2012/01/29

ゲーセンの話

もう忘れ去られたころなので、この話

ゲーセンで出会った不思議な子の話

について、というかこの話に対する反応を見て思ったことを書いておきます。

この話に対する反応を列挙してみると、

・初期・拡散段階での、「泣ける」「感動する」「実話」という反応
・やたら評判なので読みに行ったけど、別に面白くない

・まーた女の子を殺してオナニーか
・こんな出来の悪い作品で泣けるとかw
・ケータイ小説はダメでこれはOKなの?

・創作を実話って言うのは卑怯
・こんなレベルの低い作り話に騙される読者がアホ
・創作だろうが面白ければいい
・「やらせ」に怒ってたくせにこれを認めるとか矛盾してる

といったところでしょうか。

俺は話題になってから(カウンターが出始めてから)読んだんですが、物語そのものについては特に言うことはないです。いちおう全部読みました。実話か創作かについても別にどうでもいいです。「やらせ」問題と関連付けている反応も多かったんですが、「やらせ」に怒るのとこれを認めるのとは矛盾しないですよね?少なくとも俺は、「面白ければいい」文脈で「やらせ」を行うのにはそもそも怒っていないですし。創作を実話と言うのは情けないというのはわかる気がしますが、俺は創作者ではないのでそれによってこの物語の作者を責める気は全く起きませんでした。

ここまでは個人的にはどうでもいい話です。どうでも良くないのは、読者批判の部分。お定まりのレイプファンタジー云々と、感動したと言っているひとをバカにする態度。物語構造だけを抜き出しての批判もそうですね。

「人が死ぬ物語は嫌い」ってのはいいんですよ。それは個人の嗜好ですから。SFは読まないとか、犯罪小説は読まないとかと同じで。ただ、「人が死ぬ物語はクソ」といった時、それは批評になってしまう。だいたいさあ「人が死ぬ物語」ってどれだよ。構造に落としこむことで、どの一つの作品も指していない。感想述べるのは好きにすりゃいいけど、批判するなら真面目に読め。

そんで「人が死ぬ物語に感動する人間」をバカにする行為。それはやっちゃダメでしょ。それがいかに低レベルな話であろうとも。俺はそれが「一般的な」価値観においてどれだけ愚かな行為であろうと、それをバカにするのは嫌いです。AKBに貢ごうが、タバコを吸おうが、パチンコに金を突っ込もうが、課金ゲーに金を突っ込もうが、宗教にハマろうが、レイプファンタジーでオナニーしようが。俺がそれを批判するのは、他者(子供とか)に迷惑をかけたり、傷つけたりする状況に及んだときのみです。

だいたいさ、自分の価値観が他者のそれと同等に無価値なものだと知っていたらバカになんてできないと思うんだけど。メタな立場に立って自分の優等さを示して、そりゃあさぞかし気持ちいいんでしょうね。お願いだから、その精子を他人にぶっかけるのをやめていただけないでしょうか?