2012/02/05

結局のところ、いやらしいのは俺だ (アニメ『パパのいうことを聞きなさい!』1~4話 感想)

パパ聞きのアニメ4話まで見て、原作1巻および7巻を読み返したので比較など。


まずアニメ1話。基本的に原作通りですが、空の風呂とか、美羽の腕組みやパンチラとかは原作にはないので、アニメ化に際してエロ要素を意図的に増やしているのは確かです。こういった場面での裕太の反応が「大きく」なったのも視聴者の受けるメッセージに影響を与えてるんじゃないでしょうか。なお、反応が原作に比べて「大きく」なったのは、赤面とか唾を飲み込むとかアニメ化によって(たぶん意図的ですが)自然に追加されたもののせいです。

1~4話まで見たところ、エロ要素は実際に増えているんですが、小説とアニメというメディアの違いも大きいです。小説では(年上好きと設定されている)祐太の1人称を通じて読者は3姉妹の情報を受け取るわけですが、アニメではフィルターなしで生データぶちこまれてしまうので、脳の変換回路がちょっと変わっているひとにとっては全てがエロくなってしまいます。まあ生データといってもあの塗りなんですが。

途中のゲームCMでもこの作品をどう消費して欲しいかがメッセージされていたりしますが、とりあえずアニメの話だけに限定したいのでこれは無視します。


続いて2話。冒頭で1話ラストのシャワーシーンがリピートされます。尺稼ぎ+サービスなんだと思いますが、視聴者に与えるメッセージが強調されてますね。

OPは美羽のわきとか空とかがあからさまにエロいです……いや見てるほうが悪いのか?俺は悪くない!あとは、わざわざ寝てる空の全身を舐めるショットや姉との風呂シーンなどが追加されてますね。うーん、いらないと思うんだけどなぁ…(美羽だけでいいよね☆)

エロ関連はまあいいです。すべて俺が悪いんですごめんなさい。でも、美羽が祐太の顔に落書きして女物のカツラかぶせるのは意味不明です。美羽は相手との距離をはかれる子ですから、これはありえない。

あと、なぜか空と美羽が両親を海外に行かせたいと思っていますが、この改変はどういう意図なんだろう。いい子描写なのかもしれないですが、これ後悔を増やしちゃうので…

そして2話後半の葬式です。ここはほぼ原作通りですが、姉との回想を入れたり、「家族は一緒にいなきゃ、ダメなんだ!」という台詞を追加するなど、かなり祐太の感情を強調した演出になってます。祐太に感情移入しやすい良改変だと思います。


そして3話。家につくまでのシーンは全てオリジナルです。カラオケでめし食うなどの浪費に気づかない祐太。「デリカシー」関連以外でわがままを言う美羽。最悪の改変は、おばさんからの電話によって初めて祐太が今後の大変さに気づくところだと思います。これは祐太が自分で気づかなければならなかった。祐太は別に鋭くはないけど、自分でちゃんと考えて、気づくキャラです。

原作ではアパートに着いて荷物置いた後、「安くて旨くてボリューム満点」の定食屋で食います。なお、この店を美羽は「美味しかったー」「ステキなお店ですね」と評します。そして空はこの段階で祐太のお金の心配をします。祐太は「家族に遠慮するな」と言いますが、この段階で「普段は自炊しよう」と提案します。最後にアイス買っちゃってますが、このへんの無駄遣いは祐太のデフォルトですね。

アニメに戻って家についた場面から。着替えの問題でカーテンでしきりを作りますが、原作では空たちが「祐太を着替えのときに追い出すのがいやで」引いたものだったのが悪改変されてます。ただまあ尺の問題で仕方ないかと。3人での風呂シーンなどエロ要素を追加するくらいなら、と思わなくはないですが。

3話の最後に、ひなが「パパとママは?」と尋ねたときに美羽が耐え切れなくなって部屋を飛び出すのは違和感があります。祐太の前でわかるように涙を見せるのも、原作のキャラクター描写からすると不自然な印象。この後、空がみんなが寝て誰にも知られることのない場面でやっと涙を流してますが、美羽も同じだと思います。美羽も空も、他の家族がどう思うか考えて、自分さえ我慢すればいい場面なら確実に自分を殺すキャラクターです。それでやっと成り立っている相互扶助計画だと思うんだけどなあ…

最後4話。まあ物語変わっているのであれですが、コンビニで買いすぎはありえないです。なんでこんなに祐太をバカにしたいんだろ…

4話では3姉妹のダメダメ描写が続きますが、ぽんこつなのは別にいいです。過剰だとは思いますが、原作でもだめはだめなので、ちゃんと成長していってくれれば。

ただ、ただね。これだけは言わせてください

美羽がひなといっしょになって落書きするシーンだけは、絶対にありえない。誰だよそれ。美羽なめてんのか!?

なんでオリジナル入れたんだろう。原作ストックあるし巻ごとで切りやすいのに…