2014/12/30

今年やったエロゲ(新作)を数えてみたところ14本だったようです。9月10月買ってないのでこんなもんですかね。見返してみると、『はるかかなた』の雫ルートと、『蒼の彼方のフォーリズム』のみさきルートが記憶に残ってるかな。

『はるかかなた』自体はひどいバグゲー(強制終了とか音ズレとか)だったりメインだと思われるはるかルートが凄く嫌いなシナリオだったりするんですが、幼なじみの雫ルートはバグにも負けず既に3~4回やっております。このゲームは「私のために泣いてくれてありがとう」などという煽り文句に象徴されるように、所謂泣きゲのフォーマットのようなものを意識して作られています。まあ病気だとか家庭環境の酷さだとか生死とかそういうやつ。で、その辺に踊らされてしまったのがはるかルート、特にわざわざnormalとtrueに分けたあたりで、これは正直いって嫌いです。

一方、雫ルートでは、人が死のうが猫が死のうが全て雫の笑顔の価値を主人公およびプレイヤーに認識させるための道具でしかない、という暴挙をぶちかまします。起承転結の転にあたる部分で雫の立ち絵の(これまでと同じ)笑顔に対する認識が転換させられ、転から結に至るまでの物語と主人公の思考・行動は雫の笑顔を志向するだけの存在となる。そして全てはラストシーンの雫の笑顔の一枚絵に収束し、俺は当然のように脳がやられる、と。

『蒼の彼方のフォーリズム』は、フライングサーカスっていうスポーツの部活ものですけど、みさきルートは特に理解不能な才能を目の当たりにした人間の描写が見事。相手の才能を理解すらできない賢しいみさきのペラッペラな言葉だとか、その自分の薄さに感づいた状態で、自らに憧れる少女に接するときの態度だとか。みさきの中で澱んでいく苛立ちの描写もライターさんの怨念を感じるレベルで上手い。例えば、天才である明日香が飛ぶ様子を見る際に、"みさきはもたれかかっていたバスのボディに、コツンと後頭部を当てて、けだるそうに空を見上げる。" このテキストでみさきはわざわざ"コツンと"音を立てている。

こういったみさきの姿は、かつてフライングサーカスで挫折して今は選手でなくコーチをやっている主人公の相似形でもあります。主人公はみさきがフライングサーカスから目を逸そうとする様を見て、極めて身勝手に、みさきに自分を投影し始める。そして、フライングサーカスへの未練を残す二人が、グラウンドの喧騒から取り残された夕日の差し込む教室で対峙するシーン。主人公は自分の情けなさを語り、さらに身勝手にもみさきに「飛んでくれ」と言う。みっともないにも程があるんですが、だからこそ、それを聞いたみさきが初めてペラッペラな言葉ではぐらかすのをやめてぐちゃぐちゃの自分をさらけ出し、主人公と契約してフライングサーカスの練習を再開するわけです。このどん詰まりの二人の狭さは、クライマックスとなる試合での狭い戦術にも繋がっているので、試合もけっこう面白く読めた記憶があります。

まあ時間できたらどちらももう一回やりたいところではあります。はるかかなたのパッチはver.3(これはひどい)とか出たらしいですし。

2014/12/21

尾崎かおり『神様がうそをつく。』

祈るような物語というものがある。読んでいるときに、読み終わった後に、登場人物の幸福を祈らずにはいられなくなるような物語。あるいは、本そのものが、祈りを外に放つような物語。

尾崎かおり『神様がうそをつく。』は、11歳の普通の少年(夏留)と、どこか大人びてみえるクラスメイトの少女(理生)のひと夏のお話。物語は、放課後の教室に差し込む夏の日差しと風の中に立つ理生に、夏留が見惚れる場面から始まる。

ここで試し読みできるようです。

あとこのMADも良いですね。
【MAD】 風に吹かれて 【神様がうそをつく。】

以下はネタバレを含むポエム。







***

基本的に、夏留が飼えない猫を拾ったり、所属しているサッカーチームの新しいコーチと合わなかったりというような、11歳の少年としてありふれた悩みをきっかけとして夏留と理生との仲が進展していく。猫を理生が代わりに飼ったり、サッカーチームの合宿に行きたくない夏留を理生が自分の家に泊めたり。

この中で、夏留は理生の秘密を知っていく。それは社会一般から見て「重い」ものもあれば、理生の作るハンバーグの味や、理生の肩の温かさのような、11歳の少年にとって重大なものもある。自分とは別の生き物である「自分」を持つ他者を初めて知っていくような交流。そして祭りのあと、夏の雨の中で、子供だけが持つ世界の広さと自由の中で、夏留は理生を好きになった。とても当たり前なことのように。

子供だけが持つ世界の広さと自由は、子供であるが故の世界の狭さと世界に対する無力さの表裏だ。この物語には、夏留たちに優しい大人も、他人でしかない大人も、ろくでもない大人も等しく登場する。世界は等質ではないが、総体としてフラットなものとして描かれる。だからこそ、子供にはどうしようもないことも起こる。

そうした世界からの、夏留と理生の逃避行は、「どこにも行けない冒険」なのだろうか。それとも「さいはてまでだって」行ける冒険なのだろうか。家出の範疇でしかない逃避行の果てで、彼らは「さいはて」の夢を語りながら、「どこにも行けない」押入れの中でキスをする。

神様がうそをつく。幸福という嘘を。それに騙されて生きていく。これは希望の物語である。
ぼけーっとアニマスMAD片っ端から見てたら時間溶けてた。さすがに良いの多いですねえ。アイマスはアニメを不真面目に見たくらいで、春香の異様さと美希のカッコよさとあとは真くんにおちんちん生えてたらなぁくらいしか覚えてないんだけども。あとえらく765プロというものを志向した物語だなーと。その内真面目に観よう。

そもそもなんでアニマスMADをマイリス上位から3桁くらいまで片っ端から見たりしたのかというと、新着順で見つけたこの↓動画がえらく良かったから。

【MAD】ゴーイングmy上へ【アイドルマスター】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm25033868

作者がアイドルを見るまなざしが非常にはっきりとわかる。ステージ上に結晶する人間の「物語」ごとアイドルとして美しいと宣言するような。「物語」のクライマックスとして配置されたライブ。幕が開く瞬間のテンション。ステージでの動きとその中の瞬間の切り取り方。ステージはファンの姿を入れて俯瞰される。

これ見てて気づいたんだけど、俺はどうやらアイドルというよりアイドルを見るひとのまなざしに興味があるらしい。そういやドルオタの人のブログとか好きなんだよね。というか、人が人を美しいと思うその感情に興味がある。その人が何を美しいと感じたのか。例えば、いま紅の新刊読む前に1巻から読み返してたりするんだけど、真九郎が紫を見るまなざしとかも非常に好きですな。まあ自分で憧れることはたぶん一度もないままだろうから、色眼鏡を探してるのかもしらん。

せっかくなので片っ端から見たうちで気に入ったのをいくつか。判断基準は作者の目線。

【MAD】 Electro World 【THE IDOLM@STER】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17859076
これは前から知ってたんだけど、やはり一枚絵が最強である(エロゲ脳)。多用される風景も存在感高めててたまらん。

[春香MAD] EXIT
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20989341
世界に少女がいて、歩いているようです。職業はアイドルだと聞きました。

コマチトリップ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18615179
完璧。

2014/12/17

『夏めろ』 雑感

夏めろをようやくプレイし終えたので雑感。

とにかくプレイしててきつかった。原因ははっきりしてて、やたらと描写が上手い主人公の思考回路がすんげー嫌。初めて付き合った年上の彼女と別れてしばらく経った非童貞の高校三年生男子の、高校生活最後の夏における思考回路として生々しすぎる。特に、自分に好意を持っているだろうと思われる女(妹は含まれない)を前にした時。

例えば、美夏の胸揉んでるうちに興奮してきてセックスしてしまうとことか。「先っちょだけだから」とか言って迫ってたけどそんな台詞エロゲで聞きたくねえよ……。そういうのはですね、現実で女を知った気になった高校生のガキがやってください。俺はヘッドホンつけて登場人物が全員18歳以上のエロゲをしたいのであって、ちんこから我慢汁出っぱなしみたいな高校生のエロガキの生態観察をしたいわけではないのである。あとエロシーンで言うと橘花ルートの初Hシーンも主人公が気持ち悪すぎて耐えられんかった。レイプじゃねえのあれ。エロシーン以外だと別れた先輩と電話するシーンも、あーこういう奴がお別れのセックス(はぁと)するのかなーと思いながら読んでた。

要するに、現実において俺が嫌悪するタイプの人間を主人公として、一人称で物語られていたわけです。ヘッドホンして関わらないでいれば見なくていいはずのものを、彼らの内面を含めてやたらと達者なテキストで読むことになったと。もちろん、俺は彼らではないので、彼らが外部に語ったものから類推した「彼ら」しかわかんないですけど、プレイしててとにかくきつかった。

まあこんだけ嫌悪感抱くってことは、よく出来ていたということでもあります。美夏ルートとか、ヤっちまってからちゃんと付き合うまでの描写かなり上手いですし。橘花ルートは初Hシーン以降は冷静に読めなかったので判断できないですけど、共通で縁側で寝てる橘花を見つける直前のテキストなんかは他人の家の臭いがするレベル。

意外と上履きが汚い委員長は、途中で普通に怖くなったのでやめました。もったいないことをしたかもしれん。

秋ちゃんルートは主人公への嫌悪感が比較的少なかったのでふつーに読めたかな。恋愛SLG的な好感度の上げ方で仲良い先輩後輩になって、みんなで遊びに行って、二人でデートして告白して、夏祭りの帰り道でキスして、誰もいない家に呼んでセックス、というテンプレ展開なんだけど、それがどっかから聞いたような「お付き合い」をする高校生的なリアリティを与えている。ただまあこれも高校生のみなさん頑張ってくださいといった感じ。

つぐみ様は、こんなもん大好物に決まっているので書く必要もない気がしますが、プレイ中はとにかくつぐみ様の一言一言に「はい… 悪いお兄ちゃんでごめんなさい…」してたようです。あんなんひきょう。

2014/12/15

西 UKO 『となりのロボット』

TLに流れてきたので読んでみた。えーっと、百合SF?になるのかしら。幼なじみ、百合、ロボットあたりがキーワードですけど、タイトルが『となりのロボット』となってるように、ロボットものとして素晴らしい。

主な登場人物は、人間の少女であるチカと17歳の少女型ロボットであるヒロちゃんの二人。二人が初めて出会ったのはチカが4歳のときで、回想をはさみながら、17歳の二人の時間が主に描かれます。ちなみにここ↓で試し読みできるようです。

http://tap.akitashoten.co.jp/comics/tonarino


んじゃ以下ネタバレ感想。








***

ロボットと言ってぱっと浮かぶのは、機械的(アルゴリズムによる判断)、変化のなさ、おしっこが純水の3点ですが、前者2点に焦点を当てて非常に丁寧に書いてあります。

前半は人間であるチカ側に焦点が当たっていて、「変化」という点についてチカとヒロちゃんが対比される。わかりやすいところでは、初めて会った4歳のときから、ヒロちゃんの身長を追い越してしまった今との外面的な変化ですね。ただ、ここで秀逸なのは、変化しないヒロちゃんの外見と変化する自己の外見を見つめたチカが、勝手に成長していく自己の身体に取り残されたような感覚を抱く場面。そしてそれが二人が17歳という同じ時間にいる瞬間へのチカの執着に繋がっていく。

この時間の貴重さを認識しているから、ヒロちゃんの身長を初めて追い越した日に、かつてヒロちゃんに(不正確に)褒められて以来ずっとつけていたリボンを外して、子供の時間を終わらせようとした。その一方で、直後の「私のこと、忘れないでね」という台詞は、「この瞬間の」という(つまり、全ての瞬間の)私のことを覚えていてという幼稚な欲望であったりして何というかチカえろいよね。

しかもこの後、ヒロちゃんが6年前のチカが喜んだリボンをプレゼントしてきたらリボンつけるようになっちゃうという。貴重な時間の中で、同一点にいるヒロちゃんと、6年前のリボンをつけたままの自分を認識しながら、チカが人形(ヒトガタ)に抱かれる夢に沈むシーンは、この漫画で最もエロいシーンでしょう。

まあこんな感じでチカと彼女から見た「変わらない」ヒロちゃんを描いた後で、ヒロちゃん(プラハ)の変化の説明に入るんですが、ここからがこの作品の肝っすね。ロボットは変わらないし、プログラムに従うものであるという前提のもと、ヒロちゃんが「ロボットとして最大限」チカを愛する様が描かれていく。

ヒロちゃんは、外部から入力されたデータを評価関数に基づいて取捨選択し記録する。語彙や表情の記録に基づいて出力を行う。これはヒロちゃんが作られたときから変わらない。当然、チカと初めて会ったときからも変わらない。

ヒロちゃんがこの「変わらない」アルゴリズムを元に動作する様が、チカちゃんや、ヒロちゃんの産みの親である沖島先生といった、ヒロちゃんが最上位に評価する対象との交流を通じて丁寧に表現される。

ヒロちゃんはチカのことを「好き」だと言う。チカとともに変化して学んだ語彙を使って。チカのデータを重要だと評価して優先的に記録してきた。今、ヒロちゃんが最上位に評価するものは、チカの笑顔だ。そして、もっとチカのデータを記録したいと出力する。それがヒロちゃんの「好き」だ。

評価関数は外的要因によって変動する。学習により出力される表情や語彙が変化する。それらは全て単純なプログラムとして表現可能だ。だけど、それが何を貶めるというのだろう?と。

そして、物語のクライマックスで、チカがこの本質に気づいていたことが明かされる。

チカはヒロちゃんが「ロボット」だという前提(これは、チカがヒロちゃんと出会って、成長とともに最先端でない「ロボット一般」について情報を得た結果のものでしょう)があるので、ヒロちゃんを「変わらない」とかヒトガタでしかないと口にし続けていた。だけどその一方で、ヒロちゃんの記録と出力(6年前のリボンもそう)に異常に執着する。

水族館デートの後、ヒロちゃんが今日のことを覚えているかを気にするチカに対して、研究所の職員が「もしもプラハ(※ヒロちゃん)が忘れてしまったとしても 君が覚えていてくれればいいんだよ」と答える場面。一見正しいこの言葉に対し、チカは「それは自己満足でしかない」と言い切る。チカはヒロちゃんの記録にこだわる。ヒロちゃんの出力にこだわる。ヒロちゃんが、データを入力し、評価して取捨選択して記録し、私との思い出を最上位に記録し、私との十数年で学んだ笑顔を出力してくれることに。

チカは、ヒロちゃんによる「ロボットとして最大限」の愛を、最上位に評価する。

2014/09/25

愚行権うんぬん。アホな記事はおいといて、自信満々なブコメ等みてたら自信なくなってきたので、加藤尚武『現代倫理学入門』11章を再読。

『現代倫理学入門』11章の冒頭で、自由主義の原則として以下の5つが挙げられている。
1. 判断能力のある大人なら、
2. 自分の生命、身体、財産にかんして、
3. 他人に危害を及ぼさない限り、
4. たとえその決定が当人にとって不利益なことでも、
5. 自己決定の権限をもつ
いわゆる他者危害の原則ですね。

各部分について見ていくと、まず1.で自由主義を認められるのは「判断能力のある大人」に限定されている。なので例えば、親が子を教育して正しい方向に導く、というのは肯定されていて、子供の自由は制限されている。ぱっと思いつくのでも、ポルノは買えない、たばこ、賭博はダメなどなど。もちろん惚けたじいさんばあさん、知的障害者なども対象となるわけですが、この辺りは難しいところなのでとりあえず置いとく。

2.は要するに私的な領域はどこかということを語っている。私の生命も、私の身体も、意思を持つ主体である私のものだと。

3.が「他者危害の原則」と呼ばれる理由になってる項目で、この文面があるから、バイト先の冷蔵庫に入るような自由は認められない。他者の存在によって初めて合意が必要となり、合意形成のルールが生まれることを考えれば、自由が「他人に危害を及ぼさない限り」という注釈のもとでのみ成立するというのは自然でしょう。

※ただし、ミルズによれば、ここでの自由というのは、法による規制や処罰の対象にはならないというだけの話であって、世論による処罰の対象にはなるとのこと。要するにアカBANはされないが村八分状態にはされても仕方ないよねと。ただ、リアルにおいて事実上生活が脅かされるレベルの村八分が許されるかというと疑問。生存権が最優先されるはずなので。

さて、愚行権の基礎となる4.について。愚行権を認める理由は要するに「私については私の判断が最優先されるべきだ」ということでしょう(1.が前提されていることに注意)。そもそも価値判断は社会的なものだという主張もありうるが、完全なる自由が他者の存在しない状態でしか成立しないものである以上、前提として個を置かない自由規範は成り立たないと思う。むしろ、社会的な価値判断を含んで初めて「愚」行となる行為に対する権利を認めることこそが、全ての自由に対する基礎となっている。

5.は結論なので特になし。

こうやって見直すと、3.の注釈部分が個人的な思想と反してたのでブコメに違和感あったっぽい。個人的には、他者のある愚行を理由に、その愚行と無関係な部分でのつき合いを変化させてはならないと考えているので。

2014/09/09

人工知能なんちゃら。また話題にのぼってたので以前途中まで書いたのを発掘して微修正。

最初の女性型ロボットがホウキ持ってるやつは結局のところ、似姿と(外から見たイメージとしての)「学会」という主語の問題だという認識。

2つ目(ロボット視点)見た時に思ったのは、機能が明かされたぶん駄目じゃん、ということ。まあ確かに単体で見れば似姿が消えているので絵自体の問題点も消えてるんだけど、イラストレーターが同じで背景から連作を予想するのが自然だったので、めんどくさい方向に進んでんじゃないかなーと思った記憶がある。

で、今回バズったやつ。連作だということは確定したみたい(実際にはバズったツイートは一個省いてたりするらしいですが)なんだけど、ぱっと見て、自分に似たロボットを作ったということをもって何をメッセージしてるのか(ストーリーがあるならそう繋げた意図があるはず)わからない。まあ俺には自分の似姿を作りたいという欲望が存在しないので当たり前なわけですが。作者が俺で美少女ロボを作りたいというのならわかる。そんでその子に自分に都合のいいように思考制約をかけてみたものの結局それでは意味がないのでスイッチを切って沈黙したロボットを眺めながら(触れてはいけない)オナニーをするとかそういうのなら非常によくわかる。しかしどこで拾ったんだこのフェティシズム……

まあそれは置いといて、結局のところもともとの絵にひっかかる人がどこにひっかかるかと言うと、機能でしかないものが分離されていないところだと思うわけだ。掃除するという機能が外部に投げられる状況になっているにもかかわらず、女性という似姿(おそらく貞淑さとか従順さというものを読み取る人もいるでしょう)に繋がっているという点。必然性は存在しないのに。今回の連作のやつなんか、一回メカメカしい掃除ロボが出てきているにもかかわらずなぜか女性型に「進化」している。

免罪符として、ある女性が望んだことだから、というものが付け加わっただけで、ひっかかるポイントはむしろ強化されている。そりゃ批判もでるよなぁと。

ただ、もともと最初の絵であんなにみなさんぎゃーぎゃー言ってたのは、絵と主語の問題だけじゃなくて、批判した側が別のところを殴ったからっつー部分がでかいんでしょう。単に「学会」批判にしとけばもう少し落ち着いてたと思う。でも個人的には批判した側が感情的にあの似姿を使役する側(想像上の、であろうと)を殴ろうとするのは不自然じゃないと思う。俺の姿した絵で遊んでる(と俺が推測した)連中をどう思うかっつー話だから。

でも推測が違ってたんだから当然ごめんなさいしなきゃね、という結論。


以下はやや蛇足だけど、この話でめんどくさいのは「学会」批判なら単純にOKかというとそうでもなくて、学会誌買おうと思ったら学会入んなきゃいけないわけで、別にその辺のコンビニとか普通の本屋とかで売ってるものとは全く違うっていうとこ。ある個人が特定の個人の趣味に合わせて書いた全く出まわらない本がちっちゃいおんなのこをズタボロにレイプする内容であったとして、それを関係ない連中が批判するのは意味不明だから。

今やツイッターが全世界にうんぬんは知りません。そこまで学会が想定しなけりゃならないかについてもわからん。

そういう面倒くさい話よりかは、思考実験のほうに興味があるかなー。たとえば一個目の表紙の人工知能ロボが実現するような世界だったら?という問い。その場合、彼女が使われてるのに憤ったのなら、彼女を使役するような人間に似た人工知能ロボを奴隷のように扱って溜飲下げるのがいい気がする。そんで次の日なんでもない顔して彼女を使役する人間と応対すれば実に平和(?)である。嫌な世の中感はあるけど直接殴りあうよりはずっとましなんじゃないかしら。ちなみにこの連作ではロボットには人権ないみたいですね。人工知能とはいったい。

人権が存在するレベルの実現したのなら普通に戦争すればOKでしょう。俺はわざと低レベルの買って似姿殴ってそうだけど。

2014/02/16

MeltyMoment -メルティモーメント- 感想

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2014/01/13

1月購入予定メモ

咲2話見終わって照さんの素足について思いを馳せ終わったら暇になりました。どうしても咲さんを透かして照さんを見てしまうようです。

書くことが特に思いつかないので1月購入予定のメモ。MeltyMomentは予約済み(たしかソフマップ)、まだ迷ってるのが有紗(キスアト)。


MeltyMomentは体験版は特によくも悪くもない感じだったんですが、ラブクエがすごかったのもあって予約しました。ラブクエとの違いで目立つのはやっぱり移動先選択マップでの時間経過ですね。システムとしては、マップで移動先選ばずにぼーっとまってると10秒とかそのくらいでゲーム内の時間が30分とか経過してヒロインのいる場所が変わってそれに応じて発生するイベントも変化するというものです。

面白いのは、特定のヒロインの時間移動によるイベント差分を総当りすることで、主人公がいないときのヒロインの行動を推察できるという点。例えばすみれ。ツンデレっぽいキャラなんですけど、時間経過を追っていくと「主人公と放課後に偶然出会う」ためにうろうろしていることがわかるようになってたりする。いっそのことすみれさんの共通でのデレ具合を完全に無くしてしまって、このシステムによってのみ感情を推察できるとかにすると俺が大喜びすると思われますがまあ今のままでも十分楽しいです。主人公をストーキングするヒロインをストーキングするプレイヤーがいますが気にしないようにしましょう。

ただ、これ自体は面白いんですが、全部読もうとするとかなり時間かかるのが難点。特定ヒロインを追っかけるだけならテキスト量自体は適量なんですけど、マップ時間経過の待ち時間をスキップできない(たぶん)せいでかなりだるい。そこが少しもったいないですね。


MeltyMoment以外で気になってるのはキスアト。体験版の段階では4人中3人はかなりどうでも良かったんですが、有紗がかなりかわいかったので有紗買いするかどうかで迷い中です。

有紗、初めはカタコト系で苦手だなーと思ってたんだけど、人見知りの彼女が誰を「他人」とみなすかの感覚のうまさとか、主人公が褒められる予感を感じるとちょっとだけ嬉しそうに人見知りを忘れて会話に入るところとかで気になりはじめ、とどめがあのバレンタインデーでのチョコの渡し方。あのわがままは相当かわいいですね。俺もワガママ同盟組みたいので金で解決(購入)したいところではありますが、他3人がどうでも良すぎたので2月発売作品も考えて余裕があれば、かな。

2014/01/12

恋する夏のラストリゾート 体験版

恋する夏のラストリゾートの体験版やったんだけど何これちょう怖い。萌えゲーの皮の下に何かやばいもん隠してるとしか思えない。

HPのあらすじによれば、主人公は大学生でリゾート地でバイトを始めてバイト仲間は美少女ばっかで各種とりそろえられておりおまけにニセコイとかこれだから大学生ってやつは全くうらやまけしからん!といったお話らしいです。確かに体験版でも表面上はそんな感じで萌えゲーっぽく話がすすんでいきました。表面上だけは。

ただ読んでるとなんかいろいろ不自然。特にリゾート行ってからですね。日給25,000円でリゾートの宿泊施設に住み込み3食付きでおまけに美少女の後輩と同じ部屋という素敵すぎるバイト内容についてはエロゲなので良いんだけど、実際の仕事内容がおかしい。

まず、リゾート地でヒロインがコスプレチックな制服着てるのになぜか接客描写が一切存在しないところで違和感。まあ最初は単に出来悪いだけかなーと思って読んでたんですけど、どうも本当に客が存在しないらしい。しかも、ヒロインの誰もそのことを不自然だと思っていない様子。はて?

いちおう主人公が違和感感じてたずねると「一般開放前だから」と説明されるんですが(もしこれが本当だとしたら酷く出来の悪い設定である)、たぶんこれはウソだと思われます。

というのも他にもいろいろ不自然な点があって、例えば毎日のバイト後に主人公とヒロインが管理人さんに提出する日報ですね。主人公はバイトしてて気になったこと報告してるみたいなのでまあいいとして、しばらく後に、ヒロイン(のうち少なくとも羽海)は「実は」主人公の観察日記を管理人さん提出してることが明かされます。

そう言えば管理人さんがちょくちょく主人公の家族構成とか「あなたがそういう性格になったのはなぜ?」みたいなことを主人公に(あたかもカウンセリングのように)尋ねたりしてる場面もありましたね。で、疑問が浮かんできたわけです。ひょっとして主人公はモルモットのようなものなんじゃないか?と。

疑いが出たあとだと、日給の高さとか客がいないこととかも腑に落ちます。そんなこと考えながらゲーム眺めると羽海とキスしたりセックスしたりしてることの薄ら寒さがすごくて(なお、羽海さんはセックスしたあとすぐに管理人さんに報告しにいったようです)。

体験版プレイ後、かなり気持ち悪さが残ったので先は非常に気になります。ただ、「リゾート」が主人公(とヒロイン)を対象としたものだとした場合、かなりうまくやって貰えないと個人的に合わないと思うので、様子見ですかね。

2014/01/02

あけましておめでとうございます(今年初だなこの台詞)。

新年そうそう顔見せに田舎に行ったせいで気が滅入っております。

生存確認というか関係が切れてないですよという確認の儀式というかそんな感じ。それ以上の意味はないんだよねえ。顔見せてお久しぶりですとやって、碌に会話を交わすこともなく、かつて住んでいた場所でもなんでもない空間で1・2泊して帰って来ました。

だいぶマシにはなったと思っていたんだけど、未だに1日も人間と一緒にいるときついな、といった感想。で、その成長しなさっぷりに我ながら辟易するといういつものパターン。あっちからしたら意味不明な生き物だよねえ。

時間が解決するという楽な方法があてはまればいいんだけど、意図して変えるまでは、おそらく先に相手に訪れる不可逆過程まで何も変わらないんだと思う。

俺が意思をもって変えればいいのは自明なんだけど、困ったことに、パッシブで慣性的な生き物は意識的に動くだけのエネルギーを自分で持てない。ひどい奴ですね。