2024/09/20

原田マハ

原田マハの既刊を漁り始めました。

移動時間とかラーメン屋の並び待ちとかでまず『本日は、お日柄もよく』を読みまして、この本の著者は言葉の力を信じてんだなーというのが感じられたのがまず最初の感想。スピーチライターという職業(つまり一対多)にスポットライト当てながら、「聞く」という行為とか、一人に向けた言葉だったりそれが継がれていくこととか、あるいは発されなかった言葉も置かれている。エンタメ性をちゃんと両立させているのも良かったです。

その流れで『楽園のカンヴァス』も読んだんですが、まずテキストの段階で『本日は、お日柄もよく』と同一人物が書いたとは思えないのに驚き、こちらはシンプルに真贋鑑定や歴史の謎が置かれていて引き込まれると同時に関係性と時代の複数の線が並行していて、構成としてリッチで単純に面白い。『本日は、お日柄もよく』との共通性で言えば、「感動」とそれが継がれていくという営為に対する視点かな。

2冊でがらりと印象がかわってかついずれもエンタメ性との両立がめちゃめちゃ上手かったので次も買いました。基本的に作家単位で買うタイプなんすよね。