2012/06/30

備忘録

とっても簡単だけど、忘れてはいけないこと。

俺が誰かを好きになったとき、そこには決して「優越感」なんてない。なぜなら、彼女は劣ってなどいないからだ。俺は、彼女に圧倒され、彼女の美しさに敗北したからこそ、彼女に惚れてしまったのだから。

だから、彼女を「劣っている」という言説があれば、それには必ずこう言わなければならない。俺にとっては、彼女が何よりもだいじな、何よりも「優れた」ものである、と。

俺が貶されることで、彼女の価値は貶められはしない。俺が一方的に彼女を好きなだけなのだから。反論すべきは、彼女を「醜い」という言説に対してのみだ。俺が、ゴミのように扱われたところで、彼女の美しさは、決して変わらない。俺やその周りの世界が何をしようと、彼女はただそこにいるだけなのだから。

俺は、彼女が好きだから、彼女を勝手に守りたいと思う。彼女が好きだから、彼女が悲しんでいたら泣くだろう。彼女が好きだから、彼女の笑顔を喜ぶだろう。彼女が好きだから、彼女を襲う理不尽を憎むだろう。

それが彼女に届かなくても。届かないことを知っていても。

前提は、「好き」だけでいい。

2012/06/29

『謎の彼女X』 12話 感想

今日はなんか肉体的に疲れております。精神的でないのでいっぱい寝ればかえってすっきりすると予想され、むしろ珍しくいい状態かな、といった感じ。というわけで録画してた『謎の彼女X』12話観た感想を簡単に書いてさっさと寝ようと思います。

このアニメは、細かいネタでツボに入るのが頻繁にあって、それが面白いと感じる主要因なんじゃないでしょうか。今回でいうと、卜部さんの枕をついつい触ってしまったつばきくんが、卜部さんの枕の湿り具合を感じる場面とか。枕は湿るもんですよねえ。汗&よだれの無敵のコンビネーションですよ。つばきくんが匂いを嗅いでしまうのは仕方のないことです。あれは本能。

女の子の部屋の布団の匂いってのが嗅ぎたい匂い第一位だと思ってたんですが、枕はよだれも追加されるぶんよりヤバいですね。気付かされました。今後は女の子の部屋の枕の匂いを押していこうと思います。枕の素材はふつうのわたがいいですね。よく染み込みそうなので。手に入れたら匂い嗅いでから、スルメみたいに噛むかなあ。俺のよだれが混ざるのは良くないよなあ。どうしたもんか。

そういや俺の枕はりりちよさまのはだかワイシャツ姿のカバーがかかっているのですが、りりちよさまの匂いを嗅ごうとスーハーしてみたら俺の匂いがしてとても残念な気持ちになりました。あの枕カバーは標準的な日本人の成人男性の身長でも、縮尺的にりりちよさまと双熾とのサイズ関係を体験できるようになっている優れモノなんですが、まさかあんな落とし穴があったとは…。世の中うまくいかないもんです。俺の枕を股間に当ててオナニーしてくれるメイドさんと同居したりすればいいのでしょうけど…。

枕の話はこれくらいにして、謎の彼女Xの話に戻りましょう。今回ラストの卜部さんのデレっぷりは実に良かった。つばきくんが、無意識で卜部さんを抱きしめてしまった後、卜部さんが「いいの。つばきくんにくっつきたいと思ったのは、私のほうだから」って言った場面ですね。あんなこと言われたら飛び上がりますよ。すっごいカタルシス。夕方のシーンだったんですが、ふつーに夕日に向かって「よっしゃあああ!」って叫んでしまうと思います。

誰かを好きになったとして、相手に対して欲望を抱いているとする。手をつなぎたいとか、抱きしめたいとか、セックスしたいとか。それをぶつけるには、「まず」相手の許可がいる。で、こっからめんどくさいことになるんですけど、俺は「だから」許可が得られるまでは、自分がそんな欲望を抱いていることすら、明示的に表明することができない。

この考えがベースにあるので、理想的な展開は、まさに今回の謎の彼女Xと同じものになります。自らの欲望がふと漏れでてしまったときに、それを相手に「許可」される。具体例を言うと、抱きしめて「しまった」ときに、相手に力を抜いて受け入れてほしい。

今回も面白かったです。次回ラストなのが寂しいですなー。

2012/06/28

りりちよさまに服を着せたい


毎日更新まいにちこうしん…。今日は挫折しかけております。なんも書くことねえ…。

いや!そんなはずはない!俺はおもしろおかしい日常を生きているはずだ!などと無理にテンションをあげようとしてもキツいものがありますな…。何書こうかしらん。

今日はですねー、そうだ、いぬぼくBD4巻が届いてました。いぬぼくBD/DVDの特典は、りりちよさま着せ替えペーパークラフトシリーズでございます。これは素晴らしい品で、1巻でまずりりちよさま本体(下着姿)が入っておりまして、2巻では制服、3巻は変身後の衣装、そして4巻は和装メイド、と着せ替えできるシールが付いてくるんですね。

この特典の素晴らしいところは何かというと、りりちよさまに服を着せるという行為を疑似体験できるというところです。言うまでもないですが、女の子の服を脱がすより着せるほうが、はるかに興奮しますからね!これはまあ基本的にはレア度の問題だと思います。脱がすシーンはエロゲで頻出しますが、着せるシーンはめったにない!攻略しちまえば脱がせることができますが、着せるほうはそうではない…。

というわけで実に素晴らしいアイディアだと思います。誰か知りませんが考えた人ありがとうございます。うちのりりちよさまは服を着ている時間はほぼゼロですがありがとうございます。

ただ、(本体)と描いてあるのに、なんで下着をつけているのかな?特にブラジャー。だってあんた来月発売の次巻ではついに待ちに待ったワイシャツが特典になるらしいですけど、あのときりりちよさまブラジャーつけてないじゃないですか!どういうことだよ!おかしいだろ!(じたばた)

いいですか、乳首が見たいとかそういうわけじゃないです。いや見たいけれど。うん、見たい。…そういうことではなくて!ここは定義上の深遠な問題です。はたしてブラジャーはりりちよさまの本体なのか。いや違う。違いますよね?りりちよさまの本体はもっとこう、内面的なあのその(じゃあはだかじゃなくてもいいだろ、というツッコミが浮かんだが無視)。とにかくはだかがみたいよう。

説得力がゼロなので、服を着せるという話に戻りましょう。そういえば、ペーパークラフトでは体験できない非常に重要な部分もありますね。想像してみましょう。寝起きのりりちよさまがいて、寝ぼけていて服を着せてと甘えて来ました。ベッドの上で半身を起こしている状態です。さて、まずは上着からですね。いや、ニーハイからにしよう。自分もベッドの上に少しあがって座ります。上の布団(日本語?)をめくるときにりりちよさまの匂いが一気に開放される。すぅ…はぁ…。足を伸ばしてもらって、ふくらはぎの辺りを持ち上げる。ふくらはぎはそんなに柔らかくなくて、つかんだ指のあたりの肉がすこしへこむくらいでしょうか。その足を自分の膝のあたりに抱える。そして両手で持ったニーハイをりりちよさまの足先から伸ばしていく。少しくすぐったそうにするけど、寝ぼけているので反応は少しにぶい。ぴちっとしているから、りりちよさまの足の肉がへこむくらいの力でさするように上に伸ばしていく。太ももに至って一気に柔らかさが増す。りりちよさまが一瞬ビクッと反応する。

片足がようやく終わった…。長くなりそうなので、右足ははしょりますね。さっきのは左足です。俺は右利きなので。

さて、続いて上着です。俺はりりちよさまの後ろに座ります。髪の匂いが香ってくる。そして腕をあげてもらいます。当然わきが開陳される。さわって湿りぐあいを確かめてえ…などと思いながらもそんなことはせず袖を通します。まず片方。このときは左手からですね。右手のほうも袖を通す前に、りりちよさまの長い髪が襟の中に入ってはいけないので、軽くさわりながら服の外に出してあげます。ふぁさっとくるわけです。いい匂いがさっきよりずっと強く漂ってくる、と。上手くやれば髪が俺の体を撫でてくれる。あーいいなぁ。そして右手も通してあげる。ボタンはさすがに恥ずかしすぎるので、自分で締めて貰うのもありかなあ。でも足伸ばした状態になってるところを女の子ずわりに座りなおしてもらって、目の前に座ってボタン締めるのはヤバいですね…。ふくらみかけの胸に触れないように手が震えながら、一個一個下から締めていく…。絶対理性が保たねえ…!

この辺でやめとこう。まとめると、りりちよさま着せ替え人形が欲しいというお話です。

2012/06/27

『イモウトノカタチ』 体験版 感想

『イモウトノカタチ』の体験版をプレイしたのでその感想でも。いや、今回も妄想ですねすいません…。

体験版、だらだらやって二時間くらいですかね。さわりのさわりというか、隠しヒロイン以外の四人はみんな出てきたんですが、美優樹と千毬以外は出番少なかったかな。

面白さはなんとも判断つかない段階で終わっちゃった感じです。物語が動くとかもまだないですし、ヒロインもミータとあやかは殆ど把握できなかったですし。予約に至らせるだけの魅力は感じなかったというのが正直なところです。

ただ、何かとんでもないことやらかしてくれそうな予感はかなりあります。幾つか不自然な、というか、意図的に情報を隠している部分が妙に多い。隠しキャラとかもそうでしたけど、主人公に関する情報も隠されている。そして、体験版序盤での理事長のセリフ「あなたたちの家族は、現時点では存在しないことがわかりました」というのがひっかかります。以下やや長いですけど、その辺のお話について。

主人公は15年前に災害で両親を亡くし、生き別れた妹を探しに故郷の街に戻ってきたという設定なんですけど、主人公は現在学園の二年生なんで、生き別れたときには殆ど物心ついてないような状態です。妹はおぼろげに記憶にある程度で、妹との年齢差すら不明。しかも主人公は被災者のデータベースにすら記録されていないということで、つまり主人公の本当の年齢も怪しいっちゃあ怪しい。

何を言いたいかというと、このゲームのヒロインの大半は主人公と同学年なわけですが、別に彼女たちが双子の妹であったり、あるいは双子ではなくても妹である可能性がありえるんですよね。年下設定のヒロインは言うまでもないですが。

例えば美優樹なんかは、同学年だけど、義理の両親に引き取られて育っていて、やはり生死不明のお兄さんを探しにやってきている。彼女が実は妹である可能性は体験版でもあからさまにばらまかれている。具体的には、毎日偶然いっしょのお風呂に入ってしまうとかです。お兄ちゃんと妹は当然一緒にお風呂に入りますから。あと、物語の序盤ではお兄ちゃんは妹のはだかに興奮したりしないと相場が決まっていますが、これも当てはまっている。

次にミータ。同学年ということになってますが、ロボットなわけで年齢不詳です。そして、災害で離れ離れになった妹を探しているということは、妹が災害の被害に遭って肉体に重大な被害を受けた可能性がある。他の介護ロボットにくらべ、やけに人間臭いロボット…。要するに彼女は、災害によって重症を負った妹のサイボーグ、あるいは主人公の妹の脳をベースにしてAIを構築されたロボットではないか。メカいもうとです。永遠の時を生きる妹とえいえんのせかいを生きるため、主人公はミータ√で自らもサイボーグとなるのではないか。メカ兄妹です。パーツを共有したりするんでしょうか。同じオイルが流れているんでしょうか。

つづいて千毬について言うと、年下で、やはり災害で家族を失い、主人公と同じ施設で育ったとのこと。主人公のことをお兄ちゃんのように慕っているという設定ですが、災害でめちゃくちゃになったために兄妹関係が不明になっただけで、本当に兄妹なんじゃないか。

最後にあやかですけど、彼女はちゃんと両親がいるっぽいので一番妹っぽくないですが、なんかここまで考えてくると、本当にそうか?という疑問が生じてきます。両親は彼女に真実を伝えてはいないだけで、本当は「災害の被害者を支援する仕事をしていた祖母」が拾ったんじゃないか。15年前、あやかの年齢を考えると、十分にありえます。しかもこの娘、初登場シーンで、主人公(お兄ちゃん)の部屋に先に入ってマーキングしていますし。それは妹の習性だ!

隠しキャラの真結希については、災害にあって寝たきりで生き別れの家族がいるということらしいですけど、この娘が妹ってのも当然ありえます。隠しているくらいだから本命といってもいいくらいです。

さて、これだけだと、「妹はこの中にいる!」「俺が妹を必ず見つけてみせる… お兄ちゃんの名にかけて!」「真の妹はお前だ!」(→妹自殺?)的な展開で別に大したことにはならないんですが、俺が危惧しているのは、ひょっとして、ルート入った段階で、過去遡及的に妹が確定するのではないか?ということです。

主人公は被災者のデータベースに残っていないため、「現時点では」家族が存在しない、という理事長のセリフは、ひょっとしてそのままの意味ではなくて、「現時点では」妹が確定していない、ということを示唆しているのではないか?

ルートに入った時点で、妹として確定する。全てのヒロインが妹である可能性を十分に持っているってのも、そのためなんじゃないだろうか、という妄想。もしそんなことになったら、全てのルートが、たったひとりの生き別れの実妹ルートになる…。そしてあらゆる角度から『イモウトノカタチ』を見せてくれるということなのでは…。お兄ちゃんはそんなことされたら死んでしまうぞ…。

なんか書いてるうちに突撃したくなってきました。あれれ?

2012/06/26

『咲 -Saki- 阿知賀編』 11話までの感想


アニメ 『咲 -Saki- 阿知賀編』 11話「決意」まで見たのでその感想でも。つーか、怜(とき)についてです。なんかもうごちゃごちゃしてて、人様に見せるもんじゃないとは思うんですが、書かずにはいられなかったというか。すいません。

***

俺は怜が好きです。原作は単行本でしか読んでない(ちょうど今日2巻読みました)ので、アニメで見ただけの感想になるんですが、相当なレベルではまってます。なんつーか、「俺が怜のことを一番良くわかってんだ!!!」的なハマリかたというか。怜のことを悪くいうヤツがいたらかたっぱしからマシンガンを撃ちまくるような。怜から点棒奪ってコークスクリューマナ悪ツモするやつをぶん殴って泣かしてしまいたくなるような。

怜は、元々は千里山女子の三軍だったんだけど、(事情はよくわかんないけど)入院して生死の境を彷徨って、戻ってきたらなんか知らんけど「一巡先を視る」能力を得たそうです。麻雀で一巡先を見れるってのは相当なもんです。単純に自分がツモる牌もわかるから牌効率が良くなる。相手が何でアガるかがわかるから振り込まない。ズラすこともできる。リーチ一発ツモで三役確定できる。すげえ能力ですよね。三軍のプレイヤーが、一気にエースにまで上りつめるほどに。

その力をどう使うのか。つまり、彼女にとっての力の意味は何か。

怜が三軍だったころから、友達である竜華やセーラはすでに二年生ながらレギュラーに選ばれて、全国大会で戦っていた。三軍とレギュラーという違いに関係なく、一緒に麻雀を打って、一緒に過ごしてくれた竜華たちは怜にとって大切な友達だけど、怜はずっと、自分は竜華たちと一緒に全国の舞台で戦うことはないと思ってました。自分とは実力が違うから。同じものを同じ場所で見ることはできないと、諦めて、一緒に打っていて楽しいんだけど、作り笑いを浮かべてしまうことがあった。

でも、力を得た。唐突に、圧倒的な力を。能力を持たないものから見れば、反則のような力を。竜華がいってくれた「うちと一緒に全国いかへんか?」に応えられる力を。エースに選ばれたことを竜華とセーラから伝えられたとき、嬉しいけど、少し申し訳なく思ったのは当然で、だからこのときに、自分の「ずるい」能力について、彼女たちに告白するわけです。何の努力もなく手にしてしまった力に罪悪感を抱きながら。でも、その「ずるい」能力を、竜華とセーラは「すごい」と言ってくれた。シンプルに、「怜がいれば勝てるかもしれない」と期待してくれた。期待されてしまった。

しかも、この竜華たちの肯定は、怜の能力を利用しようとかそういう話じゃ全くない。彼女たちは怜が能力なんて持たないただの三軍のプレイヤーだったときから、自分の練習の効率を下げてでもいっしょに打ってくれていたわけだから。怜が自分の能力をさらに強化しようと練習中に二巡先を見てぶっ倒れたときには、「もう二度とやるな」と言ってくれたのだから。

自分の能力ではなく、自分を心配してくれた。自分が能力に目覚めていなくても、一緒に全国に行きたいと言ってくれた。だから、自分に唐突に与えられた能力で、みんなの役に立ちたいと思った。だから、誰にも言わず、二順先を視る練習を繰り返した。だから、連荘を繰り返して点棒を積み上げる照を止めるための、自分を投げ捨てるような、
「ダブル。二つ先へ」
こっからが11話「決意」ですね。二巡先+すばらの協力を二回繰り返してようやく照の連荘を止めることができた。上手くいったけど、怜はもうふらふらで。牌をツモってくるのもつらいし、一巡先も見えなくなった。そんな中、照がふたたび連荘を繰り返しはじめる。怜はもう心が折れ掛けていて、しかも一巡先も読めない。ついには照に振りこんでしまう。ここで観客が歓声あげてアナウンサーはテンションあげて実況してたけど、お前らみんな死ね。くそが。

もうやめてくれって願いながら、怜を見ている。もう頑張らなくていいよって。でも、怜には、みんなが自分のために頑張ってくれた記憶がある。入院してから、体力も落ちて「病弱キャラ」になった自分のために「怜シフト」なんて組んで自分のために頑張ってくれた。「うちらがやりたいことなんで」と言ってくれた。同じ時間を過ごして、一緒に麻雀を打って、一緒に合宿して。気恥ずかしくて、素直には伝えられなくて、竜華の前では茶化してしまったりするけど、「少しは勘違いに浸らせて」ほしいのは、怜もそうなんだよね。もう、セーラが二年生のときに白糸台に負けた悔しさも、悲しさも、怜の悔しさと悲しさになってしまっている。みんなの思いは、もうとっくに自分の思いになっている。

だから、やっぱり、照を止めるために
「みんなごめん、もう一回だけ無茶するわ」
「トリプル。三巡先や」
へ進んでしまう。この怜を見て、「あかん、あかんやめて、怜」と竜華が言ったけど、全く同じ気持ちですよ。

やめろよ。なんでそこまですんだよ。俺には全く、これっぽっちも意味わかんねえよ。

2012/06/24

『僕は友達が少ない』 8巻 感想

はがない8巻読んだのでその感想。ネタバレ全開なので注意。

***

めちゃくちゃ面白かったですね。ゲスい笑いを浮かべながらサークラ展開を眺めているのが楽しすぎる…!しかも綺麗に〆ているにも関わらず、次巻への期待を煽ってくれるという。ここまで読んで良かった。

7巻ラスト、理科による告発「だって理科たちは――(俺注:もう友達じゃないですか)」に対して、「――えっ? なんだって?」と答えることを「選んだ」小鷹。それは隣人部というぬるま湯を選択したことを意味していたわけです。隣人部というゆるま湯に浸かり続けるには、「もうとっくに友達になってしまっている」という誰の目にも明らかな事実を否定し続けなければならなかった。

これは、「友達」は積極的に「作る」ものだ、という欺瞞を信仰しているからこそ浮かぶ考えです。でも、「友達なんてものは、自然にできるものを言うんです」 by 夜々。小鷹や、あるいは夜空がそれを認めず、友達を「作る」ための練習をする部活としての隣人部を立ち上げて活動しているのは、彼らには「自然と友達ができた」経験が圧倒的に不足しているから。

自分に「友達」がいないのは、自分に「友達」を作る技術が不足しているから、というのは慰めです。技術論に落とすことで、自分の本体に責任を押し付けずに済むわけですから。でも、その慰めのせいで、理科の指摘「もう友達じゃないですか」を受け入れられなくなっている。それを認めることは、隣人部の存在理由を否定することだから。

7巻ラストでの選択のとおり、小鷹は8巻でもゆるま湯につかり続けます。だけど、それは隣人部室での活動(だらだら)中に、星奈から漏れでた告白の言葉「あたし小鷹のこと好きだから」で崩れ去ります。

こっからは見事なサークラ展開。星奈の告白に答えることもなく、逃げ出すところから始まり、何かと理由をつけて隣人部に向かわないようにしたり。向き合うことから逃げ続ける。要するにヘタレ。だけどねえ、めっちゃ共感できるんだよねえ。かわいい女の子に囲まれて、毎日だらだらと楽しい日常を過ごして。それはずっと望んでいた、「気づいたら友達ができていた」世界なわけで。それが壊れかけている。よりにもよって自分が原因となって。向きあって壊れてしまっていたら?と思うと怖くて隣人部のドアを開けることなんてできないでしょう。見なければ知らないフリができる。見ないうちは、壊れていないかもしれないというひどく都合のいいifを抱きつづけられる。

でも、それも幸村の言葉「夜空のあねごと理科どのはこの数日部室に来ておりません」によって不可能になった。見てしまったからには、何かを選ばなければならない。逃げるか、引き受けるか。

そして、「プロローグの終わり/羽瀬川小鷹が主人公になるとき」と題された最後の章。タイトルも内容も素晴らしい。7巻ラストとの対比よろしく理科に再び屋上に呼び出される小鷹。そこで理科に本音を抉られ、本音をぶつけあう。みんながありのままで居ることを許される場所としての隣人部は、小鷹にとっての「奇跡」のような場所で、それを守りたいという小鷹。それに対して、理科は「それは間違っている」という。なぜなら、それはすでに、小鷹が鈍感なフリをして、自分を偽って、がんばって維持しなければ成り立たなくなってしまっているのだから。
「そんなやっすい自己犠牲で守られてる世界なんていらねえんですよ! なめんなバカ!」
理科さいきょう。好きっすねこの発言とか素敵すぎる。本当に欲しかったのは何なのか。友達を作る技術?違う。とっくに友達になっている連中を友達じゃないと否定することで得られたありのままでいられるぬるま湯?違う。

友達が欲しかったんだ。

理科とぶつかって、ようやくこんな当たり前の前提に気づくことができた。自分が本当に欲しかったものを認識できた。だから、小鷹はもう前に進むしかない。今まで誰のことも「友達」と呼べなかった『友達が少ない』小鷹の第一歩は、この一言から始まる。
「………なあ、理科」
「俺と友達になってくれ」
プロローグがようやく終わりを告げた。自ら責任を引き受けた、主人公の登場によって。

簡易感想いろいろ

今日は休みなので例によってだらだらベッドに横になりながら本とか読んで過ごしておりました。これは!というのは無かったので簡易感想を並べておきます。


『ふたりの距離の概算』(米澤穂信)
今アニメ(氷菓)やってる古典部シリーズの文庫版5冊目。ふつーに面白かったです。アニメ見てるとどうにもえるに性的な目を向けてばかりになってしまいますが、小説だとホータローに萌えつつ読んじゃいますね。氷菓のヒロインはホータローです。アニメ版の風呂シーンでホータローばっかり映ってたのは原作準拠といえるでしょう(てきとう)。今回は『ふたりの距離の概算』ってタイトルにもあるように、友人などといった他人との距離感に焦点があたってますが、そういったものに対するホータローの考え方を見てると、老成してるような彼のなかに高校生らしい若さが見えてニヤニヤできますね。俺はもう他人との距離については、完全に答えを出してしまっているので、悩め少年!っていうような意味不明な上から目線で眺めてましたねー。


『俺、ツインテールになります。』(水沢夢)
なかなか評判が良さそうだった&タイトルに引かれたので、買おうと思ってたはずが、すっかり忘れていたという…。今日気づいて買いに行きました。近所の本屋はガガガはあまり置いてないので、期待せずに何店か巡ってみたんですが、1冊発見したので購入。
主人公の一人称で、ツインテを連打しつつツインテへの愛を語る序盤はすごく良かったですね。俺がツインテけっこう好きだってのもありますが、すぐに話にノレました。最初の闘いが終わるまでは勢いがあって一気に読めましたね。ただ、その後、敵が何匹かでてくるところはけっこうダレます。主人公もダレ切みになるくらいなんで、疑似体験としては正解なのかもしれないですけど、読んでる途中で寝ちゃいました…。雑魚い敵がずっと出てくるのも理由付けされてはいるのですが、ちょっと退屈だったかなあ。
この辺の退屈さは、読むひとによっては、ヒロインたちとの掛け合いで解消されるのかもしれないですが、俺はどうもあの手の現実的な暴力ヒロインは苦手なので…。例えば、ルイズがエクスプロージョンしようが、古依が雷落とそうが、ギャグ文脈として消化できるんですけど、フォーク刺す(ニャル子)とか関節技決めるとか殴るとかはきついですね。痛みの想像が容易すぎて。


『追奏のオーグメント体験版』(地雷ソフト)
ネタ的に有名になった印象しかなかったメーカーさんですが、体験版やってみたらなかなか良かったですね。77歳?の素人童貞のじいさんが、自分の華のない人生に後悔して自殺したら、60年前にタイムスリップしてしまった、というところからスタートします。人生やりなおしのifストーリーで、自殺から始まるくらいだから、暗い話かなーと思ったんですが、全然違ってました。体験版段階では全くストーリーが進まなかっただけかもしれないですが、日常の描写がとても楽しい。脳も若返る、という設定なんで、じいさんがすぐに若者思考になってしまうんですが、この元じいさんの主人公とその友人キャラ、そしてヒロイン達によるギャグの連打が凄まじい。ずーーーっとボケてスカしてツッコんでって感じ。爆笑ってレベルじゃないですが、なかなか面白いので読み続けてしまいました。ポテチとか食いながらげらげら笑うような感じですね。
この後どうなんだろうなあ。シリアスにしなくてもこの日常描写のままなんとなーくヒロインと付き合って変わらず楽しい日常を続けるだけでいい作品になると思います。ただ展開が読めなさすぎて買うかどうかは微妙なラインです。圧倒的にギャグがすごいってわけでもないしなあ…。うむむ…。


今日はこんなところです。ではまた。

2012/06/23

『妖狐×僕SS』 7巻 感想

いぬぼく7巻読んだので今日はその感想でも。以下ネタバレ有りなのでご注意ください。

***

今回は何と言っても、30話「ただ、それだけの」が圧倒的に素晴らしかったですね。前半は、俺の解釈で30話のあらすじをまとめて、後半は自分語り的なものです。

今の双熾は、前の双熾よりも厳重に閉じ込められて育った。彼は「外に出たい」とすら思うことがなかった。諦めていたのか、それとも思いつきもしなかったのか。

彼を外に出したのは前のりりちよさまの意思だった。前のりりちよさまが菖蒲に頼んでいたおかげで、双熾は蔵の外に出ることができた。だけど、外にでたところで彼は簡単に変わりはしない。やはり何も欲することはなく、ただ生きているだけ。外に出たい、とすら思わない人間が外に出たところで、自らの世界を自らの手で拡げることなどあり得ない。

ただ、たった一つだけ、違っていた。たった一つだけ、望むものができた。それは、りりちよさまにお礼を言うこと。閉じ込められていた前世の記憶が、過去のりりちよさまの意思を触媒として、反応した。こんな何でもないことでも、自ら欲するということそれ自体が、彼にとっての「革命だった」。

そして、その願いを叶えるため、今のりりちよさまと「再会」する。彼女にSSとして仕えるうちに、彼は今まで知らなかった気持ちを次々と経験していく。プラスの感情だけでなく、マイナスの感情も。ただ、それらに共通しているのは、どれも全てりりちよさまによってもたらされたものだということ。

彼は初めて他人をまっすぐに眺めた。眩しいような、切ないような感情と共に。

彼は、初めて、恋をした。

***

この辺りの描写はほんと見事です。双熾がりりちよさまを眺めるまなざし。りりちよさまに出会って変わる世界の色。ずっと彼女を見ている。ずっと彼女を目で追っている。未だかつて抱いたことのない感情とともに。

好きになる、ということ自体が素晴らしい。報われるか否かってのは、二次的でしかない。その人だけが全てで、その人からもたらされるものは、喜びであろうが、淋しさであろうが、とっても眩しくて、なんだか嬉しくて、でも切ない。

本気で好きになれるひとに出会えるということ自体が、奇蹟的なことなんだよね。

それを手にすることができた双熾が、俺にはとっても妬ましくて、だからとても読むのはつらかった。眩しそうにりりちよさまを眺める双熾が眩しくて、正視するのがきつかった。俺も、恋をしたいよ。

恋をするなんて、誰にでもできる?自分の感情は自分でコントロールできるのだから?それは違うよ。そんなもんは、「彼女を作る」っていうフレーズに含まれているような欺瞞にすぎない。純愛厨だと言われるかもしれないが、俺は信じている。

恋は、するものではなく、恋に落ちるのだ、と。

好きになるのではなく、好きになってしまったことに後で気づくものなんだ、と。

俺は、今に至るまで「恋」というものを経験したことがない。誰かを本気で好きになったことはないし、誰かを本気で嫌いになったこともない。自ら欲することが極めて少ない人間だ、というのもあるかもしれない。受動素子として生きてきた。それが誤作動を起こすことに憧れを抱きながら。この30話で描かれたものは、俺がまさに欲していたものです。ずっと憧れていたもの。気がついたら好きになっていた。気がついたら彼女が自分の全てだった。そんな恋をしたいんだよなあ。いい年こいて何言ってんだっつー話だとは理性ではわかっているのだけれど。これはもう一生消えないと思う。どうしようもない。惚れて、それだけで自分が勝手に駆動されて、わけわかんなくなってみたい。まあそういう欲望です。

双熾は、幸せ者ですよ。好きな人が、この世界に生きているのだから。その世界は、たぶん俺の世界より、ずっとずっと美しい。

2012/06/22

さよなら、またね。おかえり、ただいま。(後半)

さて、今日は昨日のエントリの続きです。

去っていく相手に対して「さよなら」も「またね」も言えない(言わない)、というところまでが昨日の内容ですね。今日は後半ということで、別れたあと、相手が戻ってきたときにどのような態度をとるかについて書こうと思います。

つーてもまあ結論は「何も言わず、以前と変わらず接する」ってだけなんですが。

別れの際に「さよなら」や「またね」といったセリフを言わないというのは、要するに別れをそれと認めようとしない態度です。別れてもいない相手に「おかえり」なんて言うのはおかしい。これは単純ですが、理由のひとつと言ってもいいかもしれません。ただ、これだけで終わりかというとそうではなくてですね。

例えば、俺が自分勝手な理由で誰かのもとを去ったとする。あ、ちなみに「自分勝手な」と一応つけてますが、俺はどんな理由であろうと、自ら去ることを決断したのであれば、それは全て「自分勝手な」理由にあたると考えています。だから俺の思考においてはこのパターンのみを考えればいいことになります。拉致された、とかはここで考えている「別れ」に含まれていないので。

この状況で、俺がかつていた場所に戻りたいと思ったとします。まずは、どんな状態なら戻りやすいか、ということを考えてみましょう。その場所が、俺がいなかった間に様変わりしていたらどうだろうか。田舎に帰ってみたら再開発されて知らない街になっていたら?かつての友人はそれぞれ家庭をつくり、いいおっさんになって、妙に落ち着いていたら?好きだったあのひとが、そもそもそこにいなかったら?

…嫌だ。それは俺が戻りたいと思った「かつていた場所」ではない。

場所、というものはそこにいるひとや雰囲気、風景で構成された記憶だと思う。時とともにある程度移り変わるのは仕方がないけど、そこに確かな連続性が感じられなければ、同じ感情を持って眺めることができなければ、それは違う場所だ。俺はそう思います。

だから、待つと決めたのであれば、相手が記憶した形を、可能な限り保存するよう努力したいと思う。最近で言うと、咲の玄ちゃんが掃除して待っていたように。「わたしは掃除当番だから」といった連続した理由によって。何気ない風を吹かしながら、当たり前のような顔をして。

相手が戻ってくるときに、そこに入るのが自然すぎて、「ただいま」すら言わなくて済むように。そんな風に俺は待っていたいし、そんな風に俺は待っていて欲しい。

「ただいま」なんて絶対に言わせない。「おかえり」なんて絶対に言ってやるもんか。そんな決意をこっそり秘めつつ、ぼけーっと待つことにしますかね。

2012/06/21

さよなら、またね。おかえり、ただいま。(前半)

今日も今日とて忙しかったです。肉体的にも疲れてるのがきついなあ。

しかし目指せ毎日更新である。そろそろ習慣づいてくれないかしら。一応30分目安で書いてるのでまあなんとかなってる感がありますね。ただタイプも考えるのも遅いので、短くなっちゃうのが自分で見返しても残念な感じです。

さて、今日はタイトルどおり、別れとそれに相対したときの俺の態度(目標)についてのお話です。俺はどうもふらふらしていて筋の通ってない感じの人間なのですが、一個だけ何も考えずに守れてるかなーというのがありまして、それは「自分がされて嫌なことは他人にするな」っていうあれです。始めて聞いたのは幼稚園児のときかなー。たぶんそれ以来ずっと守っている。自分がなんでこうしたのか、と後から行動を振り返ったときに、結局このルールに沿ってるだけだったりすることがよくありますな。

本当のことを言えば、こんな自己中心的なルールではなくて、相手がいる場合は相手が望むように変えるってのがいいんですけど、俺はそれができない。これは想像力の欠如、というよりはむしろ自ら想像することを断っている、というのが近いと思います。他人のことを理解することなど不可能で、理解したつもりになることすら傲慢である、と考えてしまうので、半ば意図的に理解することを放棄する、といった感じでしょうか。

この態度も「自分を理解されたくない」という感情に端を発するものです。ちゃんと理解してくれるのであればまだましですが、理解してもない人間にわかった気になられたらめっちゃ腹立つじゃないですか。それを他人に対してやるくらいなら、自己完結したルールで接して、相手に「あいつはわかってない」と思われたほうがよっぽどいい。

理屈としてはこんな感じです。だからこれから話す「別れの態度」についても、結局のところ、俺が誰かのもとを去るときに「こうされたくない」といった考えに基づいたものになります。

さて、本題。序文なげえよ。

俺に好きなひとがいたとして、そのひとが(俺から見て)唐突に自分の観測可能な範囲からいなくなったと仮定します。

相手が「さよなら」を言ったか言わなかったに関わらず、ここで俺には3つの選択肢が生まれます。そのひとに「さよなら」を言うか、「またね」と言うか、何も言わないか、ですね。ここで俺が何を選ぶかというと、3つ目の「何も言わない」です。

なぜか。まず、「さよなら」を言うのは問題外です。だって俺はそのひとのことが好きだから。本当は別れたくなんて全くないのだから。

次に、「またね」ですが、これもだめです。これにはいくつか理由があるんですが、一つ目は俺が誰かに何かを期待するような言動を決してできないから、というものです。期待されるのが嬉しいってひともいると思うけど、俺は何かを期待されるのがとても怖い。これは期待されてそれに応える、という経験が絶対的に不足しているからだと思うんですが、いつごろからだろう、中学生ぐらいのときにはすでに恐怖心があったような気がします。そのせいで、軽い期待ですら他人に向けることをしないようにしています。軽いってのは例えば、「あれやっといて」とか、誘うとか、「書いてくれると嬉しい」とかです。期待はしない。出てきたものを褒めるのは全く抵抗なくできるんですが、これもギリギリですよね、今考えてみると。褒めること自体が期待になりうる。ただまあ、自分の中での線引きは、「期待はしないが出てきたものは褒める」ぐらいでこれからもいこうと思います。

もう一つの理由は、相手の俺に対する思いの強さと、俺の相手に対する思いの強さの非対称性に起因したものです。俺が相手のことを1好きだとして、相手が俺をどれだけ好きかはわからない。1であれば嬉しいですけど、相手からみれば俺はその他大勢(n人)のうちの一人であって、1/nしか好きでないのかもしれない。認識すらされていなければ当然ながら0です。1/nや0のときに相手に何かを要求するのは、傲慢だと思う。そして、相手が自分のことをどう思っているかだなんて、(俺の考え方で言えば)決してわからない。

「またね」という資格は俺にはなく、「さよなら」は言いたくない。だから、沈黙するしかない。

***

30分経ってしまったので続きはまた明日にしようと思います。では

2012/06/20

『謎の彼女X』 11話 感想


『謎の彼女X』11話見たので、とりあえずその感想から。

卜部さんにだまって早川さんと文化祭デートしに来た浮気者のつばきくんですが、まあ昔好きだった人に誘われたらいっちゃうでしょう。これはしゃーないですよ。このへんでつばきくん最低!となりますが、最低だけどしゃーないわけです。オトコノコはちょろい生き物なので仕方ありません。

つばきくんは結局自分から早川さんがさしだした唾を飲まなかっただけ、自制心があると思います。俺には無理だ。間違いなくぱっくりいって口の中でなぶりつくしてごくりといくと思います。いや、それだと自分のつばとのブレンドがのどごしになるのか…。うーん、やっぱりなぶらず、舌でいったんとどめて香りを楽しんだあと一気に飲みますかね。どっちがいいのだろう。悩ましいところです。

(そんなシーンは一生こない、などと気づいてはいけない)

その後、卜部さんが登場してからのスタイリッシュ全裸よだれバトルについては、なんか無駄に息を飲みながら視聴しましたが、正直どーでもいいかなあ、といったところですね。不満も別にないし、大して興奮もしなかったです。

早川さんの独白(今まで好きになった人はみんな片想いだった)ってのがありましたけど、これについてはストレートには「だから自分のことを思ってくれるであろうつばきくんにコナかけた」って解釈するべきなんでしょうかね。でも、この段階で早川さんはつばきくんに彼女がいることを知ってるわけで、好きになったひとはやっぱり自分のほうを向いてない相手だったっていうのがなんとも。早川さんはこれまではずっと自分が相手の想い人に勝てずにきたわけで、今回だけ卜部さんに勝てると考えたってのもおかしいですし。バトルに負けた早川さんに対して、勝者である卜部さんが「きっと素敵な相手が見つかるわ」みたいなことを言って最後まとめてましたけど、早川さんの将来に関しては不安に思います。どうしても、このまま彼女や奥さんがいる相手を好きになってちょっかいかけまくって結局報われない悲しい末路が予見されてしまうなあ…。そんなこと妄想してたらだんだん早川さんが好きになってきた?あれ?

さて、文化祭の帰り道、つばきくんと卜部さんがいっしょに帰るシーン。これ良かったですね。素晴らしい。浮気したつばきくんに対して、卜部さんが「自分も昔は片想いの相手がいた。その人に誘われたら私もつばきくんと同じようにほいほいついていってしまう」みたいなことを言う。当然ながら、こんなふうに許されても、全く嬉しくはないわけです。「俺だけの卜部さんに、他に好きな奴がいただなんて!」というなっさけない独占欲があるから。見てるだけの俺ですら、「嘘って言ってくれ!」と思いながらこのシーンを見ているわけで、つばきくんからしたらハラハラしまくりだったんじゃないかしら。そんな状態で、「でも許してくれるのはありがたいし」なんて考えてるところで、卜部さんの「うそだよー」(あっかんべー付き)です。

「騙された!自分の罪はやっぱり重かった!でも嬉しい!ほっとした!」っていうね。卜部さんにはホントかないません。だから好きなんだけど。

こんなところですかね。『謎の彼女』11話、なかなか良い回だったと思います。他にいろいろ書くことあったんだけど、感想だけで終わってしまった…。

2012/06/19

陰口について

なんとなく思う所あって、もうちょっと頻繁に更新しようかなーと。タグは「日記」にしますかね。

まあ変わりばえのしないルーチンを過ごしているので、出来事というよりは、その日にぼけーっと考えてたこととかを書いていこうと思います。

とはいえ、俺やる気とかいっさいないひとなので、果たしていつまで続くことやら。依存性向はかなり強いので、その状態になってしまえばなんとかなるとは思うんだけど。なんていうんですか、やる気なさすぎてほんと何も始められないんだけど、始めてしばらくたつと、やる気がなさすぎて、自発的にやめようとしないんですよ。流されるままに生きております。慣性の法則というやつです。ニュートンさんすげえ(違う)。

この話だけで延々とつづけてしまいそうなので、ぶった切りますが、陰口の話。

今日昼飯くってたら、隣に大学生(?)のカップルがいまして、そのひとたちがなんか教授かなんかの陰口を言ってた。なんか妙にひそひそと話してたんで逆に聞き耳立ててしまってすいません。で、話の内容なんですが、なんかその教授(?)がゲイらしいという話で、「うそー」「本当にいるんだー」とかいってまあゲスい笑いをお楽しみになっておられたと。

お前20年近く生きてきてその認識はどうなんだとかいろいろ思うことはあるんですけど、まあそっちは今日は置いておきます。とりあえずは「陰口」の話に絞って。とは言ってもなんてことはなくて俺「陰口」ってすげえ嫌いだなーというどうでもいい結論なんですけど。

「陰口」ってあれ小学生からジジババまで無敵のコミュニケーションツールになってると思うんですよ。俺は基本的にどんな話題にもノラないで「はー」「へー」「ほー」とか言って適当にすましてしまうタイプなので、どうやらもはや「打っても響かない」タイプだと認識されてしまったらしく、あんまり知り合いが直接誰かの陰口を言ってるのを目撃することはないんですが、稀にいい年した大人が陰口を言って盛り上がってる現場に居合わせたりすることはあります。あと学生時代はけっこう聞きましたね。何が楽しいのかまったくわかんなかったんでそこでも「ふーん」とか言ってただけなんですが。「やめろよ!」的なことはしません。めんどくさいので。あとは実家のばーさんもよく言ってたなー。

あー考えながら書いてるうちに気づいてしまった…。俺は陰口が嫌いというか、他人の話で盛り上がるのが嫌いなんだ。「俺の友達が~」ってのも嫌いだし。

あれほんと楽しくない。俺は俺の話をしたいし、俺は君の話を聞きたいのであって、そこに他人が入ってくる意味が全くわからない。まあ実際には友達なんて一人もいないんですけど。他人の話は事実にしかなり得ない。その他人が感じたことを追体験として自分の感情を語るようなのであればそれはきっと面白いのだろうけど、俺はそんな人にリアルで会ったことはないです。単に出会おうとしない俺が悪いのかもしれないですけど。

俺が知りたいのは感情でしかない。俺が知りたいのは事実ではない。この辺は物語の好みにも反映されまくってますが、いかなるストーリーも、それが登場人物の感情のアンプとして働くものとしてしか評価しない、という極端な立場です。俺はその増幅された登場人物の感情を貪るように摂取する、という流れですね。我ながらこれはひどい。でもやめられない…。

うーん、先にタイトル決めたら全然違う話になってしまった…。まあ今後もこんな散漫な感じでいくと思います。TLに流すのは物語感想だけにしよう…。そのうち書くのがうまくなったらいいいな!

2012/06/03

『この大空に、翼をひろげて』 小鳥ルート 感想

気がついたら6月である。初夏ですね。初夏といったら初恋ですね。衣替えした女の子のわきとかに興奮する季節ですね。よかったですねおめでとう。俺はまいにちおっさんでんしゃの汗の香りでげんなりしています。

愚痴はこの辺にしておいて、『この大空に、翼をひろげて』の感想です。とりあえず初めに全体としての感想ですが、なんというか「てんこもり」でしたね。小鳥、あげは、天音先輩、双子ちゃんのそれぞれが別のメニューとして出てくる。モーニンググローリーを飛ぶ、という目的が全ルートで一致しているのだけれど、物語の軸が違っているので飽きない。

モーニンググローリーを飛ぶといっても、キャラクターによってそこに置かれる重点は違うんですよね。これはキャラ名にも表現されていますが、小鳥であれば「飛ぶ」ということ、天音先輩であれば「至った先の風景そのもの」、あげはは「飛ばす」ということです。あさちゃんよるちゃんは…朝と夜でかわりばんこ…?

ルートで言っても、小鳥ルートのなんだこの甘酸っぱい小鳥おひめさまかわいいだとか、あげはのメスっぷりとか、天音先輩ルートはまあメインっぽいので体験版段階で予想された(cf. 体験版感想 http://sagaslave.blogspot.jp/2012/04/blog-post.html)ものを提供してくれました。双子ちゃんは…おしっこ…?

といった感じで満腹感があるんですが、俺が一番好きなのは小鳥ルートです。天音先輩ルートも好きですが、集合写真の表情が惜しい。1年前との表情の違いがあれば…!と思ってしまいます。小鳥ルートは、不満もいくつかあるんですが、これはっていう場面がすごく多い。特にルート入った直後から付き合い初めまではほんとすばらしい。

まずは何といっても、今作全体でのベストシーンであるところの、二人乗りです。夏に、湖が見える道を、気になってる女の子を後ろに乗せて、二人乗りです。ここの描写が実に丁寧。いいですか、気になる女の子が後ろにのっているわけです。しかも夏。とうぜん緊張とドキドキで汗をかくわけです。で、そこで、小鳥がその背中に頭を乗せて「汗かいてる…」って言う。くっ!そんでね、小鳥がね、頬を背中にくっつける。はいもう背中の小鳥と触れ合ってる部分に全神経が集中されましたね。ドキドキするし、触れ合っているところは二人分の熱でより暑くなっている。くっついてるからますます汗をかく。ほんとなんなのもう。羨ましいよくそったれ!!!しかもここでの小鳥のちょっと甘えた感じ。主人公が「なあ、小鳥」って呼びかけたときの返事が「んぅ?」ですよ。顔が背中にくっついてるからちょっとくぐもった声で。しかも最後にゃ頭を背中に擦りつけやがってからに!!!

あーもーほんと羨ましすぎてしねばいいのにと思いつつ、喜色満面でプレイするというね… はあ…

この二人乗りシーンで主人公が小鳥のことを好きだと実感する、ってのは非常にいいですね。そりゃそうだよねー、と納得できます。単に俺がここで小鳥が好きになっただけだとも言う。

告白シーンも良かったっすね。いっしょに飛んで大空での告白とか、ベタすぎるけどそれがいい。つーかそれよりもこの告白シーンで重要なのは、小鳥が先に自分のわがままさを主人公に知ってほしい、と伝えたところです。主人公には自分のわがままさを知っていてほしい。主人公には自分をかまってほしい。踏み込んできてほしい。この甘え。それに対する返事としての主人公の告白。

女の子はおひめさまなんですよ!(真顔)

小鳥はほんとおひめさまかわいい。おひめさまといったらおねだりと相場が決まっていますが、キスシーンも良かった。主人公からキスされて、「(自分がどれだけ小鳥のこと好きか)これでわかっただろう?」と聞かれて、
「……ううん、わかんない」
「だから、もっと……」
くっそっ!あざとい。だからこそかわいい!!!…はあ。小鳥のおねだりを聞いてエサを運ぶお仕事がしたいなあ…。こんな気持ちになるのは、「少しずつ」おねだりのランクを上げていくからだと思います。主人公はここまでやってくれた。嬉しい。じゃあこれは大丈夫かな?というやつです。そんなんされたら何でもするよねえ。しゃーないっすよ。敵わないもん。

こんな初恋がしたかった。

要するに、小鳥ルートが好きなのは、そういうことなんだろうなあ。気がついてたら惚れてて、夢中になってて、その子のためなら何でもしてしまうような。自分がやったことに対して、正直に(上手に、ではないです)喜んでくれるような、そんな女の子。いつまでないもんねだりしてんだっつー話ですが、こんなもん見せられたらどうしても思ってしまいますなー


後半部分については、ファーストプレイのときはかなりもやもやしながらプレイしてました。小鳥が受け取るばかりではないか?と。身障者用シートだとか、小鳥が願う前に主人公たちによって用意されてしまった。小鳥が引き離されたとき、主人公たちが用意して待っていた。もちろん、こういったものは、小鳥がそれまでどんな思いで、どんな態度でグライダーやソアリング部とかかわってきたのか、主人公たちが良く知っていたからではあるんですが。

ただ、これについては、モーニンググローリーを飛ぶシーンで解消されました。あのシーンで主張されていたのは、「ひとりで飛べないことが、飛ぶことの素晴らしさを減じたりはしない」ということだから。風の助けがなければ空を飛べないからといって、その素晴らしさが失われるわけではないのと同じように。それを、モーニンググローリーを飛ぶことで、そこにある圧倒的な光景をもって、小鳥が実感した。彼女の足との関連については、言うまでもないですかね。綺麗にまとまってるなーと。

いい作品でした。

ことりちゃん、びゅーちー!ボタンを押すお仕事の時間なのでこのへんで。めざせ300万びゅーちー?