2013/03/17

『運命予報をお知らせします』 体験版 感想

年度末近づいてやたらと忙しくてあれなんですが、雑多な感想でもいろいろ書こうかと思って『運命予報をお知らせします』の体験版の感想書き始めたらけっこう長くなったので1エントリにしました。

体験版自体は、面白いかというとそこまでではないんですが、たぶん購入します。体験版の感想としては、まず主人公は昔ヒロインの一人にフラレて以来他人に自分から向かっていけなくなってぼっちになってるけど、本当は他人と繋がりたくてたまらないっていうようなキャラで、こいつの視点で物語が語られるためにめんどくさい感がすごいです。ヒロインの配置は、主人公の告白を「なぜか」拒絶した生徒会長、西尾維新的ツンデレ、兄が今のぐずぐずの状態から抜け出すことを嫌う妹(!)、ヒロインにひっかからないレベルで「普通な」同級生の少女となってます。まあ、かわいい子はいないです。妹さんは設定だけで見れば凄まじいかわいさを発揮しても良さそうな気がするんですけど、開始早々の弁当シーンくらいですかね。ちょっと怒って昼ではなく放課後に主人公に弁当を届けるところ。一緒に帰ろうという策略である。こずるかわいい。

さて、メインヒロインにひっかかってないくせになぜ買うのかっていうと、自称他称ともに「サブヒロイン」の林檎さん目当てです。他人を求めているくせに踏み出せなくてグズグズしてた主人公が唯一まともに会話できてた相手で、この娘は主人公とは違い、他人を完全に無視している。正確にいうと同じ物語空間に存在していない。発言のメタメタしさもそうですし、「サブヒロイン」だと言っているのもその一環ですね。それでいて主人公を物語の舞台に降ろすために動いたりしているという、なんとも変なキャラです。体験版のなかで、唯一気になったヒロインです。

というか体験版の間は間違いなくこの娘メインヒロインだと思ってプレイしてたんですよね。で、体験版プレイした後作品ページで確認したら、なんかマジでサブヒロインっぽい風に描いてある。例えばこのイベントCGのページ(18禁 http://yonaki.rdy.jp/eventcg.html )を見てみても林檎さんはいません。そんなばかな?と思って作品ページをいろいろと見てみたわけです。そしたらページ上部に各登場人物の視点で物語やキャラクターを紹介するという「MY スイッチ」なるものがある。早速林檎視点にしてみて「ストーリー http://yonaki.rdy.jp/story_ringo.html 」を見てみると……

あたしは、ヒロインじゃない。
あたしは、一介のサブキャラクターだ。
主人公がハッピーエンドを迎えるために、
あたしは役割を与えられているに過ぎない。
だから、最初からあたしのハッピーエンドは否定されてしまっている。
ハッピーどころか、バッドエンドさえ存在しないのだから。
それが、脇役。
それが、あたし。
あらすじなんて、何もない。 

どんなフラグだ。これで林檎さんがラスボスじゃなかったら逆にびっくりするわ! で、林檎さんラスボスだとすると、テンプレート的なメインヒロインの配置も、メタメタしい言動の空々しさも全てが伏線に思えてくる。そうやってこの物語を見てみると、彼女を物語の舞台に引きずりおろすにせよ、物語の舞台に降りてしまった主人公に対比されたキャラクターとして描くにせよ、レイヤー外にいた/いる人間として(できれば圧倒的な一枚のCGとともに)投げかける言葉でぶっ殺されてしまうんじゃなかろうかという嫌な予感がひしひしと。

まあ勝手な妄想ですが、デビュー作でもあることですし突撃してみようかと思っています。先が気になるなー。

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本編感想(ネタバレ無し)はこちら
http://sagaslave.blogspot.jp/2013/04/blog-post_29.html