2012/06/26

『咲 -Saki- 阿知賀編』 11話までの感想


アニメ 『咲 -Saki- 阿知賀編』 11話「決意」まで見たのでその感想でも。つーか、怜(とき)についてです。なんかもうごちゃごちゃしてて、人様に見せるもんじゃないとは思うんですが、書かずにはいられなかったというか。すいません。

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俺は怜が好きです。原作は単行本でしか読んでない(ちょうど今日2巻読みました)ので、アニメで見ただけの感想になるんですが、相当なレベルではまってます。なんつーか、「俺が怜のことを一番良くわかってんだ!!!」的なハマリかたというか。怜のことを悪くいうヤツがいたらかたっぱしからマシンガンを撃ちまくるような。怜から点棒奪ってコークスクリューマナ悪ツモするやつをぶん殴って泣かしてしまいたくなるような。

怜は、元々は千里山女子の三軍だったんだけど、(事情はよくわかんないけど)入院して生死の境を彷徨って、戻ってきたらなんか知らんけど「一巡先を視る」能力を得たそうです。麻雀で一巡先を見れるってのは相当なもんです。単純に自分がツモる牌もわかるから牌効率が良くなる。相手が何でアガるかがわかるから振り込まない。ズラすこともできる。リーチ一発ツモで三役確定できる。すげえ能力ですよね。三軍のプレイヤーが、一気にエースにまで上りつめるほどに。

その力をどう使うのか。つまり、彼女にとっての力の意味は何か。

怜が三軍だったころから、友達である竜華やセーラはすでに二年生ながらレギュラーに選ばれて、全国大会で戦っていた。三軍とレギュラーという違いに関係なく、一緒に麻雀を打って、一緒に過ごしてくれた竜華たちは怜にとって大切な友達だけど、怜はずっと、自分は竜華たちと一緒に全国の舞台で戦うことはないと思ってました。自分とは実力が違うから。同じものを同じ場所で見ることはできないと、諦めて、一緒に打っていて楽しいんだけど、作り笑いを浮かべてしまうことがあった。

でも、力を得た。唐突に、圧倒的な力を。能力を持たないものから見れば、反則のような力を。竜華がいってくれた「うちと一緒に全国いかへんか?」に応えられる力を。エースに選ばれたことを竜華とセーラから伝えられたとき、嬉しいけど、少し申し訳なく思ったのは当然で、だからこのときに、自分の「ずるい」能力について、彼女たちに告白するわけです。何の努力もなく手にしてしまった力に罪悪感を抱きながら。でも、その「ずるい」能力を、竜華とセーラは「すごい」と言ってくれた。シンプルに、「怜がいれば勝てるかもしれない」と期待してくれた。期待されてしまった。

しかも、この竜華たちの肯定は、怜の能力を利用しようとかそういう話じゃ全くない。彼女たちは怜が能力なんて持たないただの三軍のプレイヤーだったときから、自分の練習の効率を下げてでもいっしょに打ってくれていたわけだから。怜が自分の能力をさらに強化しようと練習中に二巡先を見てぶっ倒れたときには、「もう二度とやるな」と言ってくれたのだから。

自分の能力ではなく、自分を心配してくれた。自分が能力に目覚めていなくても、一緒に全国に行きたいと言ってくれた。だから、自分に唐突に与えられた能力で、みんなの役に立ちたいと思った。だから、誰にも言わず、二順先を視る練習を繰り返した。だから、連荘を繰り返して点棒を積み上げる照を止めるための、自分を投げ捨てるような、
「ダブル。二つ先へ」
こっからが11話「決意」ですね。二巡先+すばらの協力を二回繰り返してようやく照の連荘を止めることができた。上手くいったけど、怜はもうふらふらで。牌をツモってくるのもつらいし、一巡先も見えなくなった。そんな中、照がふたたび連荘を繰り返しはじめる。怜はもう心が折れ掛けていて、しかも一巡先も読めない。ついには照に振りこんでしまう。ここで観客が歓声あげてアナウンサーはテンションあげて実況してたけど、お前らみんな死ね。くそが。

もうやめてくれって願いながら、怜を見ている。もう頑張らなくていいよって。でも、怜には、みんなが自分のために頑張ってくれた記憶がある。入院してから、体力も落ちて「病弱キャラ」になった自分のために「怜シフト」なんて組んで自分のために頑張ってくれた。「うちらがやりたいことなんで」と言ってくれた。同じ時間を過ごして、一緒に麻雀を打って、一緒に合宿して。気恥ずかしくて、素直には伝えられなくて、竜華の前では茶化してしまったりするけど、「少しは勘違いに浸らせて」ほしいのは、怜もそうなんだよね。もう、セーラが二年生のときに白糸台に負けた悔しさも、悲しさも、怜の悔しさと悲しさになってしまっている。みんなの思いは、もうとっくに自分の思いになっている。

だから、やっぱり、照を止めるために
「みんなごめん、もう一回だけ無茶するわ」
「トリプル。三巡先や」
へ進んでしまう。この怜を見て、「あかん、あかんやめて、怜」と竜華が言ったけど、全く同じ気持ちですよ。

やめろよ。なんでそこまですんだよ。俺には全く、これっぽっちも意味わかんねえよ。