現在存在する唯一解だと言ってもいい。でもさあ、何で何も悪くない被害者が逃げなければならないんだ?絶対におかしいだろ。

ただでさえ何か知らんけど集団から攻撃されて、誰も助けてはくれない状況でズタボロになった尊厳をさあ、逃げることでポッキリ折ってどうすんの。「逃げるが勝ち」なんてのは嘘だよ。逃げたという事実は確実に自分のなかに残ってしまうんだから。

いじめられるときに、「逃げるのが賢い」世界なんてのは、クソだ。そんで、そんな醜い世界に絶望したから、自殺を選ぶということもあるだろう。全くもって「正しくない」世界に気づいてしまって、その世界が今後ちったあマシになるという希望すら抱かせてくれなかったら、どう思う?

だからまず最初に「逃げればいい」なんて言うなよ。言うなら、「逃げてもいい」だ。そして、逃げることが最もクレバーな選択肢である現状は間違っていると、まず声を大にして言わなきゃならない。

「にげる」であれ、「たたかう」であれ、「ぼうぎょ」であれ、被害者が選択しなければ解決しないってのは絶対に間違っているのだから。

「間違っている」とちゃんと伝えること。そして政治家なり教育者なり周りの大人なりが、いじめを無くすために「行動する」こと。失敗してもいいから、とにかく動く。分析じゃだめだ。それは目に見えない。失敗してもいい。下手でも、間違いを正そうとしてくれていることがわかるだけで、全然違うからさ。これまで何十年も問題が認識されてるにもかかわらず、実際のところ全く学校ってものの形態が変わってないってのはマズすぎる。単純に外挿したら永遠に続く間違った世界。絶望しろと言ってるようなもんだ。

今日はクソでも、明日は少しマシかもしれないってのが、希望ってやつだろ?

解決策については…、やっぱりクラスってのを無くすのがいいんじゃないかと思う。

いじめってのは集団で個に危害を加えるもので、この現象において集団の果たす役割は非常に大きい。いじめのリーダーは取り巻きに命令することで自ら手を下さなくて良くなる。取り巻きは「命令された」という言い訳が効く。傍観者は「誰も止めないから」「俺は関係ないから」と思っていられる。また、「次は俺の番かもしれない」という恐怖も言い訳になる。

言い訳は自分の責任を希釈するように働き、集団の全ての人間がそうすることで責任の所在は不明瞭になる。刑を下すひとがいて、サインするひとがいて、死刑台のスイッチが3つあるように。上官の命令で、遠隔射撃のトリガをひくように。一対一でナイフを突き立てるのには言い訳が効かないが、集団においてはずっと簡単になってしまう。

集団を解体しよう。クラスのようにあらかじめ与えられた集団がなければ、まず集団を作らなければ「いじめ」は発生しないのだから。勝手に入らされて抜けることのできない集団にいれば、そこに逆らうのは難しい。そして、「いやいや参加している」というポーズがとれる。しかし、別に入る必要のない集団に入ってまでいじめを行えば、「自らいじめることを選択した」ことになってしまい、言い訳が効かない。

俺はこれがかなり効果的だと思うけど、まあやってみなくちゃわかんない話ではある。でも、失敗したっていいから、今の間違った状態を正すために「何か頑張っていること」を伝えるためにも、とりあえず行動してみたらどうだろうか。

俺は政治家でも教育者でも親でも子供でもない傍観者でしかなくて、できることなんて殆ど無いのだけれど、せめて「今の状態は間違っている」と言い続けようと思う。

小野寺さんは意味不明かわいい


ようやく休日です。今週は疲れた…。

たいして本も読めてないんですけど、『ニセコイ』 2巻読んだので、その感想と意味不明かわいい小野寺さんのお話でも。

『ニセコイ』 2巻ですが、小野寺さんのあざとかわいいモードが全開でしたね。楽と目があったら恥ずかしくてすぐに逸らしてしまうとか、みんなで勉強会をしに楽の部屋に行ったときに、部屋のにおいを嗅いでちょっと興奮してたりとか、楽と付き合ってる(ことになっている)千棘の優しさに触れて少し寂しくなってる様子とか、楽に水泳を教えてもらってる際に手を絶対はなさないでねって上目遣いで言うとか、疲れてるのに「一条くんが教えてくれてるんだから頑張る」とか言っちゃうところとか、告白しようとするところでスカートをギュッとして赤面して目をつぶってああもうががががが!!!

などなどベタにあざとい攻撃を連発されて非常に楽しませてもらいました。まあこれだけならよくあるヒロインなんですが、小野寺さんの最大の魅力は他にあります。2巻の段階ではまだ殆ど出てきてないんですが、小野寺さんの最大の魅力は「意味不明な表情」。2巻でも1コマだけありまして、10話の最後から3ページ目、小野寺さんが飲み物を買いに行くシーンの直前のコマです。ちょっとうつむいて何か思いこんでいるような表情をしてるんですが、何考えてんのかさっぱりわからない。

連載追ってるんですが、小野寺さんはちょくちょくこうした「何でそこでその表情をするのか意味不明な表情」をすることが非常に多い。不自然なところでぽかんとしていたり、楽の好意を期待して当然の場面で上目遣いをしていなかったり、楽のことかなり好きなはずなのに手を繋いでるときにそこまで赤面してなかったり、楽が小野寺さんの手を離して千棘のところに向かって走りだす場面で悲しそうにしていなかったり。あざといわりに感情がはっきりと出ない表情が多い。

(俺が単にエロゲであからさまな表情に慣れ親しみすぎたせいかもしれない…)

これがはっきり出ているのが、27話で楽が小野寺さんが約束の女の子なのか尋ねたあと、「うん、そうだよ」と答えたときの表情。何でもないかのような、気持ちがこもっていない表情。驚いて居るのかといえばそれも違いますよね。驚いたあと、一拍おいてから返答しているので。

何考えてんのかマジでわからない。これが読み続けているうちに溜まっていくわけです。するとどうなるかというと、ふっと小野寺さんのことを思い出したときに、意味不明な表情が大量に浮かんで、すっげえ気になってくる。楽のことが好きだとはっきり表明しているにもかかわらず、頻繁に撹乱されるせいで、小野寺さんが掴めない。

気づいたときには、あの娘何考えてんだろー知りたいなーって思ってたという。で、これって完全に恋じゃないですか。いつの間にか惚れていたというポルナレフ状態…。不思議な話ですが、要するに小野寺さんは意味不明かわいい

そういや次号では新キャラ登場するようですが、小野寺さんの出番が減らなければいいなあ…。

2012/07/05

今期アニメの視聴予定とか

今期アニメの視聴予定について。あと一話観たものについてはその感想を。

今期はとりあえず『TARI TARI』『ココロコネクト』『人類は衰退しました』『DOG DAYS'』は三話まで見る予定です。

『TARI TARI』は個人的に応援しているPAなので。PAのは全作品とりあえず見ることにしています。ただ、結局全話みたのはttとABだけなんですが…。一話観ましたが、キャラと舞台の紹介でしたね。動き始めてからが楽しみです。結構感情の強そうなキャラがいたのでその辺りでの爆発を期待してます。とりあえずピアノの娘の太ももの震えぐあいは素晴らしかったと思います。虚勢を張っているが足は震えているっていうシーンは大好物です。壊れかけているところとか(、何か漏れそうなところとか)。

『ココロコネクト』は原作が好きなので。あの作品の、物語(設定)を登場人物の感情のアンプとしてしか使ってない潔さが好きです。逆にこの辺の都合のよさが鼻につくひともいると思いますが、俺は自分の物語消費の態度と完全にマッチしているので好感を持ってます。あと稲葉かわいい。ニコ生でAパートの先行上映会やってたので見たんですが、ヒトランダムは特に声優さんの演技力でだいぶ評価が変わるでしょうね…。声優さん大変だろうなあ。あと、基本的に言葉として表われない内面が重要な作品なので、第三者視点になってしまうアニメはやりにくいかな、と。ただ期待度は一番です。

『人類は衰退しました』は、原作はいちおう読んでいますが、別に好きではないです。理由は、ココロコネクトが好きな理由に書いたように、感情度が低いからですね。ロミオじゃなかったら一巻で切ってた可能性があると思う。アニメも観ますが、どちらかというと、劇場版AURAと制作陣が同じだから様子見といった理由が大きいです。どんなふうに衰退をアニメ化したひとたちがAURAを作るのか気になる。劇場版AURAはやく観たい…。

『DOG DAYS'』はなんで観るかというと、自分でもよくわからない…。一期は「なぜか」全話見てしまったんですよね。これホント不思議で、俺はまずケモノっ娘は苦手です。しかも別に声優さんに一家言あるようなひとでもない。そしてDOG DAYS一期のストーリーはよくある異世界召喚モノで、別にすごく面白いわけでもない。感情の強さ、という意味でも、レオ様はわりと強いですが基本的に大したことはない。などなど全く惹きつけられる理由がないのに、「なぜか」一期は全話見てしまった。ふしぎ!暇つぶしにちょうど良かったんでしょうか…。でも俺アニメはすぐ切っちゃうひとなんですよね…。うーん、わからん。といった感じで全く理由がわからないんですが、一期と同じ感じで二期も全話見てしまう予感がしてます。あ、ケモノっ娘が苦手といいましたが、姫様のしっぽは素晴らしかったとおもいます。ライブシーンの手抜きしっぽが未だに記憶に残っているくらいです。

他は時間あったらとりあえず一話見て決めようと思ってます。

つーわけで今日、『ゆるゆり』の一話をニコニコで見てみたんですが、たぶん二話からは観ないですね…。一期も三話くらいで観るのやめた記憶があります。合わないんだろうなあ。一期がどうだったかはほとんど記憶にないですが、今日観たやつに関して言うと、なんか全体的に速いな、と感じました。妄想の余地があるシーンがすごいテンポで連発されていて、浸る時間が足りなかった。観ててスピードについていけなくて、歳とったなあ、と感じてなんだか虚しくなってしまいましたよ…。

歳はとりたくないもんだ。 はあ。

2012/07/04

『謎の彼女X』 『エコール・ド・パリ殺人事件』 簡易感想

昨日ついに毎日更新が途絶えてしまいました…。しばらく忙しいのもあるんですが、昨日はどうにもテンションが低かったようです。

まあそれは置いといて、今日はここんとこ読んだり観たりしていたものの感想など。

まずは、『謎の彼女X』 最終回ですね。最終話についてはなんかしらんがまとまったらしい、といった感じで特に刺さる部分はなかったんですが、全話通した感想としては、素晴らしいアニメだったと思います。すごく楽しませてもらいました。卜部さんとつばきくん、特につばきくんの言動、内心の動きが共感しやすくて、恋するオトコノコの感情を実に美味しくいただくことができました。惚れた相手には敵わない!オンナノコには敵わない!っていう描写を徹底的にやってくれたのが良かったのかな。そこからつながる、好きな相手に「許可される」喜びとかは大好物でございます。

この辺りの描写は別に『謎の彼女』が直接指し示す卜部さんだけじゃなくて、丘さんとか、早川さんとか、出てくる女の子みんなに共通してたと思います。おんにゃのこは不思議でできてるんだ!好きな女の子が何考えてるのか(絶対にわからないから)知りたい!ってやつですな。ああもう敵わないもうどうにでもしてくださいって思って全裸で仰向けになって服従するような…。

というわけで(どういうわけだ)、基本的には関係性ですよね。男の子と女の子。男の子から見た女の子っていうのを見事に描いてくれたなあ、と。ただ、まだBD買うかどうか迷ってるんですよね…。 なんでかっていうと、俺、卜部さんは大して好きじゃないんですよね…。このアニメの圧倒的に素晴らしい点は、つばきくんという卜部さんに惚れている男の子が、卜部さんという女の子を見る「まなざし」の描写の素晴らしさなんですよね。決して俺が卜部さんを見るまなざしではなくて。

要するに、「俺は」卜部さんに惚れていない。

いやまあケチケチせずに買えばいいんですが、貧しいので…。どうすっかなあ。怜のために『咲 -saki- 阿知賀編』のほうは購入予定だってのもあって…。しばらく迷うとおもいます。うーむ…。


あとは、最近読んでた『エコール・ド・パリ殺人事件』の感想でも。ふつーに面白かったです。 特に小説内論評(日本語?)によるエコール・ド・パリの解説が良かったですね。俺は全くこの辺の知識がないので、この論評に書かれていることの正しさとかは全くわからないので、ひょっとしたら詳しいひとから見るとなんだこれ、となるかもしれません。この論評は、エコール・ド・パリ(の特定の画家)を偏執的に愛した人間が書いたものとされているんですが、論評を読んだだけで確かにそれが伝わってくるようになっています。こういう論評、好きなんですよね。どうせ人間のフィルターを通したものしか書くことができないのであれば、いっそのことフィルターが明確なほうが読んでいて「楽しい」。正確な情報が得たいのであれば、全く異なるフィルターを通過したものを両方読めばいい、という立場です。

一番良かったのはこの論評部分ですが、トリックとかもふつーに良かったと思います。俺は推理小説を読むときは、素人探偵よろしく真面目な推理と物語をだいなしにする推理を妄想しながら読むひとなんですが、どっちも見事にはずれたので楽しかったです。あたると嬉しいんだけど、自分内評価は外れた作品のほうが高くなるという…。


こんなところですかね。『TARI TARI』見て寝ます。おやすみなさい。

2012/07/02

『咲-Saki- 阿知賀編』12話 ただの愚痴

あーくっそイラつく。

『咲-Saki- 阿知賀編』12話見ました。感想っつーかただの愚痴です。

なんかすげーもやもやする。もちろん「阿知賀編」だしさ、玄ちゃんの見せ場が全くないまま終わるのはおかしいけどさあ。

はっきり言って、怜があんだけ頑張ったのをかすめたようにしか思えなかった。もちろんさー、怜ダブル+すばらの次に怜トリプル+すばら+玄ちゃんってのは綺麗で、誰が欠けてもダメだったんだろうとは思うけど。ずっとドラ集めてくれたおかげでみんな助かってたのもわかるし、今回で言えば、照が18000作るには、8ピン切って出和了りメンホン中三暗(3・6ピンでロンならOK。ただし6ピンはカラ)ってのも可能だったけど、玄ちゃんがドラの3ピンださないのわかってるからリーチメンホン中イーペーでの跳満を選んだってのもあるよね。そんで、最後にドラを切ることで玄ちゃんが一歩上のステージにあがったのもわかるし、綺麗な構成だったとは思う。

でもね、そんなこと関係ないんだよね。綺麗さとかもうどーでもいい。突然竜華が元気玉よろしく怜にエネルギーを送って怜が元気になって圧勝するような超展開のほうがよっぽどいいよ。照が突然能力の限界に達して負けるとかでもいいよ。

怜に勝ってほしいの。怜に倒れて欲しくないの。

玄ちゃんがアガって喜んでるのも、阿知賀の連中が喜んでんのも、観客が喜んでんのも、アナウンサーが大騒ぎしてんのもイラつくわ。知らんがな。怜がふらふらになってんじゃねえか。さっさとそっちの心配しろよくそが。なんで床に倒れるままにしてんだよ。支えろよ。

怜があんだけやって、次につなげた。あと三話、準決勝終わりまでだったっけ。千里山勝ってくんねえかなあ。怜にとっては、最初で最後の竜華たちと一緒に打てるインハイなんだよ。そんなもんみんな一緒っていや一緒だけどさあ。阿知賀と清澄はまだまだ次があるじゃん。

怜の喜ぶ顔が見たいんだよなあ。どーにかなんねーかなあ。勝者を選ばなければならないのであれば、倒れるときに何もつかめなかった怜の手に、つかんでもらいたいんですよ。

2012/07/01

ただの日記

今日はめずらしく歩きまわったりしてました。休日にあるまじき態度であると反省しております。休日ってのはベッドの上で寝たきりになっているのが正しいあり方であるというのに。まったく。

とはいえ、昨日少しやなことがあったのでふて寝して、結局今日の昼頃まで寝てたんですが…。起きた後は、熱い中溜まってたつまらない本を売りにいきまして、ラーメンとか食った後本屋を何軒か冷やかして、熱いし休憩するかってことで久々に漫画喫茶に入って二時間くらい休憩しました。

漫画喫茶いくと大抵は少女漫画コーナーに行って少女漫画のチェックをします。近所のブックオフとかのほうが安上がりなんですけど、俺は見た目がけっこうアレなんで、女性客に混じるのがきついんですよね…。そもそも立ち読みが苦手というのもあります。

漫画喫茶でまずは一巻、気になったのは三巻まで、みたいな感じでいろいろ読んでいったんですけど、今日いちばん良かったのは、『アオハライド』です。四巻がめっちゃ良かった。槙田さんの告白シーンがたまらん。槙田さんは主人公ではなくて、主人公である双葉の女友達なんですけど、主人公と同じ人(洸)を好きになってしまったという状況です。槙田さんは、いわゆるぶりっこキャラで女性に嫌われるタイプでして、双葉と友達になる前は、全く女友達がいなかった。だから、双葉のことは大好きで、でも双葉と同じひとを好きになってしまった。なお、これについては槙田さんと双葉の間ですでに話がついていて、お互い頑張ろう的な展開になっています。

ただ、時間が経つにつれ、お互い「フェアに」頑張った場合、双葉が絶対に勝ってしまうことが槙田さんには見えてしまった。だから、槙田さんは客観的に見れば(少なくとも主人公に共感して読んでいる人間から見れば)、ずるいと言ってもいい方法で洸に好かれてもらおうと「努力」するんですね。まあ可愛らしいずるさですが。自分だけ夏祭りで浴衣着たりとか。

でもやっぱり勝てそうにない。自分はこんなに「努力」してるのに。何で何の努力もしていない双葉ちゃんのほうが好かれるのか。そんな考えが頭に浮かびはじめた瞬間、自分のなかの醜い感情に気づいた瞬間、「自分が完全に醜くなる前に、綺麗な自分でいるうちに」洸に自分の気持ちを告白をする。

この「押し出される」感じがめっちゃ好き。女の子のなかでいろいろな感情が渦巻いて、それが漏れ出るような告白。煮込み過ぎてあと一歩で台無しになるような感情のスープ!ああ…。これだけ飲んで生きていきたい…。できれば壊れやすい容器(女の子)に入っているとなおよろしいのですが。槙田さん結構強いからなあ。

ひび割れた容器に入ってぐつぐつ煮こまれた女の子の感情のスープ。通常時は少しずつ漏れだしているのを舐め回して味わい、時々あふれ出すのをゴクゴクと飲み干す…。そういうのが大好物です(ひどい)。

アオハライド四巻、ゴクゴク飲めて実に良かったと思います。五巻でたら買おうかな。槙田さんフェードアウトっぽいのでどうしようかしら。

その後は何冊か本買って帰ってだらだらと読んでました。その辺の簡易感想も書いておきます。

まず、『女子高生店長のコンビニは楽しくない』。これは今日買った本ですね。評判だけは聞いていて気になってた一冊です。結論から言うと…全く楽しめませんでした。楽しめなかった理由ははっきりしていて、とにかく物語の登場人物であるこのコンビニの店員たちがまともに仕事をしないってのが気になってしまったんですよね。新人をまともに教育しないとか、バックヤードに店員以外を連れ込むとか。隠されたクレーマー体質の顕現か、社畜精神の発露かわかんないですけど、「ちゃんと仕事しろ」って思ってしまって全くもって集中できないまま終わってしまいました…。

あと読んだのはなぜかうちの床に落ちてた『日本の統治構造』とかいう本です。なんで買ったんだ…?と我ながら思いますが、けっこう面白かったです。前半の四章くらいまでは、自民党の体制が続いていた時代、国民から見えないところで何が行われているのかについて詳しく書いてあって、純粋に好奇心を満たしてくれます。後半は主張が混じっている感じでいまいちでしたけど。

今日はこんなところですかねー。あ、こんなエロゲウィークエンドを過ごしていることからもわかるように、今月はエロゲ新作買いませんでした。旧作は床に転がってるので、明日から地味にプレイしていこうかと思います。ではでは。

2012/06/30

備忘録

とっても簡単だけど、忘れてはいけないこと。

俺が誰かを好きになったとき、そこには決して「優越感」なんてない。なぜなら、彼女は劣ってなどいないからだ。俺は、彼女に圧倒され、彼女の美しさに敗北したからこそ、彼女に惚れてしまったのだから。

だから、彼女を「劣っている」という言説があれば、それには必ずこう言わなければならない。俺にとっては、彼女が何よりもだいじな、何よりも「優れた」ものである、と。

俺が貶されることで、彼女の価値は貶められはしない。俺が一方的に彼女を好きなだけなのだから。反論すべきは、彼女を「醜い」という言説に対してのみだ。俺が、ゴミのように扱われたところで、彼女の美しさは、決して変わらない。俺やその周りの世界が何をしようと、彼女はただそこにいるだけなのだから。

俺は、彼女が好きだから、彼女を勝手に守りたいと思う。彼女が好きだから、彼女が悲しんでいたら泣くだろう。彼女が好きだから、彼女の笑顔を喜ぶだろう。彼女が好きだから、彼女を襲う理不尽を憎むだろう。

それが彼女に届かなくても。届かないことを知っていても。

前提は、「好き」だけでいい。

2012/06/29

『謎の彼女X』 12話 感想

今日はなんか肉体的に疲れております。精神的でないのでいっぱい寝ればかえってすっきりすると予想され、むしろ珍しくいい状態かな、といった感じ。というわけで録画してた『謎の彼女X』12話観た感想を簡単に書いてさっさと寝ようと思います。

このアニメは、細かいネタでツボに入るのが頻繁にあって、それが面白いと感じる主要因なんじゃないでしょうか。今回でいうと、卜部さんの枕をついつい触ってしまったつばきくんが、卜部さんの枕の湿り具合を感じる場面とか。枕は湿るもんですよねえ。汗&よだれの無敵のコンビネーションですよ。つばきくんが匂いを嗅いでしまうのは仕方のないことです。あれは本能。

女の子の部屋の布団の匂いってのが嗅ぎたい匂い第一位だと思ってたんですが、枕はよだれも追加されるぶんよりヤバいですね。気付かされました。今後は女の子の部屋の枕の匂いを押していこうと思います。枕の素材はふつうのわたがいいですね。よく染み込みそうなので。手に入れたら匂い嗅いでから、スルメみたいに噛むかなあ。俺のよだれが混ざるのは良くないよなあ。どうしたもんか。

そういや俺の枕はりりちよさまのはだかワイシャツ姿のカバーがかかっているのですが、りりちよさまの匂いを嗅ごうとスーハーしてみたら俺の匂いがしてとても残念な気持ちになりました。あの枕カバーは標準的な日本人の成人男性の身長でも、縮尺的にりりちよさまと双熾とのサイズ関係を体験できるようになっている優れモノなんですが、まさかあんな落とし穴があったとは…。世の中うまくいかないもんです。俺の枕を股間に当ててオナニーしてくれるメイドさんと同居したりすればいいのでしょうけど…。

枕の話はこれくらいにして、謎の彼女Xの話に戻りましょう。今回ラストの卜部さんのデレっぷりは実に良かった。つばきくんが、無意識で卜部さんを抱きしめてしまった後、卜部さんが「いいの。つばきくんにくっつきたいと思ったのは、私のほうだから」って言った場面ですね。あんなこと言われたら飛び上がりますよ。すっごいカタルシス。夕方のシーンだったんですが、ふつーに夕日に向かって「よっしゃあああ!」って叫んでしまうと思います。

誰かを好きになったとして、相手に対して欲望を抱いているとする。手をつなぎたいとか、抱きしめたいとか、セックスしたいとか。それをぶつけるには、「まず」相手の許可がいる。で、こっからめんどくさいことになるんですけど、俺は「だから」許可が得られるまでは、自分がそんな欲望を抱いていることすら、明示的に表明することができない。

この考えがベースにあるので、理想的な展開は、まさに今回の謎の彼女Xと同じものになります。自らの欲望がふと漏れでてしまったときに、それを相手に「許可」される。具体例を言うと、抱きしめて「しまった」ときに、相手に力を抜いて受け入れてほしい。

今回も面白かったです。次回ラストなのが寂しいですなー。

2012/06/28

りりちよさまに服を着せたい


毎日更新まいにちこうしん…。今日は挫折しかけております。なんも書くことねえ…。

いや!そんなはずはない!俺はおもしろおかしい日常を生きているはずだ!などと無理にテンションをあげようとしてもキツいものがありますな…。何書こうかしらん。

今日はですねー、そうだ、いぬぼくBD4巻が届いてました。いぬぼくBD/DVDの特典は、りりちよさま着せ替えペーパークラフトシリーズでございます。これは素晴らしい品で、1巻でまずりりちよさま本体(下着姿)が入っておりまして、2巻では制服、3巻は変身後の衣装、そして4巻は和装メイド、と着せ替えできるシールが付いてくるんですね。

この特典の素晴らしいところは何かというと、りりちよさまに服を着せるという行為を疑似体験できるというところです。言うまでもないですが、女の子の服を脱がすより着せるほうが、はるかに興奮しますからね!これはまあ基本的にはレア度の問題だと思います。脱がすシーンはエロゲで頻出しますが、着せるシーンはめったにない!攻略しちまえば脱がせることができますが、着せるほうはそうではない…。

というわけで実に素晴らしいアイディアだと思います。誰か知りませんが考えた人ありがとうございます。うちのりりちよさまは服を着ている時間はほぼゼロですがありがとうございます。

ただ、(本体)と描いてあるのに、なんで下着をつけているのかな?特にブラジャー。だってあんた来月発売の次巻ではついに待ちに待ったワイシャツが特典になるらしいですけど、あのときりりちよさまブラジャーつけてないじゃないですか!どういうことだよ!おかしいだろ!(じたばた)

いいですか、乳首が見たいとかそういうわけじゃないです。いや見たいけれど。うん、見たい。…そういうことではなくて!ここは定義上の深遠な問題です。はたしてブラジャーはりりちよさまの本体なのか。いや違う。違いますよね?りりちよさまの本体はもっとこう、内面的なあのその(じゃあはだかじゃなくてもいいだろ、というツッコミが浮かんだが無視)。とにかくはだかがみたいよう。

説得力がゼロなので、服を着せるという話に戻りましょう。そういえば、ペーパークラフトでは体験できない非常に重要な部分もありますね。想像してみましょう。寝起きのりりちよさまがいて、寝ぼけていて服を着せてと甘えて来ました。ベッドの上で半身を起こしている状態です。さて、まずは上着からですね。いや、ニーハイからにしよう。自分もベッドの上に少しあがって座ります。上の布団(日本語?)をめくるときにりりちよさまの匂いが一気に開放される。すぅ…はぁ…。足を伸ばしてもらって、ふくらはぎの辺りを持ち上げる。ふくらはぎはそんなに柔らかくなくて、つかんだ指のあたりの肉がすこしへこむくらいでしょうか。その足を自分の膝のあたりに抱える。そして両手で持ったニーハイをりりちよさまの足先から伸ばしていく。少しくすぐったそうにするけど、寝ぼけているので反応は少しにぶい。ぴちっとしているから、りりちよさまの足の肉がへこむくらいの力でさするように上に伸ばしていく。太ももに至って一気に柔らかさが増す。りりちよさまが一瞬ビクッと反応する。

片足がようやく終わった…。長くなりそうなので、右足ははしょりますね。さっきのは左足です。俺は右利きなので。

さて、続いて上着です。俺はりりちよさまの後ろに座ります。髪の匂いが香ってくる。そして腕をあげてもらいます。当然わきが開陳される。さわって湿りぐあいを確かめてえ…などと思いながらもそんなことはせず袖を通します。まず片方。このときは左手からですね。右手のほうも袖を通す前に、りりちよさまの長い髪が襟の中に入ってはいけないので、軽くさわりながら服の外に出してあげます。ふぁさっとくるわけです。いい匂いがさっきよりずっと強く漂ってくる、と。上手くやれば髪が俺の体を撫でてくれる。あーいいなぁ。そして右手も通してあげる。ボタンはさすがに恥ずかしすぎるので、自分で締めて貰うのもありかなあ。でも足伸ばした状態になってるところを女の子ずわりに座りなおしてもらって、目の前に座ってボタン締めるのはヤバいですね…。ふくらみかけの胸に触れないように手が震えながら、一個一個下から締めていく…。絶対理性が保たねえ…!

この辺でやめとこう。まとめると、りりちよさま着せ替え人形が欲しいというお話です。

2012/06/27

『イモウトノカタチ』 体験版 感想

『イモウトノカタチ』の体験版をプレイしたのでその感想でも。いや、今回も妄想ですねすいません…。

体験版、だらだらやって二時間くらいですかね。さわりのさわりというか、隠しヒロイン以外の四人はみんな出てきたんですが、美優樹と千毬以外は出番少なかったかな。

面白さはなんとも判断つかない段階で終わっちゃった感じです。物語が動くとかもまだないですし、ヒロインもミータとあやかは殆ど把握できなかったですし。予約に至らせるだけの魅力は感じなかったというのが正直なところです。

ただ、何かとんでもないことやらかしてくれそうな予感はかなりあります。幾つか不自然な、というか、意図的に情報を隠している部分が妙に多い。隠しキャラとかもそうでしたけど、主人公に関する情報も隠されている。そして、体験版序盤での理事長のセリフ「あなたたちの家族は、現時点では存在しないことがわかりました」というのがひっかかります。以下やや長いですけど、その辺のお話について。

主人公は15年前に災害で両親を亡くし、生き別れた妹を探しに故郷の街に戻ってきたという設定なんですけど、主人公は現在学園の二年生なんで、生き別れたときには殆ど物心ついてないような状態です。妹はおぼろげに記憶にある程度で、妹との年齢差すら不明。しかも主人公は被災者のデータベースにすら記録されていないということで、つまり主人公の本当の年齢も怪しいっちゃあ怪しい。

何を言いたいかというと、このゲームのヒロインの大半は主人公と同学年なわけですが、別に彼女たちが双子の妹であったり、あるいは双子ではなくても妹である可能性がありえるんですよね。年下設定のヒロインは言うまでもないですが。

例えば美優樹なんかは、同学年だけど、義理の両親に引き取られて育っていて、やはり生死不明のお兄さんを探しにやってきている。彼女が実は妹である可能性は体験版でもあからさまにばらまかれている。具体的には、毎日偶然いっしょのお風呂に入ってしまうとかです。お兄ちゃんと妹は当然一緒にお風呂に入りますから。あと、物語の序盤ではお兄ちゃんは妹のはだかに興奮したりしないと相場が決まっていますが、これも当てはまっている。

次にミータ。同学年ということになってますが、ロボットなわけで年齢不詳です。そして、災害で離れ離れになった妹を探しているということは、妹が災害の被害に遭って肉体に重大な被害を受けた可能性がある。他の介護ロボットにくらべ、やけに人間臭いロボット…。要するに彼女は、災害によって重症を負った妹のサイボーグ、あるいは主人公の妹の脳をベースにしてAIを構築されたロボットではないか。メカいもうとです。永遠の時を生きる妹とえいえんのせかいを生きるため、主人公はミータ√で自らもサイボーグとなるのではないか。メカ兄妹です。パーツを共有したりするんでしょうか。同じオイルが流れているんでしょうか。

つづいて千毬について言うと、年下で、やはり災害で家族を失い、主人公と同じ施設で育ったとのこと。主人公のことをお兄ちゃんのように慕っているという設定ですが、災害でめちゃくちゃになったために兄妹関係が不明になっただけで、本当に兄妹なんじゃないか。

最後にあやかですけど、彼女はちゃんと両親がいるっぽいので一番妹っぽくないですが、なんかここまで考えてくると、本当にそうか?という疑問が生じてきます。両親は彼女に真実を伝えてはいないだけで、本当は「災害の被害者を支援する仕事をしていた祖母」が拾ったんじゃないか。15年前、あやかの年齢を考えると、十分にありえます。しかもこの娘、初登場シーンで、主人公(お兄ちゃん)の部屋に先に入ってマーキングしていますし。それは妹の習性だ!

隠しキャラの真結希については、災害にあって寝たきりで生き別れの家族がいるということらしいですけど、この娘が妹ってのも当然ありえます。隠しているくらいだから本命といってもいいくらいです。

さて、これだけだと、「妹はこの中にいる!」「俺が妹を必ず見つけてみせる… お兄ちゃんの名にかけて!」「真の妹はお前だ!」(→妹自殺?)的な展開で別に大したことにはならないんですが、俺が危惧しているのは、ひょっとして、ルート入った段階で、過去遡及的に妹が確定するのではないか?ということです。

主人公は被災者のデータベースに残っていないため、「現時点では」家族が存在しない、という理事長のセリフは、ひょっとしてそのままの意味ではなくて、「現時点では」妹が確定していない、ということを示唆しているのではないか?

ルートに入った時点で、妹として確定する。全てのヒロインが妹である可能性を十分に持っているってのも、そのためなんじゃないだろうか、という妄想。もしそんなことになったら、全てのルートが、たったひとりの生き別れの実妹ルートになる…。そしてあらゆる角度から『イモウトノカタチ』を見せてくれるということなのでは…。お兄ちゃんはそんなことされたら死んでしまうぞ…。

なんか書いてるうちに突撃したくなってきました。あれれ?

2012/06/26

『咲 -Saki- 阿知賀編』 11話までの感想


アニメ 『咲 -Saki- 阿知賀編』 11話「決意」まで見たのでその感想でも。つーか、怜(とき)についてです。なんかもうごちゃごちゃしてて、人様に見せるもんじゃないとは思うんですが、書かずにはいられなかったというか。すいません。

***

俺は怜が好きです。原作は単行本でしか読んでない(ちょうど今日2巻読みました)ので、アニメで見ただけの感想になるんですが、相当なレベルではまってます。なんつーか、「俺が怜のことを一番良くわかってんだ!!!」的なハマリかたというか。怜のことを悪くいうヤツがいたらかたっぱしからマシンガンを撃ちまくるような。怜から点棒奪ってコークスクリューマナ悪ツモするやつをぶん殴って泣かしてしまいたくなるような。

怜は、元々は千里山女子の三軍だったんだけど、(事情はよくわかんないけど)入院して生死の境を彷徨って、戻ってきたらなんか知らんけど「一巡先を視る」能力を得たそうです。麻雀で一巡先を見れるってのは相当なもんです。単純に自分がツモる牌もわかるから牌効率が良くなる。相手が何でアガるかがわかるから振り込まない。ズラすこともできる。リーチ一発ツモで三役確定できる。すげえ能力ですよね。三軍のプレイヤーが、一気にエースにまで上りつめるほどに。

その力をどう使うのか。つまり、彼女にとっての力の意味は何か。

怜が三軍だったころから、友達である竜華やセーラはすでに二年生ながらレギュラーに選ばれて、全国大会で戦っていた。三軍とレギュラーという違いに関係なく、一緒に麻雀を打って、一緒に過ごしてくれた竜華たちは怜にとって大切な友達だけど、怜はずっと、自分は竜華たちと一緒に全国の舞台で戦うことはないと思ってました。自分とは実力が違うから。同じものを同じ場所で見ることはできないと、諦めて、一緒に打っていて楽しいんだけど、作り笑いを浮かべてしまうことがあった。

でも、力を得た。唐突に、圧倒的な力を。能力を持たないものから見れば、反則のような力を。竜華がいってくれた「うちと一緒に全国いかへんか?」に応えられる力を。エースに選ばれたことを竜華とセーラから伝えられたとき、嬉しいけど、少し申し訳なく思ったのは当然で、だからこのときに、自分の「ずるい」能力について、彼女たちに告白するわけです。何の努力もなく手にしてしまった力に罪悪感を抱きながら。でも、その「ずるい」能力を、竜華とセーラは「すごい」と言ってくれた。シンプルに、「怜がいれば勝てるかもしれない」と期待してくれた。期待されてしまった。

しかも、この竜華たちの肯定は、怜の能力を利用しようとかそういう話じゃ全くない。彼女たちは怜が能力なんて持たないただの三軍のプレイヤーだったときから、自分の練習の効率を下げてでもいっしょに打ってくれていたわけだから。怜が自分の能力をさらに強化しようと練習中に二巡先を見てぶっ倒れたときには、「もう二度とやるな」と言ってくれたのだから。

自分の能力ではなく、自分を心配してくれた。自分が能力に目覚めていなくても、一緒に全国に行きたいと言ってくれた。だから、自分に唐突に与えられた能力で、みんなの役に立ちたいと思った。だから、誰にも言わず、二順先を視る練習を繰り返した。だから、連荘を繰り返して点棒を積み上げる照を止めるための、自分を投げ捨てるような、
「ダブル。二つ先へ」
こっからが11話「決意」ですね。二巡先+すばらの協力を二回繰り返してようやく照の連荘を止めることができた。上手くいったけど、怜はもうふらふらで。牌をツモってくるのもつらいし、一巡先も見えなくなった。そんな中、照がふたたび連荘を繰り返しはじめる。怜はもう心が折れ掛けていて、しかも一巡先も読めない。ついには照に振りこんでしまう。ここで観客が歓声あげてアナウンサーはテンションあげて実況してたけど、お前らみんな死ね。くそが。

もうやめてくれって願いながら、怜を見ている。もう頑張らなくていいよって。でも、怜には、みんなが自分のために頑張ってくれた記憶がある。入院してから、体力も落ちて「病弱キャラ」になった自分のために「怜シフト」なんて組んで自分のために頑張ってくれた。「うちらがやりたいことなんで」と言ってくれた。同じ時間を過ごして、一緒に麻雀を打って、一緒に合宿して。気恥ずかしくて、素直には伝えられなくて、竜華の前では茶化してしまったりするけど、「少しは勘違いに浸らせて」ほしいのは、怜もそうなんだよね。もう、セーラが二年生のときに白糸台に負けた悔しさも、悲しさも、怜の悔しさと悲しさになってしまっている。みんなの思いは、もうとっくに自分の思いになっている。

だから、やっぱり、照を止めるために
「みんなごめん、もう一回だけ無茶するわ」
「トリプル。三巡先や」
へ進んでしまう。この怜を見て、「あかん、あかんやめて、怜」と竜華が言ったけど、全く同じ気持ちですよ。

やめろよ。なんでそこまですんだよ。俺には全く、これっぽっちも意味わかんねえよ。

2012/06/24

『僕は友達が少ない』 8巻 感想

はがない8巻読んだのでその感想。ネタバレ全開なので注意。

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めちゃくちゃ面白かったですね。ゲスい笑いを浮かべながらサークラ展開を眺めているのが楽しすぎる…!しかも綺麗に〆ているにも関わらず、次巻への期待を煽ってくれるという。ここまで読んで良かった。

7巻ラスト、理科による告発「だって理科たちは――(俺注:もう友達じゃないですか)」に対して、「――えっ? なんだって?」と答えることを「選んだ」小鷹。それは隣人部というぬるま湯を選択したことを意味していたわけです。隣人部というゆるま湯に浸かり続けるには、「もうとっくに友達になってしまっている」という誰の目にも明らかな事実を否定し続けなければならなかった。

これは、「友達」は積極的に「作る」ものだ、という欺瞞を信仰しているからこそ浮かぶ考えです。でも、「友達なんてものは、自然にできるものを言うんです」 by 夜々。小鷹や、あるいは夜空がそれを認めず、友達を「作る」ための練習をする部活としての隣人部を立ち上げて活動しているのは、彼らには「自然と友達ができた」経験が圧倒的に不足しているから。

自分に「友達」がいないのは、自分に「友達」を作る技術が不足しているから、というのは慰めです。技術論に落とすことで、自分の本体に責任を押し付けずに済むわけですから。でも、その慰めのせいで、理科の指摘「もう友達じゃないですか」を受け入れられなくなっている。それを認めることは、隣人部の存在理由を否定することだから。

7巻ラストでの選択のとおり、小鷹は8巻でもゆるま湯につかり続けます。だけど、それは隣人部室での活動(だらだら)中に、星奈から漏れでた告白の言葉「あたし小鷹のこと好きだから」で崩れ去ります。

こっからは見事なサークラ展開。星奈の告白に答えることもなく、逃げ出すところから始まり、何かと理由をつけて隣人部に向かわないようにしたり。向き合うことから逃げ続ける。要するにヘタレ。だけどねえ、めっちゃ共感できるんだよねえ。かわいい女の子に囲まれて、毎日だらだらと楽しい日常を過ごして。それはずっと望んでいた、「気づいたら友達ができていた」世界なわけで。それが壊れかけている。よりにもよって自分が原因となって。向きあって壊れてしまっていたら?と思うと怖くて隣人部のドアを開けることなんてできないでしょう。見なければ知らないフリができる。見ないうちは、壊れていないかもしれないというひどく都合のいいifを抱きつづけられる。

でも、それも幸村の言葉「夜空のあねごと理科どのはこの数日部室に来ておりません」によって不可能になった。見てしまったからには、何かを選ばなければならない。逃げるか、引き受けるか。

そして、「プロローグの終わり/羽瀬川小鷹が主人公になるとき」と題された最後の章。タイトルも内容も素晴らしい。7巻ラストとの対比よろしく理科に再び屋上に呼び出される小鷹。そこで理科に本音を抉られ、本音をぶつけあう。みんながありのままで居ることを許される場所としての隣人部は、小鷹にとっての「奇跡」のような場所で、それを守りたいという小鷹。それに対して、理科は「それは間違っている」という。なぜなら、それはすでに、小鷹が鈍感なフリをして、自分を偽って、がんばって維持しなければ成り立たなくなってしまっているのだから。
「そんなやっすい自己犠牲で守られてる世界なんていらねえんですよ! なめんなバカ!」
理科さいきょう。好きっすねこの発言とか素敵すぎる。本当に欲しかったのは何なのか。友達を作る技術?違う。とっくに友達になっている連中を友達じゃないと否定することで得られたありのままでいられるぬるま湯?違う。

友達が欲しかったんだ。

理科とぶつかって、ようやくこんな当たり前の前提に気づくことができた。自分が本当に欲しかったものを認識できた。だから、小鷹はもう前に進むしかない。今まで誰のことも「友達」と呼べなかった『友達が少ない』小鷹の第一歩は、この一言から始まる。
「………なあ、理科」
「俺と友達になってくれ」
プロローグがようやく終わりを告げた。自ら責任を引き受けた、主人公の登場によって。

簡易感想いろいろ

今日は休みなので例によってだらだらベッドに横になりながら本とか読んで過ごしておりました。これは!というのは無かったので簡易感想を並べておきます。


『ふたりの距離の概算』(米澤穂信)
今アニメ(氷菓)やってる古典部シリーズの文庫版5冊目。ふつーに面白かったです。アニメ見てるとどうにもえるに性的な目を向けてばかりになってしまいますが、小説だとホータローに萌えつつ読んじゃいますね。氷菓のヒロインはホータローです。アニメ版の風呂シーンでホータローばっかり映ってたのは原作準拠といえるでしょう(てきとう)。今回は『ふたりの距離の概算』ってタイトルにもあるように、友人などといった他人との距離感に焦点があたってますが、そういったものに対するホータローの考え方を見てると、老成してるような彼のなかに高校生らしい若さが見えてニヤニヤできますね。俺はもう他人との距離については、完全に答えを出してしまっているので、悩め少年!っていうような意味不明な上から目線で眺めてましたねー。


『俺、ツインテールになります。』(水沢夢)
なかなか評判が良さそうだった&タイトルに引かれたので、買おうと思ってたはずが、すっかり忘れていたという…。今日気づいて買いに行きました。近所の本屋はガガガはあまり置いてないので、期待せずに何店か巡ってみたんですが、1冊発見したので購入。
主人公の一人称で、ツインテを連打しつつツインテへの愛を語る序盤はすごく良かったですね。俺がツインテけっこう好きだってのもありますが、すぐに話にノレました。最初の闘いが終わるまでは勢いがあって一気に読めましたね。ただ、その後、敵が何匹かでてくるところはけっこうダレます。主人公もダレ切みになるくらいなんで、疑似体験としては正解なのかもしれないですけど、読んでる途中で寝ちゃいました…。雑魚い敵がずっと出てくるのも理由付けされてはいるのですが、ちょっと退屈だったかなあ。
この辺の退屈さは、読むひとによっては、ヒロインたちとの掛け合いで解消されるのかもしれないですが、俺はどうもあの手の現実的な暴力ヒロインは苦手なので…。例えば、ルイズがエクスプロージョンしようが、古依が雷落とそうが、ギャグ文脈として消化できるんですけど、フォーク刺す(ニャル子)とか関節技決めるとか殴るとかはきついですね。痛みの想像が容易すぎて。


『追奏のオーグメント体験版』(地雷ソフト)
ネタ的に有名になった印象しかなかったメーカーさんですが、体験版やってみたらなかなか良かったですね。77歳?の素人童貞のじいさんが、自分の華のない人生に後悔して自殺したら、60年前にタイムスリップしてしまった、というところからスタートします。人生やりなおしのifストーリーで、自殺から始まるくらいだから、暗い話かなーと思ったんですが、全然違ってました。体験版段階では全くストーリーが進まなかっただけかもしれないですが、日常の描写がとても楽しい。脳も若返る、という設定なんで、じいさんがすぐに若者思考になってしまうんですが、この元じいさんの主人公とその友人キャラ、そしてヒロイン達によるギャグの連打が凄まじい。ずーーーっとボケてスカしてツッコんでって感じ。爆笑ってレベルじゃないですが、なかなか面白いので読み続けてしまいました。ポテチとか食いながらげらげら笑うような感じですね。
この後どうなんだろうなあ。シリアスにしなくてもこの日常描写のままなんとなーくヒロインと付き合って変わらず楽しい日常を続けるだけでいい作品になると思います。ただ展開が読めなさすぎて買うかどうかは微妙なラインです。圧倒的にギャグがすごいってわけでもないしなあ…。うむむ…。


今日はこんなところです。ではまた。

2012/06/23

『妖狐×僕SS』 7巻 感想

いぬぼく7巻読んだので今日はその感想でも。以下ネタバレ有りなのでご注意ください。

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今回は何と言っても、30話「ただ、それだけの」が圧倒的に素晴らしかったですね。前半は、俺の解釈で30話のあらすじをまとめて、後半は自分語り的なものです。

今の双熾は、前の双熾よりも厳重に閉じ込められて育った。彼は「外に出たい」とすら思うことがなかった。諦めていたのか、それとも思いつきもしなかったのか。

彼を外に出したのは前のりりちよさまの意思だった。前のりりちよさまが菖蒲に頼んでいたおかげで、双熾は蔵の外に出ることができた。だけど、外にでたところで彼は簡単に変わりはしない。やはり何も欲することはなく、ただ生きているだけ。外に出たい、とすら思わない人間が外に出たところで、自らの世界を自らの手で拡げることなどあり得ない。

ただ、たった一つだけ、違っていた。たった一つだけ、望むものができた。それは、りりちよさまにお礼を言うこと。閉じ込められていた前世の記憶が、過去のりりちよさまの意思を触媒として、反応した。こんな何でもないことでも、自ら欲するということそれ自体が、彼にとっての「革命だった」。

そして、その願いを叶えるため、今のりりちよさまと「再会」する。彼女にSSとして仕えるうちに、彼は今まで知らなかった気持ちを次々と経験していく。プラスの感情だけでなく、マイナスの感情も。ただ、それらに共通しているのは、どれも全てりりちよさまによってもたらされたものだということ。

彼は初めて他人をまっすぐに眺めた。眩しいような、切ないような感情と共に。

彼は、初めて、恋をした。

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この辺りの描写はほんと見事です。双熾がりりちよさまを眺めるまなざし。りりちよさまに出会って変わる世界の色。ずっと彼女を見ている。ずっと彼女を目で追っている。未だかつて抱いたことのない感情とともに。

好きになる、ということ自体が素晴らしい。報われるか否かってのは、二次的でしかない。その人だけが全てで、その人からもたらされるものは、喜びであろうが、淋しさであろうが、とっても眩しくて、なんだか嬉しくて、でも切ない。

本気で好きになれるひとに出会えるということ自体が、奇蹟的なことなんだよね。

それを手にすることができた双熾が、俺にはとっても妬ましくて、だからとても読むのはつらかった。眩しそうにりりちよさまを眺める双熾が眩しくて、正視するのがきつかった。俺も、恋をしたいよ。

恋をするなんて、誰にでもできる?自分の感情は自分でコントロールできるのだから?それは違うよ。そんなもんは、「彼女を作る」っていうフレーズに含まれているような欺瞞にすぎない。純愛厨だと言われるかもしれないが、俺は信じている。

恋は、するものではなく、恋に落ちるのだ、と。

好きになるのではなく、好きになってしまったことに後で気づくものなんだ、と。

俺は、今に至るまで「恋」というものを経験したことがない。誰かを本気で好きになったことはないし、誰かを本気で嫌いになったこともない。自ら欲することが極めて少ない人間だ、というのもあるかもしれない。受動素子として生きてきた。それが誤作動を起こすことに憧れを抱きながら。この30話で描かれたものは、俺がまさに欲していたものです。ずっと憧れていたもの。気がついたら好きになっていた。気がついたら彼女が自分の全てだった。そんな恋をしたいんだよなあ。いい年こいて何言ってんだっつー話だとは理性ではわかっているのだけれど。これはもう一生消えないと思う。どうしようもない。惚れて、それだけで自分が勝手に駆動されて、わけわかんなくなってみたい。まあそういう欲望です。

双熾は、幸せ者ですよ。好きな人が、この世界に生きているのだから。その世界は、たぶん俺の世界より、ずっとずっと美しい。

2012/06/22

さよなら、またね。おかえり、ただいま。(後半)

さて、今日は昨日のエントリの続きです。

去っていく相手に対して「さよなら」も「またね」も言えない(言わない)、というところまでが昨日の内容ですね。今日は後半ということで、別れたあと、相手が戻ってきたときにどのような態度をとるかについて書こうと思います。

つーてもまあ結論は「何も言わず、以前と変わらず接する」ってだけなんですが。

別れの際に「さよなら」や「またね」といったセリフを言わないというのは、要するに別れをそれと認めようとしない態度です。別れてもいない相手に「おかえり」なんて言うのはおかしい。これは単純ですが、理由のひとつと言ってもいいかもしれません。ただ、これだけで終わりかというとそうではなくてですね。

例えば、俺が自分勝手な理由で誰かのもとを去ったとする。あ、ちなみに「自分勝手な」と一応つけてますが、俺はどんな理由であろうと、自ら去ることを決断したのであれば、それは全て「自分勝手な」理由にあたると考えています。だから俺の思考においてはこのパターンのみを考えればいいことになります。拉致された、とかはここで考えている「別れ」に含まれていないので。

この状況で、俺がかつていた場所に戻りたいと思ったとします。まずは、どんな状態なら戻りやすいか、ということを考えてみましょう。その場所が、俺がいなかった間に様変わりしていたらどうだろうか。田舎に帰ってみたら再開発されて知らない街になっていたら?かつての友人はそれぞれ家庭をつくり、いいおっさんになって、妙に落ち着いていたら?好きだったあのひとが、そもそもそこにいなかったら?

…嫌だ。それは俺が戻りたいと思った「かつていた場所」ではない。

場所、というものはそこにいるひとや雰囲気、風景で構成された記憶だと思う。時とともにある程度移り変わるのは仕方がないけど、そこに確かな連続性が感じられなければ、同じ感情を持って眺めることができなければ、それは違う場所だ。俺はそう思います。

だから、待つと決めたのであれば、相手が記憶した形を、可能な限り保存するよう努力したいと思う。最近で言うと、咲の玄ちゃんが掃除して待っていたように。「わたしは掃除当番だから」といった連続した理由によって。何気ない風を吹かしながら、当たり前のような顔をして。

相手が戻ってくるときに、そこに入るのが自然すぎて、「ただいま」すら言わなくて済むように。そんな風に俺は待っていたいし、そんな風に俺は待っていて欲しい。

「ただいま」なんて絶対に言わせない。「おかえり」なんて絶対に言ってやるもんか。そんな決意をこっそり秘めつつ、ぼけーっと待つことにしますかね。

2012/06/21

さよなら、またね。おかえり、ただいま。(前半)

今日も今日とて忙しかったです。肉体的にも疲れてるのがきついなあ。

しかし目指せ毎日更新である。そろそろ習慣づいてくれないかしら。一応30分目安で書いてるのでまあなんとかなってる感がありますね。ただタイプも考えるのも遅いので、短くなっちゃうのが自分で見返しても残念な感じです。

さて、今日はタイトルどおり、別れとそれに相対したときの俺の態度(目標)についてのお話です。俺はどうもふらふらしていて筋の通ってない感じの人間なのですが、一個だけ何も考えずに守れてるかなーというのがありまして、それは「自分がされて嫌なことは他人にするな」っていうあれです。始めて聞いたのは幼稚園児のときかなー。たぶんそれ以来ずっと守っている。自分がなんでこうしたのか、と後から行動を振り返ったときに、結局このルールに沿ってるだけだったりすることがよくありますな。

本当のことを言えば、こんな自己中心的なルールではなくて、相手がいる場合は相手が望むように変えるってのがいいんですけど、俺はそれができない。これは想像力の欠如、というよりはむしろ自ら想像することを断っている、というのが近いと思います。他人のことを理解することなど不可能で、理解したつもりになることすら傲慢である、と考えてしまうので、半ば意図的に理解することを放棄する、といった感じでしょうか。

この態度も「自分を理解されたくない」という感情に端を発するものです。ちゃんと理解してくれるのであればまだましですが、理解してもない人間にわかった気になられたらめっちゃ腹立つじゃないですか。それを他人に対してやるくらいなら、自己完結したルールで接して、相手に「あいつはわかってない」と思われたほうがよっぽどいい。

理屈としてはこんな感じです。だからこれから話す「別れの態度」についても、結局のところ、俺が誰かのもとを去るときに「こうされたくない」といった考えに基づいたものになります。

さて、本題。序文なげえよ。

俺に好きなひとがいたとして、そのひとが(俺から見て)唐突に自分の観測可能な範囲からいなくなったと仮定します。

相手が「さよなら」を言ったか言わなかったに関わらず、ここで俺には3つの選択肢が生まれます。そのひとに「さよなら」を言うか、「またね」と言うか、何も言わないか、ですね。ここで俺が何を選ぶかというと、3つ目の「何も言わない」です。

なぜか。まず、「さよなら」を言うのは問題外です。だって俺はそのひとのことが好きだから。本当は別れたくなんて全くないのだから。

次に、「またね」ですが、これもだめです。これにはいくつか理由があるんですが、一つ目は俺が誰かに何かを期待するような言動を決してできないから、というものです。期待されるのが嬉しいってひともいると思うけど、俺は何かを期待されるのがとても怖い。これは期待されてそれに応える、という経験が絶対的に不足しているからだと思うんですが、いつごろからだろう、中学生ぐらいのときにはすでに恐怖心があったような気がします。そのせいで、軽い期待ですら他人に向けることをしないようにしています。軽いってのは例えば、「あれやっといて」とか、誘うとか、「書いてくれると嬉しい」とかです。期待はしない。出てきたものを褒めるのは全く抵抗なくできるんですが、これもギリギリですよね、今考えてみると。褒めること自体が期待になりうる。ただまあ、自分の中での線引きは、「期待はしないが出てきたものは褒める」ぐらいでこれからもいこうと思います。

もう一つの理由は、相手の俺に対する思いの強さと、俺の相手に対する思いの強さの非対称性に起因したものです。俺が相手のことを1好きだとして、相手が俺をどれだけ好きかはわからない。1であれば嬉しいですけど、相手からみれば俺はその他大勢(n人)のうちの一人であって、1/nしか好きでないのかもしれない。認識すらされていなければ当然ながら0です。1/nや0のときに相手に何かを要求するのは、傲慢だと思う。そして、相手が自分のことをどう思っているかだなんて、(俺の考え方で言えば)決してわからない。

「またね」という資格は俺にはなく、「さよなら」は言いたくない。だから、沈黙するしかない。

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30分経ってしまったので続きはまた明日にしようと思います。では

2012/06/20

『謎の彼女X』 11話 感想


『謎の彼女X』11話見たので、とりあえずその感想から。

卜部さんにだまって早川さんと文化祭デートしに来た浮気者のつばきくんですが、まあ昔好きだった人に誘われたらいっちゃうでしょう。これはしゃーないですよ。このへんでつばきくん最低!となりますが、最低だけどしゃーないわけです。オトコノコはちょろい生き物なので仕方ありません。

つばきくんは結局自分から早川さんがさしだした唾を飲まなかっただけ、自制心があると思います。俺には無理だ。間違いなくぱっくりいって口の中でなぶりつくしてごくりといくと思います。いや、それだと自分のつばとのブレンドがのどごしになるのか…。うーん、やっぱりなぶらず、舌でいったんとどめて香りを楽しんだあと一気に飲みますかね。どっちがいいのだろう。悩ましいところです。

(そんなシーンは一生こない、などと気づいてはいけない)

その後、卜部さんが登場してからのスタイリッシュ全裸よだれバトルについては、なんか無駄に息を飲みながら視聴しましたが、正直どーでもいいかなあ、といったところですね。不満も別にないし、大して興奮もしなかったです。

早川さんの独白(今まで好きになった人はみんな片想いだった)ってのがありましたけど、これについてはストレートには「だから自分のことを思ってくれるであろうつばきくんにコナかけた」って解釈するべきなんでしょうかね。でも、この段階で早川さんはつばきくんに彼女がいることを知ってるわけで、好きになったひとはやっぱり自分のほうを向いてない相手だったっていうのがなんとも。早川さんはこれまではずっと自分が相手の想い人に勝てずにきたわけで、今回だけ卜部さんに勝てると考えたってのもおかしいですし。バトルに負けた早川さんに対して、勝者である卜部さんが「きっと素敵な相手が見つかるわ」みたいなことを言って最後まとめてましたけど、早川さんの将来に関しては不安に思います。どうしても、このまま彼女や奥さんがいる相手を好きになってちょっかいかけまくって結局報われない悲しい末路が予見されてしまうなあ…。そんなこと妄想してたらだんだん早川さんが好きになってきた?あれ?

さて、文化祭の帰り道、つばきくんと卜部さんがいっしょに帰るシーン。これ良かったですね。素晴らしい。浮気したつばきくんに対して、卜部さんが「自分も昔は片想いの相手がいた。その人に誘われたら私もつばきくんと同じようにほいほいついていってしまう」みたいなことを言う。当然ながら、こんなふうに許されても、全く嬉しくはないわけです。「俺だけの卜部さんに、他に好きな奴がいただなんて!」というなっさけない独占欲があるから。見てるだけの俺ですら、「嘘って言ってくれ!」と思いながらこのシーンを見ているわけで、つばきくんからしたらハラハラしまくりだったんじゃないかしら。そんな状態で、「でも許してくれるのはありがたいし」なんて考えてるところで、卜部さんの「うそだよー」(あっかんべー付き)です。

「騙された!自分の罪はやっぱり重かった!でも嬉しい!ほっとした!」っていうね。卜部さんにはホントかないません。だから好きなんだけど。

こんなところですかね。『謎の彼女』11話、なかなか良い回だったと思います。他にいろいろ書くことあったんだけど、感想だけで終わってしまった…。

2012/06/19

陰口について

なんとなく思う所あって、もうちょっと頻繁に更新しようかなーと。タグは「日記」にしますかね。

まあ変わりばえのしないルーチンを過ごしているので、出来事というよりは、その日にぼけーっと考えてたこととかを書いていこうと思います。

とはいえ、俺やる気とかいっさいないひとなので、果たしていつまで続くことやら。依存性向はかなり強いので、その状態になってしまえばなんとかなるとは思うんだけど。なんていうんですか、やる気なさすぎてほんと何も始められないんだけど、始めてしばらくたつと、やる気がなさすぎて、自発的にやめようとしないんですよ。流されるままに生きております。慣性の法則というやつです。ニュートンさんすげえ(違う)。

この話だけで延々とつづけてしまいそうなので、ぶった切りますが、陰口の話。

今日昼飯くってたら、隣に大学生(?)のカップルがいまして、そのひとたちがなんか教授かなんかの陰口を言ってた。なんか妙にひそひそと話してたんで逆に聞き耳立ててしまってすいません。で、話の内容なんですが、なんかその教授(?)がゲイらしいという話で、「うそー」「本当にいるんだー」とかいってまあゲスい笑いをお楽しみになっておられたと。

お前20年近く生きてきてその認識はどうなんだとかいろいろ思うことはあるんですけど、まあそっちは今日は置いておきます。とりあえずは「陰口」の話に絞って。とは言ってもなんてことはなくて俺「陰口」ってすげえ嫌いだなーというどうでもいい結論なんですけど。

「陰口」ってあれ小学生からジジババまで無敵のコミュニケーションツールになってると思うんですよ。俺は基本的にどんな話題にもノラないで「はー」「へー」「ほー」とか言って適当にすましてしまうタイプなので、どうやらもはや「打っても響かない」タイプだと認識されてしまったらしく、あんまり知り合いが直接誰かの陰口を言ってるのを目撃することはないんですが、稀にいい年した大人が陰口を言って盛り上がってる現場に居合わせたりすることはあります。あと学生時代はけっこう聞きましたね。何が楽しいのかまったくわかんなかったんでそこでも「ふーん」とか言ってただけなんですが。「やめろよ!」的なことはしません。めんどくさいので。あとは実家のばーさんもよく言ってたなー。

あー考えながら書いてるうちに気づいてしまった…。俺は陰口が嫌いというか、他人の話で盛り上がるのが嫌いなんだ。「俺の友達が~」ってのも嫌いだし。

あれほんと楽しくない。俺は俺の話をしたいし、俺は君の話を聞きたいのであって、そこに他人が入ってくる意味が全くわからない。まあ実際には友達なんて一人もいないんですけど。他人の話は事実にしかなり得ない。その他人が感じたことを追体験として自分の感情を語るようなのであればそれはきっと面白いのだろうけど、俺はそんな人にリアルで会ったことはないです。単に出会おうとしない俺が悪いのかもしれないですけど。

俺が知りたいのは感情でしかない。俺が知りたいのは事実ではない。この辺は物語の好みにも反映されまくってますが、いかなるストーリーも、それが登場人物の感情のアンプとして働くものとしてしか評価しない、という極端な立場です。俺はその増幅された登場人物の感情を貪るように摂取する、という流れですね。我ながらこれはひどい。でもやめられない…。

うーん、先にタイトル決めたら全然違う話になってしまった…。まあ今後もこんな散漫な感じでいくと思います。TLに流すのは物語感想だけにしよう…。そのうち書くのがうまくなったらいいいな!

2012/06/03

『この大空に、翼をひろげて』 小鳥ルート 感想

気がついたら6月である。初夏ですね。初夏といったら初恋ですね。衣替えした女の子のわきとかに興奮する季節ですね。よかったですねおめでとう。俺はまいにちおっさんでんしゃの汗の香りでげんなりしています。

愚痴はこの辺にしておいて、『この大空に、翼をひろげて』の感想です。とりあえず初めに全体としての感想ですが、なんというか「てんこもり」でしたね。小鳥、あげは、天音先輩、双子ちゃんのそれぞれが別のメニューとして出てくる。モーニンググローリーを飛ぶ、という目的が全ルートで一致しているのだけれど、物語の軸が違っているので飽きない。

モーニンググローリーを飛ぶといっても、キャラクターによってそこに置かれる重点は違うんですよね。これはキャラ名にも表現されていますが、小鳥であれば「飛ぶ」ということ、天音先輩であれば「至った先の風景そのもの」、あげはは「飛ばす」ということです。あさちゃんよるちゃんは…朝と夜でかわりばんこ…?

ルートで言っても、小鳥ルートのなんだこの甘酸っぱい小鳥おひめさまかわいいだとか、あげはのメスっぷりとか、天音先輩ルートはまあメインっぽいので体験版段階で予想された(cf. 体験版感想 http://sagaslave.blogspot.jp/2012/04/blog-post.html)ものを提供してくれました。双子ちゃんは…おしっこ…?

といった感じで満腹感があるんですが、俺が一番好きなのは小鳥ルートです。天音先輩ルートも好きですが、集合写真の表情が惜しい。1年前との表情の違いがあれば…!と思ってしまいます。小鳥ルートは、不満もいくつかあるんですが、これはっていう場面がすごく多い。特にルート入った直後から付き合い初めまではほんとすばらしい。

まずは何といっても、今作全体でのベストシーンであるところの、二人乗りです。夏に、湖が見える道を、気になってる女の子を後ろに乗せて、二人乗りです。ここの描写が実に丁寧。いいですか、気になる女の子が後ろにのっているわけです。しかも夏。とうぜん緊張とドキドキで汗をかくわけです。で、そこで、小鳥がその背中に頭を乗せて「汗かいてる…」って言う。くっ!そんでね、小鳥がね、頬を背中にくっつける。はいもう背中の小鳥と触れ合ってる部分に全神経が集中されましたね。ドキドキするし、触れ合っているところは二人分の熱でより暑くなっている。くっついてるからますます汗をかく。ほんとなんなのもう。羨ましいよくそったれ!!!しかもここでの小鳥のちょっと甘えた感じ。主人公が「なあ、小鳥」って呼びかけたときの返事が「んぅ?」ですよ。顔が背中にくっついてるからちょっとくぐもった声で。しかも最後にゃ頭を背中に擦りつけやがってからに!!!

あーもーほんと羨ましすぎてしねばいいのにと思いつつ、喜色満面でプレイするというね… はあ…

この二人乗りシーンで主人公が小鳥のことを好きだと実感する、ってのは非常にいいですね。そりゃそうだよねー、と納得できます。単に俺がここで小鳥が好きになっただけだとも言う。

告白シーンも良かったっすね。いっしょに飛んで大空での告白とか、ベタすぎるけどそれがいい。つーかそれよりもこの告白シーンで重要なのは、小鳥が先に自分のわがままさを主人公に知ってほしい、と伝えたところです。主人公には自分のわがままさを知っていてほしい。主人公には自分をかまってほしい。踏み込んできてほしい。この甘え。それに対する返事としての主人公の告白。

女の子はおひめさまなんですよ!(真顔)

小鳥はほんとおひめさまかわいい。おひめさまといったらおねだりと相場が決まっていますが、キスシーンも良かった。主人公からキスされて、「(自分がどれだけ小鳥のこと好きか)これでわかっただろう?」と聞かれて、
「……ううん、わかんない」
「だから、もっと……」
くっそっ!あざとい。だからこそかわいい!!!…はあ。小鳥のおねだりを聞いてエサを運ぶお仕事がしたいなあ…。こんな気持ちになるのは、「少しずつ」おねだりのランクを上げていくからだと思います。主人公はここまでやってくれた。嬉しい。じゃあこれは大丈夫かな?というやつです。そんなんされたら何でもするよねえ。しゃーないっすよ。敵わないもん。

こんな初恋がしたかった。

要するに、小鳥ルートが好きなのは、そういうことなんだろうなあ。気がついてたら惚れてて、夢中になってて、その子のためなら何でもしてしまうような。自分がやったことに対して、正直に(上手に、ではないです)喜んでくれるような、そんな女の子。いつまでないもんねだりしてんだっつー話ですが、こんなもん見せられたらどうしても思ってしまいますなー


後半部分については、ファーストプレイのときはかなりもやもやしながらプレイしてました。小鳥が受け取るばかりではないか?と。身障者用シートだとか、小鳥が願う前に主人公たちによって用意されてしまった。小鳥が引き離されたとき、主人公たちが用意して待っていた。もちろん、こういったものは、小鳥がそれまでどんな思いで、どんな態度でグライダーやソアリング部とかかわってきたのか、主人公たちが良く知っていたからではあるんですが。

ただ、これについては、モーニンググローリーを飛ぶシーンで解消されました。あのシーンで主張されていたのは、「ひとりで飛べないことが、飛ぶことの素晴らしさを減じたりはしない」ということだから。風の助けがなければ空を飛べないからといって、その素晴らしさが失われるわけではないのと同じように。それを、モーニンググローリーを飛ぶことで、そこにある圧倒的な光景をもって、小鳥が実感した。彼女の足との関連については、言うまでもないですかね。綺麗にまとまってるなーと。

いい作品でした。

ことりちゃん、びゅーちー!ボタンを押すお仕事の時間なのでこのへんで。めざせ300万びゅーちー?

2012/05/27

『オブザデッド・マニアックス』 感想

大樹連司『オブザデッド・マニアックス』を読んだ。あらすじを裏表紙から引用すると、
授業中、いつも妄想していた。もしも今、この学校をゾンビたちが襲ってくれたら――。恐怖の叫び声を上げ逃げ惑うクラスメイトたち。何もできずおろおろする先生……。ざまあ見ろ、最高だ! ゾンビ映画ばかり観て現実と向き合えない高校生・丈二。しかし、嫌々参加したクラスメイトとの夏の合宿で、本物のゾンビハザードが丈二とクラスメイトを襲う! ボンクラでオタクな僕が、みんなを救ってヒーローになる!? さらに学校一の美少女も思いのままに!? 怨念じみた妄想が現実になったとき、待ち受けるのは天国か、それとも地獄か!?
ということで、これだけ読むと妄想が現実になって主人公がヒーローでハーレムでうははは展開を予想するのだけれど、完全に裏切られた。

一回目読み終わった直後のツイートがこれ
オブザデッド・マニアックスのメッセージ、さすがに危険物すぎると思う。これは確かに欲しかった言葉なのだけれど、実際につきつけられてみると戸惑うしかなくなる
極めてメッセージ性の強い物語だった。クソみたいな日常を生きていて逃げるように物語を消費しつづける人間にとっては。このツイートで言っているように、一見したところ、そういった人間に対する肯定のメッセージのように感じたのだけれど、どうにも違和感があったので再読した。だいぶ考えがまとまったので感想をまとめておく。ネタバレ満載。








この物語は、クソみたいな日常を生きている二人のゾンビ(映画)オタクの対比を描いた物語だ。主人公である丈二と、ヒロインの莉桜。

丈二は、スクールカーストの最底辺(第三階級)に属しているゾンビ映画オタクだ。見えないルールによって、明確な理由も存在せず組み上げられた教室というカースト社会。彼にとっては教室の連中は、飢えを満たすために流行に飛びつき、群れ、異質な人間を排除し、自分と同化させようとするゾンビだった。彼は妄想する。この日常が壊れ、自らがヒーローになり、美少女を救う。そんな異世界ファンタジーを。

一方、莉桜はスクールカーストの中層(第二階級)に属しているゾンビオタクだ。彼女も丈二と同じく、ゾンビハザードの到来を願っていた。彼女が丈二と違って第二階級にいたのは、見えないルールに適応し、「クラスの誰にでも優しく、知的な莉桜さん」というゾンビに擬態することで日常をサヴァイヴしていたからだ。

丈二との決定的な違いはここにある。丈二は第三階級にいたが、あくまでゾンビ世界における人間として生きていた。主人公ではなかったが、確かに人間であった。物語序盤で彼はこう言っている。
教室で生き残るには、ゾンビで埋め尽くされた地上をサヴァイヴするのと同じだけの知恵と覚悟がいる――戦うための知恵と、耐え抜く覚悟が。
そう、はじめから彼らは違っていたのだ。それが、夏期合宿、孤島でゾンビハザードが始まってしまった後の彼らの行動の違いになって表れる。

莉桜は自らのゾンビ者(ゾンビオタク)としての知識を元にゾンビに対して適切に対処し、クラスの連中からの崇拝を集め、新たなスクールカーストを組み上げる。それは、能力に応じた、明確なルールに基づいたカーストだ。彼女はその世界において第一階級の頂点に君臨し、かつて自分たちを虐げていた人間に復讐する。

莉桜は自らと同じゾンビ者である丈二を誘う。日常は壊れて非日常が始まった。被害者である私達は、かつて第一階級にいた連中に復讐する権利がある。そして最後には、非日常の楽園で、教室もろとも滅びよう、と。

丈二は、これに首肯できない。彼らの望みは日常の崩壊という点で共通しているように見える。では、何が違う?

莉桜は日常を支配していた見えないルールを壊したかった。
丈二は日常を支配するその構造こそを壊したかった。

丈二からすれば莉音の作り上げた非日常の楽園は、ルールのみが変わった日常でしかない。そこで強者になることで、強者のみに許される自由によって、ルールをあたかも無視したかのように振る舞い、ヒーローになることはできただろう。でも、それじゃ意味が無い。それではゾンビの一員になってしまう。

ここで重要な役割をしているのが、古内というキャラクターである。古内は、もともとのスクールカーストで第一階級に位置していたが、ルールを無視して「ぼっちもお姫さまも、教室の階級も関係ない」ように振舞っていた。これは、ゾンビハザードがはじまる前の丈二から見れば、ただの強者にのみ許された自由にしか見えなかったはずだ。

だが、彼は莉桜が組み直した新たな日常において、第三階級に堕とされてもなお、ルールから自由だった。丈二の言い訳はここで敗北した。そして、初めて明確に認識する。自分の望みは、日常の崩壊である、と。いや、それは正確ではない。日常を壊す必要などないのだ。日常から自由なヒーローにとっては、日常などどうでもいいのだから。

もうゾンビハザードのような非日常は不要なのだ。

丈二は莉桜と対決し、莉桜の作り上げた非日常を破壊する。やっぱりかつての日常の基準においてカッコイイところを持っていくのは古内だったけれど。それはもうどうでもいいのだ。

***

ここまではOKだ。こっから先が納得できなかった。

敗れた後、莉桜は一人でゾンビになってしまおうと思っていた。そこに丈二が現れる。彼はここで、かつてずっと妄想していたように、美少女と二人、ゾンビになって死ぬこともできた。だけど、彼はここで莉桜を説得する。
ゾンビになったら、ゾンビ映画は見られない! 
教室での鬱屈があるからこそ映画も楽しいんだって。
帰ろう。そしてゾンビ映画を観に行こう。
そして彼らはかつての日常に生還し、映画を観に行く。丈二の最後の言葉は、こうだ。
僕はもう、ゾンビハザードを望まない。
映画館の中のゾンビたちさえいれば、僕は、もう十分だ。
…この結論に納得できない。なんで、日常をスパイスみたいに扱うのか。それとは無関係に、それから自由に存在できるというメッセージこそ欲しかったものなんだよね。物語さえあればそれでいいというメッセージが欲しかった。

それが嘘でもかまわないから。

2012/05/04

自動人間

何もやる気が起きなくて1日中寝ていた。

ベッドに入って半分寝たような状態でつらつら考えてたんだけど、俺って本当に意欲とかないなー、と。

最近どんどん酷くなってる気がする。自分から〇〇するってのがないんだよなぁ。気づけば自分から人に会ったのなんてもう十年くらいないっぽいし、会うどころか連絡した記憶もない。

別に人間嫌いとかではないです。中島なんちゃらさんみたく嫌いだから接触しないわけじゃなく、どうでもいいんですね。あーでも外乱が怖いってのはあるか。

どうでもいいって感覚はいろいろあって、身近なところでは食事と服装。食事に関しては毎日同じもの食ってたりする。服装は同じ服を何着も買うっていうあれです。けっこういるんですかねこういうひと。

休みの日もほっといたら飯もろくに食わずに家で寝てるし。エロゲやってるときは一番元気なときですね。どうでもいい情報ですが、エロゲ→アニメ→本→何もしない、といった順で調子が判別可能なようです。

話を戻そう。自分にとってどうでもいいものを探して、そーいうの片っ端から全部システム化してしまって、思考から取り除きたい。毎日同じ時間に起きて毎日同じ服着て毎日同じもん食って。

仕事に関しては命令されたことだけやりたいなー。自発的にとか、創意工夫とかそういうのいらないから。あとできるだけ楽しくないほうがいい。ガキの考えのままなんだけど、楽しんで金もらうのはダメだ。まあつらいのもいやですけど、何も感じずに歯車になってぐるぐると回ってたい。

考える要素を減らして何にも感じず毎日同じことしていく。変化とかなしに。それがやっぱり俺にとっての理想です。だってそれが一番楽だもん。

働かずに死ぬってのはどうなんだろ。まあとりあえず死にたいと思ったことはないです。消えたい、というのはあるけど。その近似としての死とは結びつかないかな。

なんつーか、死ぬのも能動的な行動じゃないですか。そーいうのもないんですよね。今こうなっているんだから、そのまま変化しないのが一番楽だと思うんですよ。慣性の法則ってやつですか。そんでまあちっちゃな抵抗うけてだんだん減速して、最終的に停止する。

あー、ロボットになりたい。

なりたいんだけど、その先への憧れが残ってるというね。無感動なロボットになって、どうでもいいことばかりを記録していって、それでも何か残るんじゃないかと。どーでも良くない何か。

あるいは、システムを誤作動させて、そこにない不合理な行動を引き起こさせるような何か。「〇〇したい」ではなくて、「〇〇せずにはいられなく」させてくれるような何か。

そんな上手い物語が用意されてると本気で信じてるわけじゃないけど、憧れてしまうもんは仕方ない。そんで、この執着がある限りロボットにはなれないんでしょう。ほんと矛盾してんな。

2012/04/14

眩しかった日のこと、そんな冬の日のこと

ひどく五月蝿い。

声も動きもなく、ただ静かな音楽とたった一行のテキストが流れている。俺はあるはずのないノイズを聞いている。そしてそれに苛立ちを覚えながら、殴るようにクリックしていく。彼女の横顔を横目で眺めた。表情が無くて、俺はそれが哀しくて、また苛立ちを募らせた。

彼女は希望を語らない。彼女は目的を持たない。彼女は自ら選ばない。そうしなければ、哀しすぎるからだ。諦めていたと嘯く彼女が哀しくて、俺はそれを壊したくなった。理不尽が彼女を殺す前に、俺が彼女を壊そう。めちゃくちゃに、禽獣のように。

だが、俺の衝動は届かない。感覚は常に一方通行で、俺は彼女に触れることなどできない。それが悔しくて、マウスを叩く音が大きくなった。

初めの浜辺で彼女は気づく。感情なき問いの中にあった自らの感情に。問いを発してしまってから、だ。そして、自分の認識を肯定してはいけないから口をつぐんだ。

彼女が初めて目的地を指示した。ついに、漏れた。それは決して素晴らしいことでも、喜ぶべきことでもない。どんどん綻んでいく彼女を見るのが怖かった。

雪が降った。彼女の世界には無かったものだ。現実が妄想を超えてしまった。もうそれが妄想をなぞるだけの無価値なものではないと気づいてしまった。たった一個の反例で。

いまさら、だ。でも、少しでもいいから知りたい。「わたし」のものではない、この世界を。

まだ、死にたくない。

起動してからずっと流れていたノイズが、叫び声に変わった。やはり声もテキストもないけれど、はっきりと聞こえ始めた。

彼女が初めて男の子に触れた。記念写真を一緒に撮った。車の運転もやってみた。あんまり上手くできなかったけど、それが嬉しくなってしまっているようだった。目的地に着いて、ナルキッソスを見た。彼女が自分で決めて、達成した初めてのこと。俺はほとんど諦めたようにそれを眺めていた。よかったね、なんて少しも思えなかった。

暗い車内の中。彼女が初めて泣いた。彼女が初めて真っ直ぐにこちらを見た。彼女が初めて現実に叫んだ。自分の弱さを。弱い彼女が自分を護るために抱いていたifを。反論なんてできるわけがない。前向きになれなんて言えるわけがない。そうするしかなかったんだから。何に怒ればいい?誰か教えてくれよ。

俺はこの理不尽を憎む。そんな行為が、彼女にとって何の意味も価値もないことを知りながら。

物語は勝手に進んでいく。俺は引き延ばすためにゆっくりと確かめるように読んでいく。波打ち際で、白石工務店の白いタオルとお気に入りのスカートに身をつつんで、彼女が初めて笑った。

そして、彼女は運命に殺されることを拒み、自分の意思で水の中へ消えた。

ほんの僅かの抵抗だ。方法を選んだに過ぎない。選択肢はとても少なく、結論はどれも同じだ。彼女はやはり運命に殺されたのだ。ただ、彼女は抗った。俺は相変わらず苛立ちながら、確かめるように文字列を眺めていた。

叫び声は消えたが、エコーは今も響いている。それもしばらく経てば消えるのだろう。ふと思い出したようにその声を聞いたとき、俺は初めて泣くのかもしれない。

2012/04/09

御狐神双熾について (『妖狐×僕SS』)

先祖返りである双熾は御狐神家で崇拝されて、彼からすれば単に軟禁されて育った。双熾はそんな環境で経験を伴わない知識ばかりを蓄え、その制限された生活に適応するために感情を鈍化させた。上手く生きるために自分を装い、固定された自分を持たずに相手の望むように偽って生きてきた。

けれど、双熾には自分がないわけではない。それを必死に閉じ込めていただけだ。それをむき出しにて周りと向き合うのは、下手でいたずらに傷を増やすだけの愚かな行為でしかない。小賢しい彼の選択は、とても合理的で要領がいい。

鈍化することで適応した人間がりりちよさまに出会った。彼女は双熾と極めて似た境遇にありながら、彼とは全く違っていた。りりちよさまは不器用に心をむき出しにしたまま彼女の世界と相対していた。敏感に傷つきながらも、弱さを見せないように虚勢を張って。

鈍化することで上手く立ち回った人間が彼女を見た時に、抱く感情は二通りしかない。その愚かしさに強烈な苛立ちを感じ嫌悪するか、あるいはそれに打ちのめされそれを愛おしく思うか、だ。

それを分けるのは、そいつが自分を好きかどうかじゃないか、と思う。双熾は自分を嫌っていた。だから彼女にどうしようもなく惹かれた。彼女は俺が手放した、あるいは持ち得なかったものを持っていたから。それは彼にとっては、とても貴重で、とてもたいせつなものに思えたから。

公園のシーン、りりちよさまから双熾に告白する。怖がって震えながらも、真っ直ぐ立って双熾に自分の思いを伝える。これも双熾には決してできなかったことだ。このとき、双熾は完全に負けた。しかしその一方で、自分がその美しさを何よりも信じているものに肯定された。敗北感と肯定された喜びが混ざって、檻が溶けて箍が外れる。

ここでの「愛してます」が彼がりりちよさまに伝えた初めての、むき出しの、愛の言葉。

2012/04/08

梓は飲み物です (『DRACU-RIOT!(ドラクリオット!)』 梓ルート 感想)

ドラクリ梓ルートの感想です。エロバレネタバレあるのでご注意ください。

いやーエロかった。エロに関しては全ヒロインの中で群を抜いてますね。ストーリーは莉音が良かったですが、俺はどうもあの手の性的知識がないキャラは苦手なので…

体験版プレイした段階では、主人公が吸血鬼で梓がヒロイン中で唯一の人間キャラということで、主人公の梓に対する吸血衝動みたいのが話の一つの要素になるかなーと思ってましたが、それをここまで徹底してエロと結びつけてくるとは!

簡単に設定をおさらいしておくと、主人公は元人間の吸血鬼です。観光地として栄えている吸血鬼特区の島に遊びに来たときに事件に巻き込まれ、その際に吸血鬼の血を吸ってしまい吸血鬼になってしまいます。吸血鬼たちは吸血鬼の市長が治める特区内ではそこそこ快適に生活できますが、島からは出られません。また、風紀班などの仕事に携わる義務が生じます。主人公は風紀班に入り、吸血鬼の美羽、人間の梓などと一緒に働きながら吸血鬼も通える夜間に開かれる学園生活を送ることになります。また、主人公やヒロインたちはこの学院の寮で一緒に暮らすことになります。うん、実にハーレムである。

梓(美羽もですが)と主人公は、寮も学園も仕事も一緒なので関わる時間がもともと多いんですが、個別に入ったchapter 5からは、梓と仕事上のパートナーになります。さて、一緒に真面目に働くぞ!と思ったら…

女の子とふたりっきりでえっちなビデオ鑑賞会
(おんにゃのこ と ふたりっきり で えっちな びでお かんしょーかい!!!)

が始まります。いや仕方ないですよね!押収品のチェックは大事だし、梓とはパートナーですし、なんってたってお仕事ですし!

このスケベやろう何を言い訳してんだ!と思ったそこのあなた、誤解です。なぜなら!上記のコメントは「梓」の部分を「主人公」に置き換えるとまるっきり梓の台詞だからです!俺はエロくない!

すでに素晴らしくて感射(誤変換)するしかないですが、chapter 5はまだまだジャブに過ぎないのであった…


Chapter 6 「はじめてのおなにい」

サブタイは俺が勝手につけました。
そう、このchapterは、オナニーをしたことのない女の子が、はじめてオナニーをするまでを描いたドキュメンタリーである…

Chapter 5から引き続き、一緒に仕事や訓練をしたり、主人公が自分と似た境遇であることを知ったりしてどんどんお互いに惹かれていきます。そんななか、エリナからのアドバイス(「一人エッチをしないなんて人生損してる!」的なやつ)を受けて、梓のエロ好奇心が刺激されます。エリナは本当にいい子ですね♪

そしてついに梓はひとりで押収品のえっちなDVDを見るようになります。ひとりでえっちなDVDを見て悶々とする梓…さらに悶々とした状態で洗面所で顔でも洗おうとしたら主人公が風呂に入っていて主人公の裸を目撃してしまうという逆・ラッキー☆スケベ!もう梓さんの興奮は最高潮に達します。部屋に戻ってDVDを再び見ているうちに梓の手はいけないところにのびていきます。

「あ、でもだめだよ。これ、たぶんダメなやつだよ……はぁっ」

…オナニーを描いた作品は数あれど、はじめてのオナニーに至る道をここまで丁寧に描いた作品があっただろうか(知ってる方いらっしゃったら教えて下さい…まじで…おねがいします…)

こんなことされたら梓だけではなく俺も感射のオナニーを開始してしまうわけですが、chapter 6はまだボディに過ぎないのであった…(遠い目)。なお、このchapterで主人公が梓に「好きだ」と伝えます。


Chapter 7 「梓は飲み物」

サブタイは俺が(ry
まあ主人公が吸血鬼で梓は人間なのだから飲み物に決まってるんですが、女の子から出る液体が血液だけということがあるだろうか?(反語)

まず、chapter 7の冒頭で梓が主人公の思いに答え、二人が結ばれます。病院でのファーストキスのCGはすごく好きです。怪我で動けない主人公に、梓からキスをする。「欲望されたい」という欲望を完璧に満たしてくれる。そしてこのとき初めて、梓の中の液体(唾液)を主人公が自ら欲して飲みます。自分が梓を欲望しているのと同様に、梓が自分を欲望している、という事実があったから。

こっから先は怒涛のエロさです。回想にして2つのシーンが短い間隔で続くので、実質1時間近くHシーン。なげえよ!特に凄かったのは、回想で言うと2つ目、クンニと初体験のシーンです。物語の設定を活かしてとんでもないことになってます。

設定というのは何か。主人公は吸血鬼なので、吸血衝動があります。これは吸血鬼の本能です。例えば梓の首筋を見て吸い付きたくなったり、吸血する夢を見て夢精したりしてしまう。でも、主人公は元人間で吸血行為には忌避感があります。個別に入ってからはずっと、仕事ではないただの食事(欲を満たすための行為)として吸うことに対して抵抗を感じている様子が描かれます。

吸いたいけど吸わないという態度。それによってかえって増大する欲望。梓の匂いを嗅いだだけで、首筋に噛み付いて吸い上げたくなる。けどやらない。やってしまえば捕食対象になってしまうから。

こうした前提があって、クンニのシーンです。おま◯この匂いを嗅いでから、味見。そして、(梓が)「す ご く 美 味 そ う だ !!」に至る。噛み付きたい。食べてしまいたい。でもそれは梓が好きだから、できない。このもどかしさが、エロい。吸血衝動は食欲みたいなもんですが、吸血行為は性的快感を伴うため、性欲とも混じり合う。

「食欲なんだか、性欲なんだか、吸血本能なんだかわからない。とにかく梓が欲しい」

そして梓の股間から漏れたものを飲む。吸う。それは確かに欲望を満たすのだけれど、本当に欲しているものとは違う。だから飽くことなく求め続けてしまう。

その後に続くセックスシーンの描写も凄い。前戯で欲望が混ざり合ったわけですが、セックスシーンでは五感が混ざり合う。梓の絵、声ってのはエロゲなんで当然のものですが、それ加えてにこれまで執拗に描写してきた梓の匂い、吸血衝動と混ざり合った味覚があります。そしてこのとき初めて結合した性器からの触覚が最後に混ざる。これらはHシーンのテキスト中に散りばめられていて、主人公と同期して読むと五感全てで梓を感覚している状態になります。だからあんなにエロい。以下の連続したテキストなんかを読むとライターさんが意図的に書いてることがよくわかります。

懸命に舌を突き出した梓の顔。
むっと立ち込める梓の匂い。
麻薬みたいなきゅぽんって音。
トロッとした唾液の味。
ペニスから脳幹に直通する粘膜の刺激ーー。

ふぅ…


さて、ストーリーに関して真面目な話を最後に少しだけ。Chapter 8からはストーリーメインで、人間と吸血鬼の争いが描かれます。展開としては、梓たちに吸血鬼と人間が共生する特区という楽園を残すために、ある吸血鬼が人間に敵対する吸血鬼たちを率いて特区から出て行って終わります。

これはやっぱり問題の先延ばしでしかないと思う。先延ばしが悪いわけではないです。この場合だと、特区に残った人間と吸血鬼たちがつくる未来が楽園であると信じらればいいのですが、俺にはできなかった。いったん掃除してキレイになっても、同じように暮らしていてはまた汚れるかもしれない。今回いなくなったのは不満を持つ吸血鬼だけで蔑視する人間がいなくなったわけではないし、システムが変わったわけでもない。時間が解決することってのも多いんですが、その可能性の描写が薄かったかなと思います。

まあそれ以外は大満足です。あとは実妹だったら…

『この大空に、翼をひろげて』 体験版 感想

『この大空に、翼をひろげて』の体験版をプレイしました。公式はこちら(http://konosora.jp/

傑作になる予感しかしない…!

いや文句のつけようがない出来です。体験版なのに面白くて2周プレイしちゃいました。俺こういう話大好き。体験版は1.5GBもあるのでかなりのボリュームなんですが、これ全体のうちのどのくらいの割合なんですかね?プロローグのみなのか、共通全部なのか。

ストーリーの最初の部分だけまとめておきます。

元はロードレースで全国三位になるような選手だった主人公がレース中の事故で足を怪我して自転車競技を諦め、故郷に帰ってくるところから始まります。そして、再開発で風車やソーラーパネルが立ち並ぶようになった丘で車椅子の少女と出会う。メインヒロインのひとり、小鳥です。彼女は2年前の事故で歩けなくなった、という設定です。主人公も小鳥もかつてはできていたことを唐突に「奪われた」という点で共通している。

物語の中心となるのは部活動です。ソアリング部というグライダーを作って飛ぶ部活です。この部は当初はメインヒロインの一人である天音せんぱいが一人でやっていて廃部寸前でしたが、そこに主人公と小鳥、さらに幼なじみヒロインのあげはが入部して廃部を逃れ…と展開していきます。

かなり長い体験版ですが、この入部するあたりまでとりあえずプレイしてみるといいかもしれません。俺がハマったのはこのあたりで、具体的にはソアリング部に入る直前、天音せんぱいが紙飛行機を使ってグライダーの仕組みについて説明したところからです。この説明が、やたらと上手い。わかりやすいし、天音せんぱいがグライダーのことホント好きなんだなーと伝わってくる。そしてこの紙飛行機を使ったすごく上手い説明の後に、「(グライダーは)紙飛行機を大きく頑丈にして、コックピットを取り付けただけのものなんだ」という天音せんぱいの台詞が入る。これはワクワクせざるを得ない。主人公や小鳥と同じ気持ちになって一気に物語にノッてしまいました。グライダー、すてき!

あと、この主人公と小鳥のキャラ設定にグライダーをぶつけてきたのは上手いと思います。グライダーってのは、自分で動力源をもたず、風に乗って飛ぶものなので、自由度が基本的に低く、コントロールがあまり思い通りにいかない。特に、上昇は上昇気流に乗らないとどうしようもない。こういったコントロールのもどかしさと、かつて持っていたものを「奪われた」せいで、かつてできていたことが上手くできないときに感じるもどかしさがすごく似ている。

このもどかしさによる「ため」のおかげで、例えばグライダーのフライトシーンで、上手く上昇気流を掴んで高度が一気に上がるときの爽快感や突破感の気持ちよさがかなり強まっている。そういえばここでのOP挿入歌もかなり良かったですね。この構造が物語自体と同期されたときには間違いなくすばらしい作品になると思います。

体験版は、ソアリング部の目標である「雲の廻廊」(ごく稀に短時間だけ出現する直線上の雲)にあと一歩で到達できず、天音せんぱいがソアリング部を去ってソアリング部が廃部になる、というところで終わります。廃部のくだりは若干唐突ですが、「奪われる」というのは唐突であることが必要条件なので、この唐突さは意図したものだと思います。

ただ、奪われても残るものがある。それは天音せんぱいの残したグライダーの設計図や、天音せんぱいから受け継いだグライダーを好きな気持ちや、雲の廻廊という目標。ゼロになったわけではない。

主人公の操縦、あげはの工作技術、小鳥の情熱、そして天音せんぱいの設計の全てが収束して、あの雲を突破するシーンがどうしても見たい。天音せんぱいも一緒に、です。

楽しみすぎて5月まで待てない…これも「もどかしさ」か…

***

ちなみに、しいて欠点をあげるならあげはの妹のほたるが出てくるたびに物語なんてどうでもいいからほたるを攻略させろ!と思ってしまうことです。あれはちょっと圧倒的にかわいい。プレイした人はわかるかと思いますが、ほたるが主人公とあげはからの勧誘を「……私、いい」って言って断るシーンに至ってはもう…かわいすぎる…

***

(追記)本編小鳥ルートの感想はこちらです。
http://sagaslave.blogspot.jp/2012/06/blog-post.html

2012/03/20

『Routes』 七海ルート ネタバレ感想

『Routes』プレイしました。

けっこうボリュームあるゲームで、リサ・皐月・ゆかり・七海・夕菜の5人を攻略すると、Routes・Rootsというグランドルートに進めるという構造。七海・夕菜シナリオはライターさんが違っているらしく、この2人はグランドルートには全く出てきませんでした。メインルートも(Routesを除いて)なかなか良かったんですが、俺はけっこう大差で七海ルートが一番好きです。

……ロリコンだとかそういうことではなく!いやそれもあるけども!シナリオがいいんですよマジで!

証明がてら真面目に感想書いてみます。ネタバレあり。

主人公の宗一はエージェント(スパイのようなもの)。宗一は調査でさびれたスナックへ行き、そこで七海に出会う。七海は幼い頃に両親を事故で失い、親戚をたらいまわしにされた末にこの店に売られ、ただ同然にこきつかわれている。

まあひどいもんです。まだ子供ですから、仕事で失敗することもある。そういったときには店長に殴られたりもします。だけど、七海はこれしか知らないから、これが「ふつう」であり、彼女が定義した彼女の「幸せ」は、食事がちゃんと与えられ、寒さに凍えずに眠れる、ということ。肯定されたことがないから、だめな自分は頑張ってようやく「半人前」だと自分を評価する。作り笑いを浮かべながら。

それでも彼女の目は美しい。「半人前」の自分には、「一人前」になりうる未来がある。自分がだめだから現状がこうなっているという認識は、まだ救いがある。それは理不尽に対する、間違った適応なのだけれど。ただこれも、外を知った人間による自分の価値観に基づいた勝手な評論でしかない。

宗一は、かつての自分と七海を重ねます。彼はそこから抜け出した人間で、七海の「ふつう」の外を知っている。店長に殴られた七海を見て、宗一は七海を店から救い出します。彼の「ふつう」に従って。彼の「幸せ」の定義に従って。

でも、「幸せ」は誰が決めるのか。

連れだしただけでは七海は幸せにはなりません。それは本質的に何の意味も持たない。七海は宗一と一緒に暮らし始める際に「雇ってくれ」と言います。宗一が期待した変化など起きなかったわけです。宗一が仕事から帰ってくると、部屋に七海が待っている。それだけの日常が続いたある日、たまたま宗一は自分がいないときに、自分を待っている七海が部屋で何をしているのかを知ります。

七海はベランダから街をうれしそうに眺めながら、宗一の帰りを待っていた。

帰ってきたとき七海の手がいつも冷たかったのは、ずっと外で待っていたから。「けなげだ!かわいい!」じゃないです。そういう話じゃない。これは、それまで誰かに何かを期待することができなかった少女が、初めて「期待すること、期待できることそれ自体の幸せ」を知ったということです。七海は主人公と出会って、一緒にすごして初めて「いってらっしゃい」という言葉を言えるようになった。それは帰ってくるという期待を抱けないと決して言えない言葉です。誰かを想えるという幸せ。EDテーマである『あなたを想いたい』そのものです。

宗一がベランダに佇む七海を見つけたのは、ちょうど仕事で探していた宝箱を見つけて返ってきたときでした。宝箱の中身はすでになく、空っぽだったけれど。ベランダから振り返って、七海が尋ねます。「宝物は見つかりましたか?」と。

主人公が見つけたのは、それまで空っぽだった部屋に隠れていた宝物。

これは、ルーツをつくる、物語。

2012/03/18

2035年、孫ゲーの時代がやってくる!

少子高齢化が叫ばれてはや何年でしょうか。どうやら2035年には人口の1/3が65歳以上になるらしいです。しかも少子化。こどもがいなくなってしまう。これはイカン。日本の未来が大変だ!

年寄りがいるのにこどもがいない。つまり、年寄りにとって生きがいともいえる孫がいなくなってしまうのです。老人の孫離れ。生きがいを無くした老人の末路は悲しいものです。すぐにボケてしまうんじゃないか。未来への可能性を秘めて輝く孫を見て、安らかに性を終えることはできないのではないか。悲しいことです。年金なんて要らない。孫が欲しいんだ!

この需要に答えるのがそう、「孫ゲー」です。65禁。CERO JB(ジジババ)。

何もテキトーに言ってるわけではありません。2035年に65歳の爺さんは今年42歳です。そしてこの世代は1995年当時20歳です。おわかりでしょう。エロゲーマーの第一世代です。彼らはADV形式に慣れており、孫ゲーをプレイことに対する忌避感は殆どないはずです。むしろ俺はいますぐプレイしたい。

「何を抜かすこの若造が!俺は65歳になってもほなみんで抜くぞ!」という意見もあるかもしれませんが、20年後のことです。冷静に考えると「そもそもちんこは勃つのか」
いや、バイアグラ使ってほなみんルートをプレイしながら大事な血管ぶちぶち切れまくって死ぬ、というのに快楽を伴った憧れを抱く気持ちは俺にもあります。しかし、それはやはり現時点での憧れであって、20年後に穏やかな孫ゲーを欲しているという可能性を否定することはできないでしょう。

「孫ゲー」 いいと思いませんか?

すぐに気づくのは「おにいちゃん」と「おじいちゃん」の類似性ですね。「おにいさま」「おじいさま」、「にぃに」「じぃじ」。ほう…これは…なかなか…

想定される日常イベントも盛りだくさんです。いくつか挙げてみましょう。孫の名前は便宜的に「ななみ」としておきます。別にさっきまで『Routes』やってたのとは関係ありません

夏祭り
手をつないでいたがはぐれてしまう。迷子になったななみをなんとか見つけ出す。泣いているななみをだっこして、あやそうとするが泣き止まない。そこに花火が打ち上がる。泣きやんで笑うななみ…

はじめてのおつかい
ヒロインしてnじゃなかった孫視点での「はじめてのおつかい」というものの破壊力については言うまでもないことでしょう

お風呂
単にいっしょにお風呂に入って頭とか洗ってあげるだけです。好感度がたまると選択できるようになります。おじいちゃんなら当たり前のお仕事です。いやらしいわけがありません

おねしょ
台風の日に怖がるななみといっしょに布団にはいります。夜中におしっこがしたくなって目が覚めたななみ。おじいちゃんについてきて貰いたくて起こそうとします。ここで選択肢「起きる」「起きない」。「起きる」といっしょにトイレにいきます。「起きない」と…

続いてストーリーについて。単純置換でもいろいろ思いつきますが、ラストシーンだけは決まってます。主人公であるおじいちゃんが死ぬ。孤独死を迎えるBAD END。孫に看取られて穏やかに逝くHAPPY END。孫を身を呈して守って死ぬとかもいいですね。ハードボイルドです。いずれにせよ死にます。「いかに主人公が死ぬか」。哲学的です。哲学は愛の学問でしたっけ?

最後に補足。当たり前ですが、孫なので可愛い男の子もいっぱいでてきます。ハーレムとかあるのだろうか。すごぉい、こどもがいっぱいだあ……

2035年、「孫ゲー」の時代。なんか「〇〇は俺の孫」とか言って頑固なじーさんばーさんが罵り合っている光景が浮かびましたが気にしないことにします。楽しみですね

2012/03/06

『DRACU-RIOT!(ドラクリオット!)』 体験版 妄想

ドラクリ体験版プレイしたので感想を少しだけ。感想というか、妄想ですねこれは…

とりあえず美羽ルートは確実に楽しめる予感がしてます。美羽はたぶん世界観に沿ったキャラなんでしょう。世界観って言ってるのは、吸血鬼を閉じ込めて管理する特区というものが存在し、吸血鬼はサッカーと蔑まれることもあるっていうところとか、吸血鬼ウイルスという認識のされ方とかのことです。

美羽は(おそらく生来の吸血鬼で)特区から出たことがない。吸血鬼のおかれてる環境は正直抑圧的なものですが、美羽はそれに対し(主人公を襲った吸血鬼のように)不満をぶちまけたりはせず、吸血鬼の能力を生かして治安維持活動に参加している。かといってニコラのように吸血鬼であることを喜んでいるわけではない。これは例えば、自分に関わることで吸血鬼になってしまった主人公に対してやたら謝ったりしているところに表れています。要するに、諦めですよね。そうなっている理由を理解できてしまうから、仕方ないと受け入れて、適応している。

たぶんこの半ば自分で作った檻からの開放みたいなのが話の流れになるんでしょう。これは人間から吸血鬼になった、外からやってきた主人公とも完璧にマッチしている。ベタに予想されるものを予想通りに出してくれるだけでもかなりいいものになると思います。あとは…Mですね。伏し目多用する奴は間違いなくMです。Hシーンでも照れて伏し目になりながら淫語言っちゃうんですかね。素晴らしいと思います。

つぎに、唯一の人間ヒロインである梓。これがやばそう。体験版段階ではまだ先が読めないんですが、どうにも危険な香りがします。まず、吸血鬼は人間の生き血を定期的に摂取する必要がある&摂取しないと特殊能力が使えないと設定されているなかで、梓は吸血鬼ばかりが住む寮と、吸血鬼を戦闘員として持つ治安維持部隊の両方に属している。この段階で、「あれ?もしかして(主に)血を提供する役割として存在している?」って思いました。それだとしたらそうとうヤバい。俺が興奮しすぎて大変なことになります。まあこれは体験版のラストで射撃能力が明かされたので違うっぽいんですが。いや、射撃は後付けかもしれない…まだ…暗い期待が…
ともあれ「なんでただの人間の少女が?」ってのが大まかな流れになるのかなーと。

あとは、これ重要なんですが、実妹疑惑が頭から抜けません。真面目に読むと否定材料あるのかもしれませんが、主人公は(梓・美羽とは同学年だけど)実は年上かつ両親不明の孤児院育ちという設定とがひっかかって。梓が唯一の人間だってのと、髪の色の一致もあります。穿って見だすと梓の「お姉ちゃんだと思ってくれていいよ!」はフラグにしか見えない…頭なでなでとかも…

もうね、妄想が止まらなくて…妹の血を吸ってパワーアップするお兄ちゃんですよ。すげえ。どのくらいの頻度で生き血を吸う必要があるのか知りませんが、月一とかだと大変ですね。もったいないからお兄ちゃんが吸ってあげる♪

いや、梓がさいろーさんじゃないか、と言われてるのもあって、期待が有頂天になっております。買ったらまず梓ルート一直線でやろうと思います。次に美羽ですかね。あー楽しみ。

***

(追記)本編梓ルートの感想はこちらです。
http://sagaslave.blogspot.jp/2012/04/dracu-riot.html

2012/02/18

俺にとって、物語って何なんだろう

時間のあるかぎり物語を読んでいる。電車、めし、風呂、寝る前。時間を見つけては物語を読んでいる。読み返すこともなく、読み捨てていく。そこから何かを学ぶこともなく、あらすじさえも記憶せずに。

どんな物語を好むのか?何を求めているのか?有限の金と時間を全てそれに注ぎ込んで、俺は何を得ているのか。

本でもエロゲでも漫画でもアニメでも映画でも変わらない。求めているのは感情の強度だ。

俺は現実世界に対してほとんど感情を表さない。それは「そういうもの」としてあるからだ。自分でコントロール不可能なもの、理解不可能なものは全て「そういうもの」として受け入れる。他者を理解できないし、しようともしない。世界を理解できないし、しようともしない。

それはきっと単純な話。「自分の嫌がることを他人にするな」というチープな箴言。俺は、俺を理解されたくない。いや、正しくは定義されたくないのだ。

おそらく多くの人間にとって初めて対峙する世界、そして他者とは、家族というものだろう。俺は普通の家庭に生まれ、何の問題もなく育った。虐待があったわけでもなく、何かを強制されたこともない。ただ、関係がなかった。会話がなかった。俺が一般的な価値観において「優秀な」行為をしたときに褒めることはなく、俺が社会的な価値観において「クズの」行為をしたときに叱ることもなかった。

俺は褒められたかったのだろうか。叱られたかったのだろうか。俺は、何が欲しかったんだ?思い出せない。怖かったのは覚えている。関係することが。俺を気にされることが。家庭内で一人称代名詞を使わず、「俺」という自己を表明しない。親とすら目を合わせず、拒絶の意思のみを発散していた。

承認されたくないんだよ。期待されたくもない。自意識過剰な人間が、期待されたら、内面が侵される。俺の範囲に、他者が入りこんで、肥大していく。それが怖い。だから最も長時間自分と共にいる人間を、最もひどく拒絶した。

学校ではずっとましだった。目を合わせるのはやっぱり無理だったが、それでもまあうまくやったと思う。関係性が簡単に切れる相手は楽だ。俺に入ってきたら切ればいい。

恋はしただろうか。初恋はいつ?理解できないものを欲望するという感情はずっとあった。だがそれは過去から今に至るまでずっと性欲と同値である。恋というものが、多くの物語に記述されているように、性欲の前提として存在するものであれば、俺はきっとそれを体験していないのだろう。愛情という名の相互理解を恐れ、理由としての恋を知らずにここまで生きてきた。

他者を介した欲望というものが分からない。俺にとってそれは、壁であってほしいものに対して、壁であることをやめろ、という叫びだ。そうか、俺はそれが壁でないことを「知っている」のか。そうだ、俺はそれが壁でないことを知りたくないから触れたくないのだ。

俺は壁を求める。反応のない欲望をただ打ち込むことを欲望している。それが物語であり、その登場人物なのだ。

俺は物語世界を現実に侵食されることを恐れる。メタな視点を持ち込まないでくれ。作者の目線を登場させないでくれ。それはただ、その形であってくれ。俺に何かを要求しないでくれ。

俺は、補償しているのだろう。現実世界でぶつけられない感情を。抱くことすら禁じている欲望を。俺を固定することのないソリッドな対象で。登場人物の視点を借りて。都合のよい立場を選んで。

俺は感情を貪って生きている。

2012/02/15

楽しい、シナリオ、エロい (『春季限定ポコ・ア・ポコ』 感想)

2chベストエロゲでけっこう順位高かったので体験版プレイしてみて、すぐ買ってプレイしたんですが、すげーいいゲームですね。良作の見本といった感じです。しかもミドルプライスなんですよねこれ。すげーわ。そんなに長くもなく、攻略対象は藍、桜、夏海の3人だけなんですが、3人がそれぞれキャラもシナリオも別のタイプの刺さり方をしてくるので、すごく満足度が高い。

ちなみに、体験版やったときに予想されるように夏海がメインヒロイン扱いで、他の2人クリアしてからでないと攻略できないようになってます。まあ実際にプレイしてみるとシナリオ的にはそこまでメインな感じはしないんですが。

さて、まず体験版の部分の感想。とにかく引きがずるい。あんなんされたら買うしかないだろ…体験版って製品を買わせるのが目的なので、要するに「続きが読みたいっ!」って思わせたら勝ちだと思うんだけど、その点に関してはこのゲームは完全勝利してると思います。

まず妹の藍が面白くて可愛いし、なんか毎日のように添い寝してるし。桜は、単純に気になる。関係性とか、本心とか。夏海は基本的にはただのツンデレって感じで流れていきますが、体験版ラストの告白シーンで全部持ってきますからねぇ…あのシーン体験版あわせて計3回見ましたが何回見てもいい。「春花なのか?」なんてふざけた問いに大して、あの一回飲み込む表情変化の間があって、問いには返事をせずに、自分の気持ちを春花に重ねて告げる。あの飲み込むところがすっげえ好き。あと、体験版段階では主人公がなんかグズグズしてる感じで好感度低かったんですけど、その辺は本編では解消されまくるので、そこ気になったひとも問題ないかと。ちなみにホモっぽい友人ですが、最後まで別に活躍することもなくホモっぽいままです。正直物語的にはいらないです。大して絡んでこないので息抜き要因としても別にいらない気が…

体験版部分で共通はほとんど終わりで、その後選択肢1つ選ぶとすぐ個別に入ります。

まず藍ルートの感想から。サブタイつけるなら絶対に「熱血妹ゲー」ですね。ブラコンすぎる妹を愛でるだけじゃなく、シスコンすぎる兄を愛でるゲームです。「俺のシスコンなめんなっ!」とか言っちゃう主人公を見てるのがすげー楽しい。セカンド妹が新たに登場して藍が悩んだり、家族の問題とかもありますが、とにかくシスコンパワーで万事解決していきます。一番笑ったシナリオですね。アホな名言が連発されまくりで、もう…あと、藍の声がすごくいいです。可愛いくて元気な声ってだけでも十分いいんですけど、へんにリズミカルな抑揚をつけてしゃべるのが妙にクセになる。「えへへ」って書いてあるところで「えへへあへあ」とか言ってたりして、どう考えてもおかしいんだけど、気がついたらやみつきになってる。うん、いちばん楽しいルートですね。

つぎに桜ルートですが、このルートに関しては俺の性癖の問題で、1回目のHシーンまでは満点に近くて、それ以降は(キャラ消費的には)微妙かなーといったところ。屋上のシーンで桜の演技が剥がれ始めて、それから本音が漏れていく。で、本音を言う時は目をそらすんですよね、桜。これが愛おしすぎる。1回目のHシーンもやばくて、桜が「野々宮、可愛い」とか言うんですよ。この声で脳が溶ける。降参しました。俺は「不思議でできてる女の子に手玉にとられたい」という欲望がかなり強くて(みう先輩が好きなのは完全にこのライン)、この手の女の子がでてくると、床に全裸で寝そべって「もうどうにでもしてくれえへへあへあ」となるんですが、個別前半の桜はこれに完璧に刺さりました。このままいけば個人的には最高だったんですが、後半はシナリオ的に桜視点が入ってくるので、桜を理解できてしまったんですよね。それがすごく残念でした(俺妹9巻をなかったことにしているのも同じ理由)。まあ仕方ないですね…シナリオ的はこのルートが一番いいですし。ラストのCGにいたっては青春なるものの眩しさでちょっと直視するのがキツいくらい。

最後が夏海ルートです。2人攻略してからしかプレイできないですが、そこまでTRUEといった感じはしないですね。このルートはねえ、エロい。以上。

…まあ微ネタバレですが言っちゃうと、個別入っていきなり夏海のオナニーシーンが入ります。オナニーシーンがあるゲームは多いですが、早すぎ。ミドルプライスで短くするのはいいけど、いきなりですよ。これ見ちゃうともうね、俺みたいなエロいひとはそれ以降もう完全にすけべじじいの目でナツミンを眺めはじめるわけです。夏海あんなツンツンしてるけどお前家ではぐへへと思いながら見てしまうわけです。それでいて、これは主人公が覗くとかではなくて、プレイヤーにのみ開示される情報なので、その後急に物語がエロい方向に進行したりはしない。つまり、焦らされます。体験版で夏海にやられてプレイしたいと思ってたらルート開放されるまで他の2人を攻略しなければならないという部分でまず焦らされ、やっと夏海ルートに入ったと思ったらいきなりオナニーシーンみせられてエロい気分になってるのにまた焦らされる。ひどいですよ。どんな価値の高め方だよ…しかも両思いになってからも、いい感じになるたび邪魔が入ってHシーンが始まらないという…ひさびさに「Hシーンはまだか!」と思いながらプレイしてましたね…

お話としては体験版で予想されたとおり「春花の代わりでもいいから」が鍵で、まあ綺麗にまとまってるんじゃないでしょうか。茶番ですが、不快ではなくて、こんなのあってもいいよねって思わせてくれます。ただ個人的にはエピローグのあれはいらなかったかなーと。

まとめると、楽しい藍ルート、シナリオの桜ルート、エロい夏海ルートといった感じでしょうか。凄いっていうのはないですが、キャラ同士の掛け合いも楽しいですし、プレイして損はないかと思います。

2012/02/05

結局のところ、いやらしいのは俺だ (アニメ『パパのいうことを聞きなさい!』1~4話 感想)

パパ聞きのアニメ4話まで見て、原作1巻および7巻を読み返したので比較など。


まずアニメ1話。基本的に原作通りですが、空の風呂とか、美羽の腕組みやパンチラとかは原作にはないので、アニメ化に際してエロ要素を意図的に増やしているのは確かです。こういった場面での裕太の反応が「大きく」なったのも視聴者の受けるメッセージに影響を与えてるんじゃないでしょうか。なお、反応が原作に比べて「大きく」なったのは、赤面とか唾を飲み込むとかアニメ化によって(たぶん意図的ですが)自然に追加されたもののせいです。

1~4話まで見たところ、エロ要素は実際に増えているんですが、小説とアニメというメディアの違いも大きいです。小説では(年上好きと設定されている)祐太の1人称を通じて読者は3姉妹の情報を受け取るわけですが、アニメではフィルターなしで生データぶちこまれてしまうので、脳の変換回路がちょっと変わっているひとにとっては全てがエロくなってしまいます。まあ生データといってもあの塗りなんですが。

途中のゲームCMでもこの作品をどう消費して欲しいかがメッセージされていたりしますが、とりあえずアニメの話だけに限定したいのでこれは無視します。


続いて2話。冒頭で1話ラストのシャワーシーンがリピートされます。尺稼ぎ+サービスなんだと思いますが、視聴者に与えるメッセージが強調されてますね。

OPは美羽のわきとか空とかがあからさまにエロいです……いや見てるほうが悪いのか?俺は悪くない!あとは、わざわざ寝てる空の全身を舐めるショットや姉との風呂シーンなどが追加されてますね。うーん、いらないと思うんだけどなぁ…(美羽だけでいいよね☆)

エロ関連はまあいいです。すべて俺が悪いんですごめんなさい。でも、美羽が祐太の顔に落書きして女物のカツラかぶせるのは意味不明です。美羽は相手との距離をはかれる子ですから、これはありえない。

あと、なぜか空と美羽が両親を海外に行かせたいと思っていますが、この改変はどういう意図なんだろう。いい子描写なのかもしれないですが、これ後悔を増やしちゃうので…

そして2話後半の葬式です。ここはほぼ原作通りですが、姉との回想を入れたり、「家族は一緒にいなきゃ、ダメなんだ!」という台詞を追加するなど、かなり祐太の感情を強調した演出になってます。祐太に感情移入しやすい良改変だと思います。


そして3話。家につくまでのシーンは全てオリジナルです。カラオケでめし食うなどの浪費に気づかない祐太。「デリカシー」関連以外でわがままを言う美羽。最悪の改変は、おばさんからの電話によって初めて祐太が今後の大変さに気づくところだと思います。これは祐太が自分で気づかなければならなかった。祐太は別に鋭くはないけど、自分でちゃんと考えて、気づくキャラです。

原作ではアパートに着いて荷物置いた後、「安くて旨くてボリューム満点」の定食屋で食います。なお、この店を美羽は「美味しかったー」「ステキなお店ですね」と評します。そして空はこの段階で祐太のお金の心配をします。祐太は「家族に遠慮するな」と言いますが、この段階で「普段は自炊しよう」と提案します。最後にアイス買っちゃってますが、このへんの無駄遣いは祐太のデフォルトですね。

アニメに戻って家についた場面から。着替えの問題でカーテンでしきりを作りますが、原作では空たちが「祐太を着替えのときに追い出すのがいやで」引いたものだったのが悪改変されてます。ただまあ尺の問題で仕方ないかと。3人での風呂シーンなどエロ要素を追加するくらいなら、と思わなくはないですが。

3話の最後に、ひなが「パパとママは?」と尋ねたときに美羽が耐え切れなくなって部屋を飛び出すのは違和感があります。祐太の前でわかるように涙を見せるのも、原作のキャラクター描写からすると不自然な印象。この後、空がみんなが寝て誰にも知られることのない場面でやっと涙を流してますが、美羽も同じだと思います。美羽も空も、他の家族がどう思うか考えて、自分さえ我慢すればいい場面なら確実に自分を殺すキャラクターです。それでやっと成り立っている相互扶助計画だと思うんだけどなあ…

最後4話。まあ物語変わっているのであれですが、コンビニで買いすぎはありえないです。なんでこんなに祐太をバカにしたいんだろ…

4話では3姉妹のダメダメ描写が続きますが、ぽんこつなのは別にいいです。過剰だとは思いますが、原作でもだめはだめなので、ちゃんと成長していってくれれば。

ただ、ただね。これだけは言わせてください

美羽がひなといっしょになって落書きするシーンだけは、絶対にありえない。誰だよそれ。美羽なめてんのか!?

なんでオリジナル入れたんだろう。原作ストックあるし巻ごとで切りやすいのに…

2012/01/29

ゲーセンの話

もう忘れ去られたころなので、この話

ゲーセンで出会った不思議な子の話

について、というかこの話に対する反応を見て思ったことを書いておきます。

この話に対する反応を列挙してみると、

・初期・拡散段階での、「泣ける」「感動する」「実話」という反応
・やたら評判なので読みに行ったけど、別に面白くない

・まーた女の子を殺してオナニーか
・こんな出来の悪い作品で泣けるとかw
・ケータイ小説はダメでこれはOKなの?

・創作を実話って言うのは卑怯
・こんなレベルの低い作り話に騙される読者がアホ
・創作だろうが面白ければいい
・「やらせ」に怒ってたくせにこれを認めるとか矛盾してる

といったところでしょうか。

俺は話題になってから(カウンターが出始めてから)読んだんですが、物語そのものについては特に言うことはないです。いちおう全部読みました。実話か創作かについても別にどうでもいいです。「やらせ」問題と関連付けている反応も多かったんですが、「やらせ」に怒るのとこれを認めるのとは矛盾しないですよね?少なくとも俺は、「面白ければいい」文脈で「やらせ」を行うのにはそもそも怒っていないですし。創作を実話と言うのは情けないというのはわかる気がしますが、俺は創作者ではないのでそれによってこの物語の作者を責める気は全く起きませんでした。

ここまでは個人的にはどうでもいい話です。どうでも良くないのは、読者批判の部分。お定まりのレイプファンタジー云々と、感動したと言っているひとをバカにする態度。物語構造だけを抜き出しての批判もそうですね。

「人が死ぬ物語は嫌い」ってのはいいんですよ。それは個人の嗜好ですから。SFは読まないとか、犯罪小説は読まないとかと同じで。ただ、「人が死ぬ物語はクソ」といった時、それは批評になってしまう。だいたいさあ「人が死ぬ物語」ってどれだよ。構造に落としこむことで、どの一つの作品も指していない。感想述べるのは好きにすりゃいいけど、批判するなら真面目に読め。

そんで「人が死ぬ物語に感動する人間」をバカにする行為。それはやっちゃダメでしょ。それがいかに低レベルな話であろうとも。俺はそれが「一般的な」価値観においてどれだけ愚かな行為であろうと、それをバカにするのは嫌いです。AKBに貢ごうが、タバコを吸おうが、パチンコに金を突っ込もうが、課金ゲーに金を突っ込もうが、宗教にハマろうが、レイプファンタジーでオナニーしようが。俺がそれを批判するのは、他者(子供とか)に迷惑をかけたり、傷つけたりする状況に及んだときのみです。

だいたいさ、自分の価値観が他者のそれと同等に無価値なものだと知っていたらバカになんてできないと思うんだけど。メタな立場に立って自分の優等さを示して、そりゃあさぞかし気持ちいいんでしょうね。お願いだから、その精子を他人にぶっかけるのをやめていただけないでしょうか?

2012/01/25

『明治緋色綺譚』1~2巻 感想

DAIさんの紹介記事↓を読んで購入した『明治緋色綺譚』1~2巻の感想です。

遊郭から身請けされた少女と青年の年の差恋愛、『明治緋色綺譚』
http://dai.at.webry.info/201201/article_5.html

鈴(身請けされた少女)かわいいですね。設定では小学生とのことです。10さいくらいですかね?ちっさい。遊郭に売られた元華族の少女ということだったので、もうちょっと「弱い」キャラを想像してたんですが、そんなことは全く無かったです。親に捨てられた傷とか、遊郭で(禿として)いろいろ汚いものを見てしまったこととかは、影響は与えているんですが、それが核ではないです。

遊郭に売られた体験によって彼女が身につけさせられたのは、年齢に不相応な賢さと、自分は女であるという自覚です。賢すぎてドツボにハマったりするタイプだと最高だったんですが、鈴は鋭いし行動力もあるので基本的にそんなことはないのが少し残念。自分は女であるという自覚については、プライドの高さと相互作用してすごくかわいいものを生み出してます。津軽(身請けした青年)が子供あつかいすると「子供じゃないもん!」とか言っちゃいます。毎話言ってるんじゃないかというぐらい頻発するので実に楽しい。見た目は完全に子供なのに「やらしい目で見ないでよね!」とか言うのとかかわいすぎる…!

賢くて行動力があるヒロインってのは結構みかけますが、それがちっさいからだに詰まってるといった感じ。でっかくなるとふつうになってしまうので、彼女が成長するかどうかは結構重要だと思うんですが、残念ながらほぼ確実に成長すると予想されます。物語中で出会った少年が成長して帰ってくることを匂わす描写とか、あとがきでの作者の言葉とかでフラグが立ちまくってますので要注意。個人的には身長的にでっかくならなければOKなので、それを祈りながら読み続けることにします。

ちなみに津軽さんは時々不審な行動をとりますが、ロリコンではないようです。一話冒頭で、毎朝鈴に起こさせていることが明かされたときは「こいつ…!」と思いましたがたぶん違うはず。ロリコンどころか性欲すらなさそうな男ですね。年齢は20代とのこと。この兄ちゃんが頭も切れるし所々で異常にカッコいい台詞を吐くもんで、鈴に感情移入しながら読んでると惚れそうになって困ります。少女漫画読むと毎回これやっちゃうんですが、たまにしか読まないのですぐ忘れる…。いや津軽にうひょーってなりながら読んだほうがより楽しいのは確かなんですが、うーん…

作品全体について言うと、鈴も津軽も賢いおかげで読んでて不快な部分が全くないし、鈴は津軽に早い段階でベタ惚れして女の子女の子してくれるのでかわいい成分も安定供給されます。絵(特に外出時の鈴の服装と慌てふためいたときの口!)もかわいいです。ただ、基本的に鈴視点で描かれているため、鈴に感情移入して津軽に悶えられるかどうかで評価に結構差がでる気がします。

基本的に鈴視点で進むんですが、唯一の例外が2巻ラストに収録されているお話で、これの出来が素晴らしい(単に読み手の立ち位置の問題である)。これ読み切りだったらしいんですけど、ストーリーとしては津軽と鈴が出会って身請けするまでの話で、この話だけは津軽視点で進みます。あと、DAIさんの紹介記事では身請けした理由は謎だという感じで書かれてますが、実際にはこの話で理由が明示されます。

津軽っていうのは呉服屋の若旦那で、子供のときから恵まれていたひとです。そういった境遇で育った賢しい若者にありがちな話ですが、欲望というものが欠落している。そんな兄ちゃんが遊郭でのある事件をきっかけに初めて「だいじなもの」を手に入れた。その「だいじなもの」が鈴です。

津軽は彼女の可能性に価値を感じた。まだ子供であるということ、年齢に不相応な賢さ、そしてこれが一番大事なんですが、彼女自身が自分の未来の可能性を信じているということ。これらの要素が津軽に、鈴の可能性を潰してはならない、その未来を見てみたい、と思わせた。こうした可能性は生まれたときからレールにのせられていた津軽には決して持つことができなかったものです。

津軽はひょっとしたら鈴の賢さに自分を重ねているのかもしれません。ただ、それが所謂クソ親みたいなものに結びつくことは決してない。彼が価値を見出しているのは可能性そのものなので、可能性を減らすだけの強制は最も忌むべきものだから。「紫の上」とは全く異なります。水をやって眺めるだけですね。

こうした態度は、鈴が規定されたいと願ったときには対立するので、その辺で話を膨らませたりするのかしら、といった印象です。まあまだ全然わかんないですけど、津軽から鈴を呉服屋の嫁として規定しようとすることはありえないので、鈴が(プライドが邪魔しつつも)いろいろ頑張る方向で物語を引っ張る俺得展開になるんじゃないかと期待してます。あと身長は津軽の肩より低いところで何とか成長を止めていただければ…お願いします…

2012/01/17

双熾が妬ましい(漫画『妖狐×僕SS』 感想)

さて『妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス、以下いぬぼく)』のアニメ一話見てりりちよ様に一目惚れしてしまいまして即座に原作漫画全巻買ってきて読んだのでその感想です。


まず特にかわいかったシーンを抜粋。

・普段は「無駄に虚勢をはって悪態をついてしまう」のに、不意をつかれてキョトンとした素の表情になるりりちよ様かわいい。

・はだかYシャツ。なんでそんなにボタンをあける必要があるんだ。これデフォルトみたいです。素晴らしいですね。あのYシャツは何日に一回洗うんですかね。

・シャツの裾をギュッと握りながら双熾のほうをチラっと見上げるりりちよ様かわいい。この作者さんは芸が細かくていいですねー。

・女の子座りして太ももで両手を挟んじゃうりりちよ様かわいい。指がどこに入っているのか心配ですね。あと唐突ですいませんが、太もも合わせたときに股下にできる隙間でイライラ棒をやるときっと俺は発狂すると思います。

・スカートをたくし上げるりりちよ様かわいい。アニメではカメラさんがんばって下さいお願いします。たくし上げにもいろいろありますので注釈つけておきますと、ここのは「恥じらい有り」「伏し目」「赤面」です。ここあ先生本当にありがとうございました。

・眼鏡かけたりりちよ様かわいい。俺は眼鏡属性ないはずなんですが…

・12さいのりりちよ様かわいい。肩甲骨に噛み付きたい。

これは二巻の内容ですが、12さいのりりちよ様と、今のりりちよ様との対比がすごくいいです。まだ誰にも自分を肯定されたことのない、猫背で、人の目を見ることのできなかった女の子が、双熾に出会って真っ直ぐ立って、虚勢でなく強い目ができるようになった。ページ変わりでぶち抜きで描かれる真っ直ぐな立ち姿は見事。

それと非常に重要なことなんですが、ちょっと12さいから15才までの成長が激しすぎやしないですかね?心配です(何が

あと特筆すべきは三巻ラストのパンチラですね。実にエロい。ガーターの食い込みで表現された太ももの柔らかさ+絶妙な見え方。パンチラってのは本来動詞ですから静止画はすべてパンモロだ!なとど主張してましたが撤回いたします。あれは正しくパンチラです。めったにパンツが見えない漫画だからなおのこと嬉しい。

とにかくこんな感じで絵が丁寧なのがすごく良い。ストーリーについても四巻ラストで大きく動くので楽しめます。りりちよ様と双熾の心情描写が丁寧なのもいいですね。新刊でたら買うと思います。しかしアニメはどこまでやるんですかね。切りの良いところが無かった気がするんですが。


…とまあここまでがきれいな(?)サガさんの感想です。

以下はネタバレ有りでちょっと(変態的な意味でなく)見苦しい内容になります。すいません。










三巻でりりちよ様が双熾に告白するシーンはヤバいです。脳が焼けました。自分の思いを真っ直ぐ誰かにぶつけたことなんてなかったから、告白するのは怖い。怖いけど何とか気持ちを押し出す姿がかわいすぎる。相手の反応を見るのが怖いから目を閉じて、胸の前で手を握りしめて勇気を振り絞って。それでも声はほとんど出ない。これ受けて双熾がりりちよ様をまさに「折れるほど」抱きしめましたけど、そりゃあんなもんくらったら当然ですよね…



ただ、結ばれるまでは良かったんですが、二人が結ばれた後から見るのがだんだんつらくなってきました。身勝手な話ですが、結ばれて欲しくなかった、と思ってしまった。いや、りりちよ様が双熾に惹かれるのは当然だと思いますし、二人の思いの強さも丁寧に描写されていたので、物語としては結ばれたことにもその後の二人にも文句はまったくないです。だからこれは単なる俺のわがままなんですが、なんで俺が双熾じゃなかったんだろって思っちゃったんですよね。俺もりりちよ様に告白されたかったし、りりちよ様を抱きしめたい、と思ってしまった。

まあでもそんなことは当然ながら叶わないわけで、ふつうの物語では当たり前すぎて意識すらしません。俺は物語の外にいる傍観者ですから、二人の物語を眺めてニヤニヤしてればいいわけで、実際たいていの物語ではそうしてます。で、必要に応じて双熾に感情移入したり、りりちよ様に感情移入したりする。ところがなぜかこの物語ではそれが上手くできなかった。

この理由について一応自分なりの仮説を書いてみますが、ただの言い訳かもしれません。

物語開始から暫くの間は、双熾は確かにりりちよ様を欲望してますが、それでも見返りを求めてはいない。それは信仰と呼ぶべきものです。これは読者あるいは視聴者としての俺が立っている場所と極めて近い。ここで俺は勘違いしてしまったんだと思います。双熾と俺は同じ場所にいる、と。双熾と俺との間には明確なステージの差があるはずなのに、それを忘れてしまった。

だから双熾がりりちよ様と結ばれたときに、俺は「置いて行かれた」と思ってしまった。同じ場所にいた双熾が、俺には決して辿りつけないところに行ってしまったと思って嫉妬してしまった。嫉妬というよりは妬みが正しいかな。勘違いも甚だしいんですけどね。はなっから同じ場所になんて居やしなかったんだから。

妬みっていう感情は自分と近い人間に対して抱きやすいものです。ビル・ゲイツを妬むにはそうとう自己肥大する必要がありますが、かつての同級生を妬むのはそれに比べてずいぶん簡単です。自分と同じところにいた人間が、自分の欲しいものを手に入れたときにひとは妬む。まさにこの構造がこの物語を読んでる時の俺にあてはまっちゃったんだと思います。

いや完全に俺がアホだったっつー話ですが、正直なところでこんな感じで読んでてけっこうモヤモヤしました。アニメ見る時は同じ轍を踏まないようにしようと思うんですが、ダメかも知れません。ああ双熾が妬ましい…

あ、俺みたいにアホなことしなければ凄く楽しめると思います。

最後にひとこと

・四巻のキスシーンで唇ぎゅっと閉じるりりちよ様かわいい

2012/01/12

ほなみんがエロいのが悪い!(ゆのはな穂波√感想)

ひどいタイトルですいません…怒られそうだなこれ

ホワルバ2で荒んだ心を癒そうと思ってゆのはな再プレイしたんですが、拓也の性格の良さとか街の雰囲気とかに癒されて心穏やかでいられたのは最初のうちだけで、ついつい白詰茶房に通いつめてしまい穂波√に入ってからは動悸息切れ高血圧の三大症状が出続けてかなり疲れるという本末転倒っぷりです。

このエントリはほなみんの素晴らしさを後世に残すために書かれたものですが、いちおう先に真面目な感想も描いておくと、シナリオはフツーにいいですし、あと特筆すべきはいちゃいちゃしてるシーンと真面目なシーンでテキストの良い意味での落差ですね。ほなみんに狂ってるときにはあれ程ひどいことになっておきながら、川辺でのキスシーンだとかラストのゆのはが還るあたりとかは凄く引き締まってます。どっちも引き立てられててすごいなーと。

あと拓也やっぱりカッコいいですよね。直前にホワルバ2の春希見てたせいで補正かかってる可能性は否定しませんが、こういうバカだけど何が正しいかはちゃんと知っているキャラってのは大好きです。他にも好きな主人公は何人かいますが、こういうふうになりたいっていうキャラは拓也くらいじゃないかなぁ。寝覚めが良いのも羨ましい(おい


ようやく本題に入れる。言いたいことをひとことで言うと

ほなみんがエロいのが悪い

いやー実に怒られそうな痴漢の発言ですが、ほなみん(と拓也、および二人の関係)がこの発言を安心して言えるように完璧に構成されているからこそ完全に拓也にシンクロしてぎゃーぎゃー気持よく叫べるんだと思うんですよ。

俺の場合で言うと、まあ和姦なのは当然として、和姦であっても、ヒロインが性的なことにあまり興味を持っていなかったり、あるいは自分の性的魅力に自覚的でないとダメなんですよね。ロリ体型はOKというかむしろ大好物なんですが、「精神的にこども」はダメです。もちろん原理的なこというと二次元じゃんとかいって自分を騙すことが可能なんですが、それだと当然冷めてしまう。

ほなみんの場合、両方完璧に備えてくれてまして、それが見事にでているのがなぜかシーン回想のない風呂場のシーンです。拓也が風呂入っているところに水着姿のほなみんが入ってきて一緒に風呂に入るやつ。これなんで回想ないんだよ。ひどいバグですよまじで…

このシーンでのほなみんの誘いっぷりがヤバい。まず背中流しますとか言って入ってきて思わせぶりな発言を連発し、いっしょに湯船に浸かってからはわざと乳首をチラチラみせてるくせに何も知らないふりして「どうしました?」とか言いやがってこのやろうばかやろう。しかもこんときのCGがまたこっち(拓也)のほうに目が向いててこっち(拓也)がうろたえる様子を楽しみながらやってやがってくそったれぇぇ…。そんなんされたらそりゃ下半身、完・全・独・立・宣言!!!しますよ。しかも「拓也くんはえっちなのです」とか嬉しそうな顔して言いやがって犯すぞこら。で、とどめの一撃

「さっきから胸見てるくせに?」

拓也の理性がぷっつん。俺の理性も当然ぷっつん。もうダメだ…
そんでほなみんが手コキし始めてこのときもこっちが感じてるのを嬉しそうに眺めてさあ。そんでもっておかずとして「…ちら?」っと乳首を見せてくるわけですよ。自分がおかずにされることを喜んでるほなみんがエロすぎてもうほなみんの手のひらの上で転がされ続けていれば俺もうそれだけでいいや状態になります。

こんな感じでもうほなみんエロすぎてわけわかんない早くイカせてくださいお願いしますってなってるところに、わかばが入ってきて寸止めっていうね。これでもう完璧にほなみん見た瞬間にちんこ勃つように調教されちゃいました…ぜんぶほなみんがエロいのが悪いんや…

そのあともずーっとこんな感じですしもういちいち興奮のメーター振り切れまくりですっげー疲れました。60歳くらいになってから冬にプレイするとぽっくり逝く予感がします。ひさしぶりのプレイだったんで忘れてましたがほなみんの破壊力はハンパないっすねやっぱり。うかつに手を出すと危険ですのでみなさんお気をつけ下さいませ。

あ、Hシーンは素晴らしいんですが最後のHシーンは長すぎかと。あれでシナリオ全て吹っ飛んだ

(追記)
声優さんも素晴らしいですよね。「~なのです」の「す」の発音がたまりません。ひょっとしてみう先輩を好きになったのもほなみんによる刷り込みがあったからではないかという疑惑が

2012/01/08

最高のエンディング ― 『WHITE ALBUM 2』雪菜√感想 ―

『WHITE ALBUM 2』雪菜√のほうの感想です。『coda』で春希がかずさのコンサートに行かず、雪菜のいる大阪にいった場面から。それ以前はこちらに書いてあります。


雪菜√では、春希は大阪に言って雪菜に会った際に正直にかずさとのことを打ち明けます。それ以前の選択肢でも雪菜に正直にかずさとのことを話している必要があるので、プレイヤーが体験していない『closing chapter』から『coda』までの春希と雪菜の二年間が十分に重みを持っているかどうかで結末が決まるということです。

春希の話を聞いた雪菜は春希にビンタをかまして(可愛い顔してけっこうビンタする雪菜さん)

…かずさのところへ、行って

と言います。なぜなら、春希がかずさから逃げたままでは駄目だと知ってしまったからです。かずさと向き合って結論を出さないと、春希と雪奈が結ばれることは決してないからです。雪菜はこう言います。

もう会わないからとかそういう問題じゃない。逃げても、距離を置いても、時間は何も解決してくれない

雪菜はすごく頭が良い娘ですからそれがわかっている。それでも春希に対してかずさと本気で向き合ってくれと言うのはとっても怖いはずです。このときの雪菜の心はぐっちゃぐちゃです。

かずさのコンサートに行かず自分にすがってきてくれたのは嬉しい。でもかずさを裏切るのは許せない。
かずさに心が動いたのは許せない。でも正直に話してくれたのは嬉しい。
春希がかずさと向き合って結論を出さなければ未来はない。でもかずさのほうに行ってしまう可能性が怖い。

それでも雪菜は正しい道を選びます。『closing chapter』で自らの弱さを乗り越えることで強くなったから。そしてその後二人の二年間があったから。春希が正直に話してくれたから。どれが欠けていても、ここで「かずさのところへ、行って」とは言えないと思います。

春希は東京に戻りますが、かずさのコンサートには間に合いません。春希がコンサートに現れなかったせいでかずさは荒れて行方不明になります。雪菜√ではかずさを見つけても春希は流されないでいられます。大阪で雪菜の言葉を聞いているから(ここはもう選択肢固定)。

前のエントリでも書きましたが大阪での雪菜の言葉がなければ、春希は流されてしまうと思います。そういうやつだからこんな状況になってるわけで。

じっさいこっから先の流れを見ると、雪菜がいないとダメなんですよね。かずさの世界観を変えてかずさを救ったのは雪菜じゃないですか。春希なんかしたっけ…?

雪菜さん無双状態ですが、雪菜は決して超人でもなんでもないんですよね。必死になって戦ったんだ、頑張ったんだ、というのが最後に明かされる。雪菜の弱くて醜い内面が、送れなかったいくつものメールとして、一気に開示される。

雪菜は強くて弱く、美しくて醜い。そんなのはきっと誰にもある両面なんだけど、その両面を自己肯定することはとても難しい。雪菜も、自分では肯定できません。さらに言えば、春希以外の誰が雪菜を全肯定しても、それを雪菜は信じることなんてできない。なぜなら、雪菜の弱さも醜さも、春希のせいだから。そして雪菜の強さも美しさも春希のおかげだから。

雪菜はずっと頑張ってきた。自分で乗り越えて、強くならざるを得なかった。それは結局「つまんない男」を好きになったからで、そのたった一人に愛されたかったからです。だからこそ、春希がそんなぐっちゃぐちゃの雪菜の全てを肯定すると告げたあとの、雪菜の最初で最後の「たった五分だけの甘え」はちょっと信じられないくらいの破壊力がある。

わたしが一番頑張ったんだよ! 
とっても辛い思いをしたんだよ! 
だからいいよね? 幸せになってもいいよね? 

そんなもん、

いいに決まってんだろ!!!

…すいません、興奮しました。そしてEDでは、春希と雪菜の結婚式のシーン。かずさがピアノを、春希がギターを弾いて、雪菜が歌う。春希の母親を含む家族と、友人達に祝福されながら。

そう、今度こそ本当の「最高のエンディング」