2013/06/14

ほれみたことか!

伏見つかさ氏のインタビュー記事みてたらテンションがあがってきたでござる!

記事はこちら↓
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51398941.html

該当部分引用すると、
桐乃を幸せにするエンドにしようと決めた以上、彼女の今後には、可能な限り良いレールを敷いてやらなくてはいけないし……非常に悩みました。結果は、読んでいただいたとおりなのですが、再読する方向けに、蛇足ながらコメントさせていただくと、 
・「完全なる桐乃エンド」 
・「最初の人生相談と同じように、兄妹は、二人だけの秘密を抱えて終わる」
12巻は、そんなお話です。
ふはははは! ほれみたことか! ただの兄妹になど戻ってないのだ!

だいたいそもそも『秘密のお願い』の内容が読者に明かされているだなんて誰が言ったというのか。ラストが『秘密のお願い』の全てだと思ったら大間違いである。「二人だけの秘密」を抱えて終わったのです。それは何かと言えば二人はもはや新婚♡兄妹だというわけです。うえっへっへっへ。

証拠はまだまだあるぞ♪
主人公二人については、今後も大変だろうけど
ですよね! だって二人だけの秘密抱えちゃってるわけだし? 今後はこっそりいちゃいちゃしちゃうわけだし? 桐乃かわいいし? 京介のこと好きで居続けちゃうし? ひひ。

アニメBD1巻の特典小説「十年後の再会」では秘密を抱えつづけてより熟成された十年もののお兄ちゃんだいしゅきオーラが桐乃から香りたち滲みながれているに違いなくああ早く飲みたい……

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と勢いこんで書いて「今日は実に良い日である。わしは気分がよい」などとゴキゲンな状態でRSS消化しようとしたらこんなニュースが即座に飛び込んできてしまったようです。

http://otanews.livedoor.biz/archives/51949655.html

二人だけの秘密もいいけど、俺にもちょっとだけでいいからおこぼれをいただきたかったのです……

お幸せに…ね…

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(追記)アニメ14~16話見たところ、物語中にある「二人だけの秘密」は物語内で明かされてた通りで、引用部分の「二人だけの秘密」は別のものを指してますね。16話で桐乃から指輪を返されたときの京介の表情からすると期間限定恋人が元々の秘密だというのは間違いないでしょう。で、引用部分の「二人だけの秘密」は最後に京介が語るエピローグに見せかけたプロローグ(あそこで指されている物語は二人の今後のこと)の先、語られない物語。

2013/06/10

竜華さんかわいいじゃねえか…!

阿知賀編16話見て一気に竜華さんが好きになってしまったようです。

もともと怜が大好きだったわけですが、カップリング相手の竜華さんには全く気を払わずに最終話まで見てたんですよねえ。ひっじょーにもったいないことをした!

竜華さんほんともう怜がいないとだめすぎてかわいい。怜が「三順先や」とかやってるときとか15話で怜とのカップリング超能力とかやってるときとか片鱗は山ほどあったと思うんですけど、16話がほんとにひどくて一気にやられてしまいました。りゅーかさんハナから怜だのみだし怜の力かりないと全然和了れないし怜パワーかりれなかったときに「怜っ」とかいって寂しそうなどうしていいかわかんない感じの顔しちゃうし情けないったらない…!

こんなダメな娘が大将で名門千里山高校は大丈夫なのだろうか……。

まず先にカップリング相手の怜について触れておくと、怜のかわいさってのは彼女が倒れそうになりながらも彼女のプライドのありかに寄って真っ直ぐ立っている姿に圧倒されるってのが大きな理由です。それでいて竜華に膝枕してもらってぐでーっとしてたりとか適当にボケたりとかわざとらしく拗ねてみたりとかいろいろあるんだけども。基本的にはこちらは地べたにへたりこんで怜を眺めて圧倒される、という形式で怜を好きになってるわけです。

一方で竜華さんのほうは、よだれだらだら流して口開けながらじゅるじゅるいって見てる感じ。同じかわいいという言葉でもぜんぜん違う。まさかあんなにダメな娘だとは思っていなかったのでなおさら…。なんかキリッとしてるしなんだかんだ名門千里山の大将ですし平均得点が高いとかなんやらアナウンスされてましたしてっきり怜クラスの自力でいい勝負してくれると思っていたらあれだ。まさか咲の世界でZONEなどという普通の能力が見れるとは思ってなかったよ。。

つーか怜が戦ってるときはなんかセーラと竜華が怜をひっぱってった感じで描かれてたけど、むしろ竜華の怜への依存度がすごいよね。この娘怜がいなかったら麻雀つづけてすらいないんじゃねえか。怜ががんばってる姿を見てようやく自分も戦えるという印象。そうそう、膝枕についても怜がねだって竜華さんは「しょうがないなあ」とか言ってやってるけどむしろ逆で怜が膝枕してくれないと竜華さん物足りなくてぜったい自分で太ももさすって温めて「怜の温度や…」とかやってるよね。要するにオナニーだ。ばんざい。

で、怜はかしこいかわいいのでそんなのは直感的にわかっていてあの形になっている。あるいは両者が奇跡的にマッチしている。後者のほうがいいけど、この辺はまだよくわかんないっすね。

ともあれ「怜ぃ」って呼びかける竜華さんの声の依存を予感させる感じはとても素晴らしいと思います。どっちも好きなカップリングはやはり良い物ですなあ。
俺妹の感想みてるとイライラしてきてツイッターで荒い言葉がでそうになってよくない。俺以外があの子をいじめるのは許さん!状態である。というわけでこっそり書くことにする。

まず、実妹だからといってキモいという理屈が謎。あんなもん単に社会サイズにおける近親/その他比の問題でしかないんじゃないの。マイノリティーきもーいですか実に良識的なことで素晴らしいですね。

まあフェーズ移動してキモいっつーのはいいとしてならタイトルに妹入ってる小説読まなきゃいいじゃん。チャンネル変えたら映っちゃうようなもんじゃねえんだから。本屋いって手にとって買うなりAmazonで検索して数クリックして届いたもんを開封してしなきゃ読めないもんに対して何言ってんだといった感じ。

適当にというにはかなり粘着的にレビュー類読んで文句つけていくけど、まず11巻までの段階で黒猫か桐乃しか残らない。麻奈実たちの立ち位置は物語的に排除されており、あやせは京介の態度において排除されている。12巻で黒猫が選ばれなかったのは、京介が黒猫に対して例えば友達を作ってあげようとしたりしたその想いと同じ方向性で、京介がより桐乃のことを想っていたということ。

誰とも付き合わずに終わったということに対する批判が多いが、批判の方向として正しいのは、期間限定でなくそのまましがらみとかふっ飛ばしてしまえ突き抜けてしまえっていうものしかありえない。前のエントリでも書いたが、桐乃と付き合ってしまい、三年前の事件をもって始まった兄妹の物語を一旦清算するという決断を二人が下した以上、あの先に展開するどのような物語も『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』という物語では語り得ないのだから。

じゃあせめてこの先に期待させろというが、そんなもん一巻から桐乃が「好きであることをやめない」っつてんじゃないの。信頼出来ない語り部をやめた京介の気持ちが残っているってことが明かされただけで充分でしょう。

兄妹感の恋愛を否定した物語であるって何言ってんだろう。じゃあエピローグでキスシーン入れないでしょ…

これまで積み上げたものをぶち壊しってのは本当に意味がわからない。かなり拾ってますよ? ある程度幅を持たせて書いてきたものを11巻で形にまとめて、11巻ラスト2つのエピソードを入れた。12巻で三年前の事件のない普通の兄妹に戻すために櫻井という人間を用意しておいた。黒猫の予言書も拾っている。各人の立ち位置に応じた終わり方があって、その中であくまで主人公が決めた。

各ルート作ればよかったってのは、、何巻からやり直させる気だよとしか……。11巻終了時点からの分岐だと駄作確定だけどいいのだろうか……。

京介が桐乃のことを好きになった理由がわからないってのも多いなあ。そもそも好きになるのに明らかな理由はいらないし、しかも京介が桐乃のことを好きであるということはずっと書いてあった。それが恋愛感情かどうかが伏せられていただけで。彼の好きな相手にたいする好意の現れかたは、例えばかつて恋愛的に好きだった黒猫に対するものや、三年前好きだった相手に対する態度と同じものであるはずで、それは桐乃に対する態度と何も変わらない。それでいいんじゃないの。

兄妹愛だと思ってたのに!ってのもあるけど、それで文句つけるんだったら11巻で文句言ってやめりゃいいのに。妹が兄のことを恋愛的に好きなのは良くて、兄が妹のことを好きなのは異常だという理屈なのかしら。

だいぶすっきりした。寝る。

(追記)
11巻を経てもなお、外挿された理想の「俺妹」と実測とのずれを見て実測がおかしいとか言うのはなんなんですかね。実測に合わせて整合するように解釈しなおしゃいいのに。

2013/06/08

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』 12巻 感想(ネタバレあり)

俺妹12巻読了。ネタバレあり

とりあえず、アニメBD1巻を予約しました。言うまでもなく特典小説目当てです。

今の感情を正確に表現するならば、寂しさの中ですがっている、といったところでしょうか。二度目のキスにすがっている。

んー…、まだ脳内ぐちゃぐちゃしてますが、一応感想じみたことを書いていってみます。

まず、前の11巻(感想はこちら)で京介と桐乃、そして麻奈実の過去が明かされたので、物語上の謎ってのはいくつかに絞られてましたよね。京介の好きな人とは。桐乃のiPodとアルバム。エロゲーよりすっごいこと。細かいことだと「りんこルート」、京介が過去に桐乃にあげたプレゼント(ピアスじゃなくて)とかもありますけど。

で、当然ながら京介が誰とくっつくのかっつーのが、最も気になるところだったわけです。実際、今週月曜から平均一日二冊オーバーの勢いで一巻から改めて読み返してたんですけど、京介の言動に対する桐乃の態度よろしく政治家の発言の揚げ足をとるかのように、京介が「自分から告白する」と言ったときの目的語が桐乃である言質を探しつづけたりしてましたし……

読み返してみると、11巻で麻奈実(と加奈子)の可能性は完全に殺されてしまっているんですね。「桐乃と京介をふつうの兄妹にしてから、よーいどん」という方向性が死んで、黒猫(とあやせ)みたいに桐乃のことが大好きだから、桐乃の想いを閉じ込めさせることなく、同じラインで戦うことを選んだものだけが残った。

単に身勝手に動くときの感情の強度ではなく。自分にとって大切な相手の想いを知ってなお、自分の想いを捨てられない。その身勝手さに呆れ果た人間が、自分を「仕方ない」と苦笑いしながら動いてしまう、その強度こそが問題にされていた。これは「凄いお兄ちゃん」から「かっこ悪い兄貴」という文脈と同じもの。

11巻の最後、12巻のプロローグで予言されていたとおり、あやせが告白し、黒猫が告白された。そんで、自分から告白すると決めていた京介が動いたクリスマス。桐乃の「はい」。現実と妄想の区別がつかなくなったのは俺のほうだっつーの。

その後、二人の人生相談あたりは流れとしてまあ綺麗。近親相姦もののよくある展開を繰り返すのはだるいと感じもしたけど、その中で、京介と桐乃の問題は(よくあるものだとしても)彼らだけのものであると言っているのは良い。凡百の兄妹ルートを全て讃えている。ちょっと嬉しくなったかな。

麻奈実のくだりはメタメッセージがうざいので置いといて、京介と桐乃のキスシーンは奇跡を眺めるように読んでた。そして奇跡の終わり。エロゲーよりすっごいことっていう言霊が、さっき言った兄妹ルート賛歌で消えてることを願ってたんだけどなあ。ただこれが人生相談への二人の回答で、だから怒り狂うとかそういうことはなかった。そりゃあ寂しいけど、この二人の決断に口を挟めるほどのものを俺は持っていないから。

エピローグ。普通の兄妹に戻った二人。楽しそうに秋葉原で遊ぶ桐乃。これで終わっていてくれたら、と思うこともなくはない。読み終わってしまっているのでそのときの俺の反応はもはやわかりゃしないんだけど。A判のご褒美としての「お願い」を使った二度目のキスなんか見せられたらさあ、この先を期待してしまうがな。

「凄いお兄ちゃん」でなく「今のかっこ悪い兄貴」を改めて好きになって結ばれたように、「普通でない兄妹」の恋物語でなく「普通の兄妹」の恋物語を見てみたい。語義矛盾であろうとも。

だってさあ、桐乃は「好きであることをやめない」んだよ?

(追記)
今朝起きて読み返してた。エピローグは、「普通の兄妹」に戻った二人の恋物語が始まるプロローグだと認識することにしますそうに違いない! 一度目のキスシーンで終わった劇的な兄妹ルートには、桐乃がこれまで京介にプレイさせてきたエロゲと同じように結ばれた先はなくて、二人は普通の兄妹に戻ってしまったんですが、これは三年前の事件がなかった(五年前のは残っている)ときに外挿される二人の形と同じものです。例えば、櫻井のエピソードをわざわざ入れたのも、三年前の事件を解消する必要があったから。そう考えるとあの「俺たちの闘いはこれからだ!」ENDもしっくり来ます。だってこの先の普通の兄妹の恋物語は、三年前の事件を起点として持つ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』というストーリーラインでは語り得ないものだから。

といった感じですっきりしたんですが、普通の兄妹の恋愛物も読みてえ……。作者さん次回作書いてるらしいですがタイトルは『俺の妹がこんなに可愛い』とかですかね。ああ実に楽しみだ…

(蛇足)
ネットで感想あさってたら、京介が惚れる理由が薄いというのがありましたが、これについては、彼が黒猫と付き合っていたときに「好きなやつの前ではかっこつけたい」と言っていることが全てでしょう。かっこつけ方は変わっていったけれど、彼がこの物語を通じてずーっと、一番かっこつけたかった相手は桐乃ですから。その相手が実妹であったというだけで。