2012/01/17

双熾が妬ましい(漫画『妖狐×僕SS』 感想)

さて『妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス、以下いぬぼく)』のアニメ一話見てりりちよ様に一目惚れしてしまいまして即座に原作漫画全巻買ってきて読んだのでその感想です。


まず特にかわいかったシーンを抜粋。

・普段は「無駄に虚勢をはって悪態をついてしまう」のに、不意をつかれてキョトンとした素の表情になるりりちよ様かわいい。

・はだかYシャツ。なんでそんなにボタンをあける必要があるんだ。これデフォルトみたいです。素晴らしいですね。あのYシャツは何日に一回洗うんですかね。

・シャツの裾をギュッと握りながら双熾のほうをチラっと見上げるりりちよ様かわいい。この作者さんは芸が細かくていいですねー。

・女の子座りして太ももで両手を挟んじゃうりりちよ様かわいい。指がどこに入っているのか心配ですね。あと唐突ですいませんが、太もも合わせたときに股下にできる隙間でイライラ棒をやるときっと俺は発狂すると思います。

・スカートをたくし上げるりりちよ様かわいい。アニメではカメラさんがんばって下さいお願いします。たくし上げにもいろいろありますので注釈つけておきますと、ここのは「恥じらい有り」「伏し目」「赤面」です。ここあ先生本当にありがとうございました。

・眼鏡かけたりりちよ様かわいい。俺は眼鏡属性ないはずなんですが…

・12さいのりりちよ様かわいい。肩甲骨に噛み付きたい。

これは二巻の内容ですが、12さいのりりちよ様と、今のりりちよ様との対比がすごくいいです。まだ誰にも自分を肯定されたことのない、猫背で、人の目を見ることのできなかった女の子が、双熾に出会って真っ直ぐ立って、虚勢でなく強い目ができるようになった。ページ変わりでぶち抜きで描かれる真っ直ぐな立ち姿は見事。

それと非常に重要なことなんですが、ちょっと12さいから15才までの成長が激しすぎやしないですかね?心配です(何が

あと特筆すべきは三巻ラストのパンチラですね。実にエロい。ガーターの食い込みで表現された太ももの柔らかさ+絶妙な見え方。パンチラってのは本来動詞ですから静止画はすべてパンモロだ!なとど主張してましたが撤回いたします。あれは正しくパンチラです。めったにパンツが見えない漫画だからなおのこと嬉しい。

とにかくこんな感じで絵が丁寧なのがすごく良い。ストーリーについても四巻ラストで大きく動くので楽しめます。りりちよ様と双熾の心情描写が丁寧なのもいいですね。新刊でたら買うと思います。しかしアニメはどこまでやるんですかね。切りの良いところが無かった気がするんですが。


…とまあここまでがきれいな(?)サガさんの感想です。

以下はネタバレ有りでちょっと(変態的な意味でなく)見苦しい内容になります。すいません。










三巻でりりちよ様が双熾に告白するシーンはヤバいです。脳が焼けました。自分の思いを真っ直ぐ誰かにぶつけたことなんてなかったから、告白するのは怖い。怖いけど何とか気持ちを押し出す姿がかわいすぎる。相手の反応を見るのが怖いから目を閉じて、胸の前で手を握りしめて勇気を振り絞って。それでも声はほとんど出ない。これ受けて双熾がりりちよ様をまさに「折れるほど」抱きしめましたけど、そりゃあんなもんくらったら当然ですよね…



ただ、結ばれるまでは良かったんですが、二人が結ばれた後から見るのがだんだんつらくなってきました。身勝手な話ですが、結ばれて欲しくなかった、と思ってしまった。いや、りりちよ様が双熾に惹かれるのは当然だと思いますし、二人の思いの強さも丁寧に描写されていたので、物語としては結ばれたことにもその後の二人にも文句はまったくないです。だからこれは単なる俺のわがままなんですが、なんで俺が双熾じゃなかったんだろって思っちゃったんですよね。俺もりりちよ様に告白されたかったし、りりちよ様を抱きしめたい、と思ってしまった。

まあでもそんなことは当然ながら叶わないわけで、ふつうの物語では当たり前すぎて意識すらしません。俺は物語の外にいる傍観者ですから、二人の物語を眺めてニヤニヤしてればいいわけで、実際たいていの物語ではそうしてます。で、必要に応じて双熾に感情移入したり、りりちよ様に感情移入したりする。ところがなぜかこの物語ではそれが上手くできなかった。

この理由について一応自分なりの仮説を書いてみますが、ただの言い訳かもしれません。

物語開始から暫くの間は、双熾は確かにりりちよ様を欲望してますが、それでも見返りを求めてはいない。それは信仰と呼ぶべきものです。これは読者あるいは視聴者としての俺が立っている場所と極めて近い。ここで俺は勘違いしてしまったんだと思います。双熾と俺は同じ場所にいる、と。双熾と俺との間には明確なステージの差があるはずなのに、それを忘れてしまった。

だから双熾がりりちよ様と結ばれたときに、俺は「置いて行かれた」と思ってしまった。同じ場所にいた双熾が、俺には決して辿りつけないところに行ってしまったと思って嫉妬してしまった。嫉妬というよりは妬みが正しいかな。勘違いも甚だしいんですけどね。はなっから同じ場所になんて居やしなかったんだから。

妬みっていう感情は自分と近い人間に対して抱きやすいものです。ビル・ゲイツを妬むにはそうとう自己肥大する必要がありますが、かつての同級生を妬むのはそれに比べてずいぶん簡単です。自分と同じところにいた人間が、自分の欲しいものを手に入れたときにひとは妬む。まさにこの構造がこの物語を読んでる時の俺にあてはまっちゃったんだと思います。

いや完全に俺がアホだったっつー話ですが、正直なところでこんな感じで読んでてけっこうモヤモヤしました。アニメ見る時は同じ轍を踏まないようにしようと思うんですが、ダメかも知れません。ああ双熾が妬ましい…

あ、俺みたいにアホなことしなければ凄く楽しめると思います。

最後にひとこと

・四巻のキスシーンで唇ぎゅっと閉じるりりちよ様かわいい