2016/08/01

リゼロ 18話 「ゼロから」 感想

『Re:ゼロから始める異世界生活』18話「ゼロから」見たので、思ってることまとめときます。

「ゼロから」のシーンは、原作(Web版)でも構造フェチ的にたまらない絵だったんですけど、アニメ版も素晴らしい出来でした。スバルとレムの声優さんの演技も鬼がかってた。「レムは知っています」のあたりの透明さとか。

まず前提として、俺はスバルは非常に嫌いです。実は初回読んだときは嫌いじゃなかったんですけど、3章読み終わって読み返したりアニメで見返したりすると異様にペラく見えて嫌悪感を覚えます。スバルは主人公として配置されているわけですが、俺には異世界召喚モノを読んだりしたことのある少年が「『死に戻り』という能力を持って異世界召喚された主人公」をロールプレイしているようにしか見えない。例えばスバルがエミリアを守ろうとするのとか、主人公っぽく「君の名前を教えてほしい」とか言うのとかが、どこかで見たものをなぞっているようにしか見えない。

さて、このように見ている人間から見たアニメ18話「ゼロから」。一言で言えば、スバルが異世界召喚ではなく、異世界転生されて主人公になるシーンだと理解しています。なぜ転生なのかというと、レムがかける言葉がスバルへの一方的な期待だからですね。「レムは知っています」という言葉の群れは、「あなたは出来る子だから」と言い換え可能で、出来ねえよって反抗したくなる言葉。これは恐らく生まれてくるときの期待あるいは呪いと同種のものです。ただし、これらの言葉をレムに発させた元凶がスバルがレムを助けた行動にあるという点が、単純な再誕=レムの母親化を回避しているのが面白いんですが。

もう1点、これは「異世界」転生であるということ。異世界転生というときに何が必要かというと、転生するときに「異世界ファンタジー」に出会わなければならないわけです。でも18話の段階ではスバルはとっくに異世界に馴染んでしまっているわけで、この条件は通常は満たせない。じゃあ俺は何をこのシーンでの「異世界ファンタジー」だと思ってるかというと、まあ明らかな気もしますが、レムです。

俺けっこう普段からレムレム言ってますけど、よく考えてみると、「ゼロから」で初めてレムが気になったくらいで、それまでは殆ど興味がなかったんですよね。それが一気に反転したのは、「レムは知っています」でレムが全く人間らしく見えなかったからじゃないかと思ってます(鬼だから仕方ないね(違

ところで俺は人間らしいのでこのキャラはいいとか言う評価基準がすごい嫌いなんですが、この話をしだすと攻撃的になりそうになる記憶がいろいろと浮かんでくるのでやめましょう。

話戻して、アニメで言うと、スバルが自分のことをよーやく自白しているときのレムの目。すごく透明に見える。ただ見ているだけっつーか。観測してるキャラはかなり好きなんですよね… あと「俺は俺が大嫌いだよ」の後の「レムは知っています」。こいつ何言ってんだとしか思えない言葉の群れ。だって、スバルは自分がその言葉に値しないと思っているし、もっと言ってしまえば、レムはスバルが助けに来てくれたからスバルは英雄でスバルが好きだというけども、それが理由になるほどのこととも思えない。だからレムの言葉を何いってんだこいつ意味わかんねーよと思ってしまうんだけど、声は透明で綺麗な音がしているし、背景には冗談のように白い鳥が舞っている。

異世界の空の色を映した瞳を持つ少女が、スバルを見ている。好きだといってくれる。彼女が彼を好きだという理由はスバルにとってはまだ全く足りていなくて、都合がよいとも言える。この最大の「異世界ファンタジー」の中で、主人公に必要な「見てくれるひと」を得て、死んでも治らないダメな少年が「ゼロから」生まれかわる。だからこの物語のタグはきっと、『異世界転生』――

ところで物語で初めて出会った女の子がメインヒロインに違いないのでここでメインヒロインはエミリアからレムに変わったことは確定しておりうんぬん(たのむ