とっても簡単だけど、忘れてはいけないこと。
俺が誰かを好きになったとき、そこには決して「優越感」なんてない。なぜなら、彼女は劣ってなどいないからだ。俺は、彼女に圧倒され、彼女の美しさに敗北したからこそ、彼女に惚れてしまったのだから。
だから、彼女を「劣っている」という言説があれば、それには必ずこう言わなければならない。俺にとっては、彼女が何よりもだいじな、何よりも「優れた」ものである、と。
俺が貶されることで、彼女の価値は貶められはしない。俺が一方的に彼女を好きなだけなのだから。反論すべきは、彼女を「醜い」という言説に対してのみだ。俺が、ゴミのように扱われたところで、彼女の美しさは、決して変わらない。俺やその周りの世界が何をしようと、彼女はただそこにいるだけなのだから。
俺は、彼女が好きだから、彼女を勝手に守りたいと思う。彼女が好きだから、彼女が悲しんでいたら泣くだろう。彼女が好きだから、彼女の笑顔を喜ぶだろう。彼女が好きだから、彼女を襲う理不尽を憎むだろう。
それが彼女に届かなくても。届かないことを知っていても。
前提は、「好き」だけでいい。