2012/04/08

梓は飲み物です (『DRACU-RIOT!(ドラクリオット!)』 梓ルート 感想)

ドラクリ梓ルートの感想です。エロバレネタバレあるのでご注意ください。

いやーエロかった。エロに関しては全ヒロインの中で群を抜いてますね。ストーリーは莉音が良かったですが、俺はどうもあの手の性的知識がないキャラは苦手なので…

体験版プレイした段階では、主人公が吸血鬼で梓がヒロイン中で唯一の人間キャラということで、主人公の梓に対する吸血衝動みたいのが話の一つの要素になるかなーと思ってましたが、それをここまで徹底してエロと結びつけてくるとは!

簡単に設定をおさらいしておくと、主人公は元人間の吸血鬼です。観光地として栄えている吸血鬼特区の島に遊びに来たときに事件に巻き込まれ、その際に吸血鬼の血を吸ってしまい吸血鬼になってしまいます。吸血鬼たちは吸血鬼の市長が治める特区内ではそこそこ快適に生活できますが、島からは出られません。また、風紀班などの仕事に携わる義務が生じます。主人公は風紀班に入り、吸血鬼の美羽、人間の梓などと一緒に働きながら吸血鬼も通える夜間に開かれる学園生活を送ることになります。また、主人公やヒロインたちはこの学院の寮で一緒に暮らすことになります。うん、実にハーレムである。

梓(美羽もですが)と主人公は、寮も学園も仕事も一緒なので関わる時間がもともと多いんですが、個別に入ったchapter 5からは、梓と仕事上のパートナーになります。さて、一緒に真面目に働くぞ!と思ったら…

女の子とふたりっきりでえっちなビデオ鑑賞会
(おんにゃのこ と ふたりっきり で えっちな びでお かんしょーかい!!!)

が始まります。いや仕方ないですよね!押収品のチェックは大事だし、梓とはパートナーですし、なんってたってお仕事ですし!

このスケベやろう何を言い訳してんだ!と思ったそこのあなた、誤解です。なぜなら!上記のコメントは「梓」の部分を「主人公」に置き換えるとまるっきり梓の台詞だからです!俺はエロくない!

すでに素晴らしくて感射(誤変換)するしかないですが、chapter 5はまだまだジャブに過ぎないのであった…


Chapter 6 「はじめてのおなにい」

サブタイは俺が勝手につけました。
そう、このchapterは、オナニーをしたことのない女の子が、はじめてオナニーをするまでを描いたドキュメンタリーである…

Chapter 5から引き続き、一緒に仕事や訓練をしたり、主人公が自分と似た境遇であることを知ったりしてどんどんお互いに惹かれていきます。そんななか、エリナからのアドバイス(「一人エッチをしないなんて人生損してる!」的なやつ)を受けて、梓のエロ好奇心が刺激されます。エリナは本当にいい子ですね♪

そしてついに梓はひとりで押収品のえっちなDVDを見るようになります。ひとりでえっちなDVDを見て悶々とする梓…さらに悶々とした状態で洗面所で顔でも洗おうとしたら主人公が風呂に入っていて主人公の裸を目撃してしまうという逆・ラッキー☆スケベ!もう梓さんの興奮は最高潮に達します。部屋に戻ってDVDを再び見ているうちに梓の手はいけないところにのびていきます。

「あ、でもだめだよ。これ、たぶんダメなやつだよ……はぁっ」

…オナニーを描いた作品は数あれど、はじめてのオナニーに至る道をここまで丁寧に描いた作品があっただろうか(知ってる方いらっしゃったら教えて下さい…まじで…おねがいします…)

こんなことされたら梓だけではなく俺も感射のオナニーを開始してしまうわけですが、chapter 6はまだボディに過ぎないのであった…(遠い目)。なお、このchapterで主人公が梓に「好きだ」と伝えます。


Chapter 7 「梓は飲み物」

サブタイは俺が(ry
まあ主人公が吸血鬼で梓は人間なのだから飲み物に決まってるんですが、女の子から出る液体が血液だけということがあるだろうか?(反語)

まず、chapter 7の冒頭で梓が主人公の思いに答え、二人が結ばれます。病院でのファーストキスのCGはすごく好きです。怪我で動けない主人公に、梓からキスをする。「欲望されたい」という欲望を完璧に満たしてくれる。そしてこのとき初めて、梓の中の液体(唾液)を主人公が自ら欲して飲みます。自分が梓を欲望しているのと同様に、梓が自分を欲望している、という事実があったから。

こっから先は怒涛のエロさです。回想にして2つのシーンが短い間隔で続くので、実質1時間近くHシーン。なげえよ!特に凄かったのは、回想で言うと2つ目、クンニと初体験のシーンです。物語の設定を活かしてとんでもないことになってます。

設定というのは何か。主人公は吸血鬼なので、吸血衝動があります。これは吸血鬼の本能です。例えば梓の首筋を見て吸い付きたくなったり、吸血する夢を見て夢精したりしてしまう。でも、主人公は元人間で吸血行為には忌避感があります。個別に入ってからはずっと、仕事ではないただの食事(欲を満たすための行為)として吸うことに対して抵抗を感じている様子が描かれます。

吸いたいけど吸わないという態度。それによってかえって増大する欲望。梓の匂いを嗅いだだけで、首筋に噛み付いて吸い上げたくなる。けどやらない。やってしまえば捕食対象になってしまうから。

こうした前提があって、クンニのシーンです。おま◯この匂いを嗅いでから、味見。そして、(梓が)「す ご く 美 味 そ う だ !!」に至る。噛み付きたい。食べてしまいたい。でもそれは梓が好きだから、できない。このもどかしさが、エロい。吸血衝動は食欲みたいなもんですが、吸血行為は性的快感を伴うため、性欲とも混じり合う。

「食欲なんだか、性欲なんだか、吸血本能なんだかわからない。とにかく梓が欲しい」

そして梓の股間から漏れたものを飲む。吸う。それは確かに欲望を満たすのだけれど、本当に欲しているものとは違う。だから飽くことなく求め続けてしまう。

その後に続くセックスシーンの描写も凄い。前戯で欲望が混ざり合ったわけですが、セックスシーンでは五感が混ざり合う。梓の絵、声ってのはエロゲなんで当然のものですが、それ加えてにこれまで執拗に描写してきた梓の匂い、吸血衝動と混ざり合った味覚があります。そしてこのとき初めて結合した性器からの触覚が最後に混ざる。これらはHシーンのテキスト中に散りばめられていて、主人公と同期して読むと五感全てで梓を感覚している状態になります。だからあんなにエロい。以下の連続したテキストなんかを読むとライターさんが意図的に書いてることがよくわかります。

懸命に舌を突き出した梓の顔。
むっと立ち込める梓の匂い。
麻薬みたいなきゅぽんって音。
トロッとした唾液の味。
ペニスから脳幹に直通する粘膜の刺激ーー。

ふぅ…


さて、ストーリーに関して真面目な話を最後に少しだけ。Chapter 8からはストーリーメインで、人間と吸血鬼の争いが描かれます。展開としては、梓たちに吸血鬼と人間が共生する特区という楽園を残すために、ある吸血鬼が人間に敵対する吸血鬼たちを率いて特区から出て行って終わります。

これはやっぱり問題の先延ばしでしかないと思う。先延ばしが悪いわけではないです。この場合だと、特区に残った人間と吸血鬼たちがつくる未来が楽園であると信じらればいいのですが、俺にはできなかった。いったん掃除してキレイになっても、同じように暮らしていてはまた汚れるかもしれない。今回いなくなったのは不満を持つ吸血鬼だけで蔑視する人間がいなくなったわけではないし、システムが変わったわけでもない。時間が解決することってのも多いんですが、その可能性の描写が薄かったかなと思います。

まあそれ以外は大満足です。あとは実妹だったら…